(memo)新JISかなの宣伝が下手すぎたと思う、いくつかのポイント。

(過去:濁点後置方式の配列は「何がダメ」なのか。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「新JISはNICOLAから生まれた!?」&「新JISにも版番号があった……しかも、次点配列はある意味さらに魅力的」 - 雑記/えもじならべあそび)

 注意:これは、 2009年11月22日に投稿する予定が、保留になっていたものです。
    保留にした理由は「途中にメモがあったから」なので、メモだけ除去しました。

価格.com - 『新JISキーボード』 クチコミ掲示板(拾い元:えもじならべあそび)
私は新JISも旧JISの違いもわからないなので、話の半分も理解できませんが、新JISが主流になってれぱもっとかな入力の人が増えてたんだろうな、ぐらいはわかります。


(from 2009年11月21日(土)ニュース - シャドールーム

 旧JISかな(正確には現行JISかな)のめんどくさいところは、

  • 説明する場合に限ってそのメリットを語る手順が大変になる。

ってゆーところにある、のかも。
 カナタイプ時代の配列そのままなら、「カンタンなのに高性能*1」ってのがわりと解りやすかったけど、途中でシフト側配列*2が崩れちゃったりしてるし……。
 カナタイプの配列を崩していった歴史について、過程については安岡センセが詳しく調べたものを公開している……のだけれど、あれだけ調査されていてもなお「どうしてくずしたのか」を「JISかな使いにとっての視点で」拾い集めるにはまだ無理があって、今のところはそれを「推測補完する」か「触らずに解説する」かの、どちらかしかとりようがない……ってのが、今の時点で厄介なところだと思う。


 翻って、新JISかなは……生成プロセスのうちかなりの部分が資料として残ってるくせに、「宣伝の下手さ」が思いっきり出ていて、

  1. (いくら教科書に限っていたとはいえ)「100万カナ越え」の2-gramを拾い集めて配列設計した。
  2. (利用者の寸法中央に近そうな)成人女性複数人による「300万打鍵越え」の打鍵特性を拾い集めて配列設計した。
  3. プロセスの前後は計算に頼ったけど、(私の記憶が確かならば)実用案256個を数案にまで絞ったのは「成人女性複数人による人力評価打鍵」*3

ってゆー、一番美味しいところが3つとも一般の利用者には見えてなかった……ってのは、大失敗だったんじゃないかと。
 ごく個人的には、さらに「一番はじめに【か】と【゛】を左右逆に置いちゃったのは失敗だと思う」し、「最後の2案から次点配列のほうを選ばなかったのも失敗だと思う」のだけれど、ほかにさらなるミスが積み重なっていようとも関係なしに、「複数人による人力評価打鍵」ってゆープロセスを経てるものには、大抵ハズレはないと思う。
 ……なんというか、「予備知識なく新JISかなを見ると、どうしても技術者のオナニー*4に見えてしまう」ってのは、やっぱりもったいないんだよなぁ。
 規格表と配列図下部に「泥臭いところを宣伝文句として書く」とか、そーゆーことをしていたら、あるいは……とか考えてしまうのは、配列屋の悪い癖、なのかなぁ。

*1:そういえば、カナタイプの設計時ホームポジションは「ちとしはをもまのりれ」だったのだろうか。平板けん盤ではありえなくても、機械けん盤ではそうあっても不思議ではない気がする(し、使用頻度的にはすんなり納得できるような)。こういうところは「平板のけん盤を見ても、設計時の意図なんて解るわけがない」から、結局は推測なのだけれど……。

*2:いま「がらんどう」になってる理由がピンと来ない人は、当時のけん盤配列を見るように。中段と上段のシフト側を見ると、カナ配列としては新JISかなよりも冒険してる部分がある様に見える……のだけれど、非JIS系のカナ配列を使った経験がある人なら「ああ、なるほどね。」って納得しちゃうような部分もあると思う。

*3:1番目と2番目だけなら、他の配列でもやってるのがある……と思うけど、3番目をやったのは「あとにも先にも、新JISかなだけ」だったと思う。80年代配列では他にこういう例がないはずだし、90年代はほぼ行段系(だから評価打鍵のメリットが活きにくい)で、21世紀配列は設計中の評価打鍵を個人で済ませる例が多いし……。

*4:評価打鍵の件に間違いがなければ、新JISかなは「技術者のオナニー的なものから、一番縁遠い配列」と言えるはず。