トヨタとホンダが「次の世代のハイブリッドカー」に載せるべき機能。

 ……これは単純に「標準カーナビが、【燃費】基準で道案内する仕掛けを作ること」しかないと思う。
 ユーザー個人の運転技術やルート選択技術だけに頼っていたら、いつまで経っても「技能競争」の域から抜け出せないよ。もっと根本的に「意識しなくてもエコドライブになる仕掛け」を用意してあげないと。
 「訓練で何とかするべき」なんていってないで、「仕掛けで何とかしよう」をもっと発展させないと*1


 もちろん、いまやってるような「一日走って燃費がナンボだった」とかいう、一山いくらの話じゃなくて、「○○交差点から○○交差点までの間に、エンジンが何回転して、モーターが何kW分アシストして、どのくらい充放電したのか」というデータを、徹底的に蓄積することが重要。


 定額データ通信と内蔵メモリーを利用して「ユーザーの細かな運転動向を、匿名で徹底的にサーバーへと蓄積しまくる」ようにして、このデータを「カーナビのマップ」に掛け合わせると、処理次第ではカーナビの道案内について【最も低コストで走れるルートを案内】ということができるようになる。
 時間帯・曜日・季節など、様々な要因があると思うけど、それでも「渋滞情報」だけを基礎とするよりも、はるかに高精度なデータ群が取れる。
 モーターアシストの部分を除いて収集すれば「非ハイブリッド車用」のデータもとれるだろうし、こういうデータを蓄積していくと「エンジン制御ROM単体では出来なかったような、きめ細かな制御」のためにも役立つ、と。


 PureEVが一般向けに発売されて、ランニングコスト競争になったら、HybridEVのセカイを延命するためには、こういう「なりふり構わず、できることを片っ端からやること」以外に、生き残る道はないと思う*2
 #これをやるには「匿名データ送信に参加してくれるユーザー」をたくさん集めなきゃいけない……から、完璧に「シェア競争」になる。他所の国ならともかく、日本は特に「アップダウン」と「ストップ&ゴー」を要求される道が多いから、こういう仕掛けは絶対に必要。「エコドライブのために、知ってる道でもカーナビを使うよ!」って人が出てくるようになると、全体の実質燃費がぐっと上がる……と*3

*1:ここからさらに踏み込んでいくと、「エンジンをふかしても、たぶん通過できずにブレーキを踏むしかない」ようなことがわかりきってる道などでは、システム側が「(追越などの急加速をしない限りは)アクセルを踏んでいってもエンジンを稼動させない」とか、そういう先読み的制御も可能になる。

*2:もっとも、PureEVも「回生充電」ができるという意味では、全く同じことが出来るわけで……さきにPureEVで「カーナビ連動での燃費向上策」(PureEVにとってこれは「実質航行可能距離の延伸」に他ならない。)をやられちゃったら、HEVに生き残る道なんてないんじゃないかという気も。

*3:こういうのが全部の車に実装される頃には、そういうデータを相互運用して、それに信号システムを結びつけることによって「日本全体にとって、最もエコドライブとなるように、それぞれの車をうまく誘導して、渋滞を未然に防止するよう制御を行う」なんていう、アヤシゲな事もできるようになる……と。この頃になれば、信号機は車内に付くようになって、「ほぼノンストップで、かつ安全に走れる」時代が来てると思う。