【まとめ】音の焦点を容易に調整するために必要な設備。

(未来:妄想は、いつの間にか現実になる……という法則。 - 雑記/えもじならべあそび)

(2008年11月8日21:48:56追記)
 こういう考え方のアンプユニットが出てきました。

 安価で高効率なデジタルアンプだからこそ出来る贅沢、というところか。
 きちんと片方(LFまたはHF)をデジベル単位系で±6dB調整できるから、機能的にはほぼバッチリ(ほんとは他のユニットにつなぐことも考慮すると、±12dBくらい欲しいのだけれど)。


 まー、とりあえずは……めでたしめでたし。
 これに乗り換えようかなぁ……そうすれば簡単に幸せになれそうな気もする。

(過去:将来採用して欲しい、広ダイナミックレンジなデジタルソース用の音量基準。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:たぶん、「地上デジタル放送のおかげで」DVD-Audio対応機はSACD対応機に勝るシェアを確保する。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:それは「音の焦点」……なのか?誤解を恐れずに言い換えるならば、それは「音のバリアフリー」なのかもしれない。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:JBL/JRX115をバイアンプ接続対応へと改造するための配線変更点メモ……というか、「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)のための追補。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)もしかすると、音の焦点合わせとかいう方法をするためには、ネットワーク回路中に含まれるBEFは外してしまったほうが良いのではないか……と思った。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その8。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:プロケーブル関連でやり残していることのメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:これまでのプロケーブル追っかけ関連まとめ(2008年6月13日18:22:54追記あり)。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その7──超手抜きコピペ版──。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その6。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:JBL/JRX115配線メモ(後に【音の焦点をプラセボ少な目で調整するための実験回路その5】となる部分を追記。)。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点合わせ」とかいう珍妙な操作をするために最も適したソースは、実は「非音楽番組系の地上波デジタル放送音声」なのではないか?と仮定してみるテスト。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)プロケーブルさんが勝手に割り当てている「音の焦点」というものは、「等ラウドネス曲線」か「過渡応答特性一致」」には絡んでいて、「ダンピングファクタ」には絡んでいない? - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:音響メモ──「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その3。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)その2。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「音の焦点」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)。 - 雑記/えもじならべあそび)


 今までのまとめ。
 前提条件として【将来採用して欲しい、広ダイナミックレンジなデジタルソース用の音量基準。 - 雑記/えもじならべあそび】が満たされないといけない……という部分はあるのだけれど、それをやる・やらないにかかわらず、こっちも必要なところで。
 #ここで提示する調整をしても、ソースによっては「本物の音」には遠い状態のままとなるはずです……コンプレッサなどで圧縮された音は「(デジタル圧縮を知ってる人なら誰でもわかる当たり前のこととして)圧縮時のパラメータがわからないと復元できない」のですが、(レコードにおける各種規格のような)具体的な圧縮パラメータは普通の音楽ソースで提示されていないので、(以下の操作を行ったとしても絶対に)技術的に復元不可能なんですよね……。


 ……まぁ、これは素直に「2Way環境でのマルチアンプ調整技術」ってことで説明が付くと思う。
 調整が困難な3Way*1ではなく、調整が容易な2Wayを使うというところが、ここでのポイントなのかも。
 大昔から「2Way環境でのマルチアンプ調整技術」に首を突っ込んで来た方であれば、下の内容なんて一切読まなくても「すでにやってること」だと思う。


 必要な機材は以下のとおり。

  • 普通のソース機器。
  • 普通の2chメインアンプ(RecOutではなく、メインボリウムで調整された音量をそのまま出力するPreOutが必要です……そこから分岐ケーブルで【同機のMainIn】と【高音用アンプのLineIn】にパラレルでつなぐので。デジベル表示があるアンプなら管理しやすく良いと思う)
  • バイアンプ接続に対応するスピーカ(自分でネットワーク基板の配線を高低分離して、バイアンプ適応改造をしてもいい。ただし、絶対に「ネットワーク基板を除去してアンプとスピーカを直結」ってのはだめ(部品交換さえも避けたいところ)。スピーカユニットとネットワーク基板は「組み合わせてはじめて音響特性が合う」ように設計してあって、ネットワーク基板の変わりに外部チャンネルデバイダを使うと調整がさらにややこしくなる)。
  • 高音域ユニット専用の2chメインアンプ(リモコンで音量を制御できるタイプであるか、もしくは手元で音量制御をできるようにケーブルを引き回しておく必要があり、調整不能なタイプは論外。プリメインアンプの場合は「MainInにつないだ場合に音量調整できない」のが普通なので、MainInではなくLineInやCDInなどに接続すること。デジベル表示があるアンプなら管理しやすく良いと思う)。

