エラー訂正付のデジタルオーディオ転送方法リスト。

(未来:RAL-HUB02について、とりあえずABテストをしてみた。 - 雑記/えもじならべあそび)


 チラッとしか調べていない……のだけれど、エラー訂正(=フロー制御+再送制御)が効くリンク方法って、それほど多くはないのかも……クロック戻し線を使うものや、受け側バッファを使うものなど「クロックがらみだけ何とかする」ものは結構あるのだけれど、基本的にS/P DIFの呪縛から逃れていないものが多いような。

  • エラー訂正機能がないもの。
    • S/P DIFと愉快な仲間たち
    • iLink(同期転送モードを除く)
    • LANケーブル&コネクタを使ったプライベートリンク
      • HSリンク
      • デノンリンク
    • アイソクロナス転送を使うもの。
      • USBアイソクロナス転送
      • IEEE1394アイソクロナス転送
  • エラー訂正機能がある(?)もの。
    • LANDACを使うもの
      • iTunes→AirMacExpress(再生制御は送り出し側で行う)
        • 送り出し機器側にHIDデバイスが必要。
      • DLNAサーバ→DLNAクライアント(再生制御は受け側で行う)
        • 受け取り機器側にHIDデバイスが必要。
        • 代表例は……PS3だろうか。
      • ネットワークオーディオプレーヤ(再生制御は受け側で行う)
        • 受け取り機器側にHIDデバイスが必要。
        • 代表例は……今後はSoundbridgeあたりになるのだろうか。昔からWindows共有に対応したプレーヤはあるけど。
        • 似たような独自規格は昔からあったらしい。
  • エラー訂正機能があるもの。
    • iLinkの同期転送モード
    • 擬似データストレージ型DAC

 個人的には「シリコンオーディオプレーヤ並の外装とI/Fを持つDLNAクライアント」があればバッチリ……という気もするのだけれど、そういうちょうど良さげな機器はないのだろうか。PS3は大げさすぎ&不安定すぎるし。
 それと、AirMacExpressは「iTunesを使えば」USBDACのように手軽に扱えるのだけれど、ほかのプレーヤや非対応OSあたりでは少し面倒なことになるようで、そのあたりがマイナスポイントといった感じかも。

2008年7月20日21:18:49追記。

 ここでは「エラー訂正」に関してごっちゃに書いていますが、エラー訂正にも2種類あります……ここのところを分離して書いていなかったので、今のうちに書き直しておくことに。

  • 片方向通信で使われるエラー訂正……これはおそらく「オーディオ用途」と「ブロードキャスト配信用途(公共放送含む)」でしか使われていません。
    • データを丸々複数回流したり、それと似たような効果になるよう冗長性を付加したデータを流したりします。
      • 天候が悪いときになると、衛星放送の画質や音質が劣化しますよね……あれは「天候悪化によってエラーが増えた場合に、それでも放送が続行できるようにと冗長性の高い(=実際に遅れるデータ量が減る)方法へと切り替えて放送を続行しているから」です。
    • USBオーディオなどですと、エラー「訂正」というよりはエラー「検出」だけを行って、壊れたデータを受信したときには「データを捨てて、代用として無音に置き換えてしまう」とかいう処理を行います。
      • 音楽CDを等速再生する場合におけるエラー訂正も、これと同じようなものです。ただし、音飛び防止バッファを装備した音楽CDプレーヤを使ったり、パソコン用のCDドライブで音楽を取り込んだりする場合には、無音に置換する前に「再び読み込みなおしてみる」ことができるので、これによってエラーを防ごうと努力してみたりすることもあります。
  • 両方向通信で使われるエラー訂正……これは「オーディオ用途」と「ブロードキャスト配信用途(公共放送含む)」を除く用途で使われます。
    • この方法は、「データを受信する側が「受信成功」または「受信失敗(再送要求)」を送信側へと突き返す」仕掛けを持つことによって実現します。そのために「戻り路線」が必要なので、結果として両方向通信に対応している必要があります。
      • ただしこれは「電気的にペアの伝送路を必要とする」ことを意味してはいません。理想としては送信路と受信路を別々に確保する(有線LANなど)ほうがよいのですが、送信側と受信側にそれぞれ取り決めがあれば、(道路における片側交互通行と同じように)送受信兼用路だけを用意しても事足りる場合があります。

*1:2010年7月19日追記……http://fpga.cool.coocan.jp/electrart/usb_audio.html にて、すでにそういう完成品の頒布が行われていたことが判明。