 機種指定?そんなのないよ。どの機種でもそれらの特性なりに鳴ってくれるし。
 あと、「パワーアンプ側に音量調整機構がないのは論外」って書いてるけど、プリアンプ部分にミキサーなどを使っていて手元制御ができるなら、それでも一応代用はできる(けど、ラインを流れる信号が最大振幅ではなくなるので、その分ノイズ耐性とかが劣る点は覚悟しないと)。


 接続上の考え方は次のとおり。

  • 高音用プリメインアンプは【絶対に】手元で音量調整できる必要があるので、手元操作できる位置に配置するか、あるいはリモコンつきのものを選ぶこと。
  • セレクタ機能を持たせるほうのプリメインアンプから引き出したプリアウトは、左右ともに2分岐ケーブルを使って2台の機器へと接続する。
    • 2分岐したうちの片方の左右チャネルは、従来どおり「もとのプリメインアンプのMainIn」へと接続する。
    • 2分岐したうちの残りの左右チャネルは、別途用意した「高音用プリメインアンプのLineIn(CD IN)」へと接続する(ここにただのメインアンプを接続しても良いけど、音量調整のできないメインアンプは接続しても無意味なので注意)。プリメインアンプのPreOut出力はたいていが1Vrms出力(CDなどの2Vrmsよりは低いが、旧規格アナログ機器などの0.2Vrmsよりは高い)ので、高音用プリメインアンプにCD用の高振幅入力端子が設定されていれば、そこへ接続すること。


 そして、バランス調整の考え方を。

  • まず、ソース機器→メインアンプの順序で電源を入れる。すべてのプリメインアンプはボリウムを最小にする。
  • 次に、ソース機器でソースを再生する。
  • 次に、高音用ではないほうのプリメインアンプの音量を徐々に上げていき、(高音が出ていない状態なので)普段聞く音量よりも少し低めにセットする。
  • 次に、高音用アンプの音量を少しずつ上げていき、「低音がでしゃばっている状態から、徐々に高音がでしゃばる状態へと変化していく」ことを確認する。これは「耳の良し悪しで変わる」とかいう怪しげなレベルではなくて、そもそも音量バランス自体が数十デジベルという広範囲で変わっていく操作なので、誰にでもその差がわかる話。
  • 高音用アンプのボリウムを上げたり下げたりしていって、「低音と高音の両方がちょうどバランスして、不自然さがない状態」になったら、基本調整は終了。
  • あとは高音用アンプではないほうの音量をいじって普段聞く音量にして、高音用アンプの音量をそれに合うように微調整する……と。
    • 高音用アンプではないほうのRecOutから音を引き出して高音用アンプへと接続すると、高音用アンプではないほうの音量を調整したときに「高音用アンプの音量が連動してくれない」ので、調整しづらくなります。
    • 高音用アンプではないほうのPreOutから音を引き出して高音用アンプへと接続すると、高音用アンプではないほうの音量を調整したときに「高音用アンプの音量が連動してくれる」ので、調整しやすくなります。

 このとき、左右バランスの調整が必要な場合は、まず高音用アンプではないほうを調整してください。その上で、高音用アンプについても調整が必要な場合に限って、高音用アンプの左右バランスも調整してください。


 ちなみに、ここでは「高音用2chと低音用2ch」でメインアンプを区切ってるけど、チャネルセパレーションを確保するなら「右用2chと左用2ch」で分けるとか、モノラルアンプを含めたシステムにするほうが良いです(こういう考え方は自作系システムを組んできた方なら大昔からやってると思うけど……)。
 いずれにせよ、低音のボリウムは固定したまま高音側を「手元で」調整する必要があるので、メインアンプであろうと何であろうと【リスニングポイントから、一切動くことなく手元で高音側音量を調整できる状態にすること】が、何よりも重要です。
 #なので、パワードスピーカにあるような「背面調整PAD」は微妙。あれが前面に付いていれば、きちんと目的は果たせるのだけれど……そういう設計のパワードスピーカはあまりないから、今度要望を出してみようかなぁ。


 ……と、こんな感じ。

とりあえず提案。

  • バイアンプ駆動対応の2Wayスピーカにしよう。
  • (スピーカごとの電気的調整は大変なので)ネットワークはスピーカ側に持たせよう*2
  • 高音用スピーカから出力される音の量を「低音におおむね連動し、かつ【手元で】微調整できる」状態になるようシステムを組もう。

 たったこれだけのことで、【メーカー測定室と自室の差】【製品ごとに異なる部品の個体差】【人によって異なる聴感の差】を、ある程度の割合で吸収できると思う。
 高級な製品は【製品ごとに異なる部品の個体差】がよく管理されているけど、【メーカー測定室と自室の差】と【人によって異なる聴感の差】はどうにもならないので、結局は調整してあげないといけないことに変わりはないと思う。


 そういえば……高音と低音の音量調整がきちんとなされると、「左右チャネルから出た音が、ちょうどスピーカ間中央に定位する」のとまったく同じ理屈で、「上下ユニットから出た音のうちクロス周波数帯域の音が、ちょうど上下ユニット間中央に定位する」ことになります。
 原理的には「クロス周波数の音を出して、そのときの音が上下ユニット間中央に定位する」ように調整してもいい……はずなのですが、スピーカユニットの音響放出特性はかなり大きな山と谷の連続なので、特定周波数のピンポイント放出試験ではろくな結果が出ないはずです。
 そのため、音楽を使わずに調整しようとする場合には【クロス周波数を中心にして、両端へと-6dBで下降カーブを描くように調整したホワイトノイズ*3】を用いて調整することをお勧めします(音楽ソースによらずちょうどいいポイントを探すには、これくらいしかいい方法がないと思う……XYステレオマイクを時計回りに90°回転させて近接測定すれば、このあたりを定量的に測定できると思う)*4

*1:3Wayでは特に声の帯域で「ウーファーの上端帯域」と「ツィータの下端帯域」が被ってくるので、3者のバランスを取るためにひどい思いをします。自作スピーカや半自作スピーカ(別ユニットへの交換など)だと2Wayでも面倒なところがあるので注意。既製品スピーカを丸ごと流用した2Wayならそういう面倒がなく「たった一箇所のクロスのさせ方」だけに注視すれば良いので、面倒な仔細調整はほぼ不要で、「音量」という単純なファクターのみで実用的なバランス調整が可能なんです。

*2:アンプ内蔵のパワードスピーカなら、アンプの前に(もともと付属していた)ネットワークがあってもいいけど……ネットワークはパッシブであれアクティブであれ、あるいはラインモードであれスピーカモードであれ、きちんとした測定機器なしに自作するような真似はしないほうが良いと思う。

*3:3Wayチャンデバの中音域用フィルタ+ホワイトノイズ生成機の組み合わせで作れます。もともとパワードスピーカーには、こういった特殊なホワイトノイズを生成する基準回路が必要だと思う。そうじゃないと「何を基準に調整するか」がわからなくなってしまい、せっかくのパワードスピーカコンポーネントが生きないと思う。

*4:自作スピーカの調整で使うなら、まず低音用ユニット+低音用ネットワークの合成特性がなだらかになるようにして高低合成時のトラブルを回避し、次に高音用についても同じ操作をして、それから高低を同時に出して「高音もしくは低音のどちらに、どれだけのPADを挿入するか」を検討すれば良いと思う。こうして調整すれば、マルチアンプ構成をとらずに「スピーカに挿入するPADによって」高低バランスの調整ができるので、設置位置&設置方向&リスニングポイントが決まっているならそういう対策も可能だと思う。部屋の反響特性が変われば音も変わってしまうので、部屋の模様替えを頻繁にするとか、外に持ち出して聴くとかいうことがあるなら、この方向性は封印するべきだと思うけれど。