秋田のB級グルメ「横手焼きそば」を喰ってきた……のだけれど、これが酷かった。

(過去:工程改善、作業改善、そのあとに設備改善……って、鉄則じゃなかったのか。 - 雑記/えもじならべあそび)


 店の写真とか、食す前の現物写真とかを撮った……のだけれど、とてもじゃないけどここには載せられない。
 とりあえずここに書けることは……

  • その店には、始めていった……にもかかわらず、明らかに「味が以前よりも落ちてる」という印象を抱いた。レッテルと中身が、全然かみ合ってない。
  • この店の味が、横手焼きそばの「標準値」なのか?と聞くと、(ほかの店の味を知ってる友人から)「そんな訳ねぇ!」と答えが返ってきた。

ということくらい、か。


 私は、まずいものを喰わさせた店の「箸紙」について、毎回「つっこみ用の扇子張り扇」のように折りたたんでから、それを持ち帰っています。

 で、店の外にでたら、近くにあるものとか、車の中で車装に突っ込んでから帰る……ってゆー、幼稚なことをしてるのですが、さすがに普段は「公衆の面前」では、こんなことをやらないわけです。営業妨害とか思われるのは絶対にヤですから。
 ……でも、今日だけは我慢できなかった。
 並んでる客に「会話」は聞こえないところまで離れたけど、「突っ込んでるとこ」は見られてたよなぁ……という距離だったにもかかわらず、近くのものに数十秒くらい突っ込んでましたorz。


 ……ってゆーか、「地域料理」について思うのだけれど、基本的に

  • 複数日にわたって仕込みの成果物を使い回せるものは、それを十分に使おうよ。
  • 調理にかかる作業標準時間を計って、「どうすれば大量の客に、見かけ上短いリードタイムで食を提供するか」を考えようよ。
  • ってゆーか、そもそも「内段取り+内作業時間」が掛かりすぎる【焼きそば】を、地域の町おこしに使うのは「(忙しさにやられて味が落ちるスピードが速すぎて)危険だから」やめようよ*1

って言いたい気がする。


 ……いや、横手焼きそばにしても、「3段構えの火縄銃」とか「開票スピードアップ作戦」とかを参考にして、いくらでも「各店舗の味を、良かったときの状態に戻したまま」提供速度を改善する余地がある……のだけれど、そーゆーのを「問題として自分の五感で捉える」ことをしない限り、あとは尻すぼみになるだけだと思う。
 B級グルメで「焼きそば」をテーマアップしてるところは、東北だけでも数地域ある……というくらいなのだから、地方自治体がやってる「開票スピードアップ作戦に関する、相互の情報交換」とおなじく、【焼きそば調理のスピードアップ作戦】を、本気で考えてほしい。


 【調理のスピードアップ】と【独自の味の維持】は、決して両立しないものじゃないです。
 地域ごとに手順や調味液を組み替えていいし、店ごとにも同じことをやっていい。
 ……ただ、「たくさんの人数に対して、焼きそばを焼く」というプロセスそのものについてだけは、手順を共通化する必要がある……そうして「共通手順の、何をどう組み替えれば、同じ品質でより早く提供できるか」ってところを、地域を越えて研究していくことによって、はじめて「B旧グルメとしての、地域焼きそば」が、受給双方にとって良いものに仕上がると思う。


 ……「和そば」は、手順をいくら決めても「混ぜもの次第で」食えない代物になる。
 でも、ほかの麺類は、基本的に「麺自体よりも、調理方法に左右されて」喰えない代物になる。
 ……だからこそ、「調理に時間が掛かり、手抜きで味が劣化しやすい、地域焼きそば」については、調理手順の改善を行ってほしいと思う。
 はじめに工程改善をやって、次に作業改善をやる……と、そこまでやるだけでも、だいぶ良くなる。
 最終的には、鉄板3枚&コンロ3台をローテにして、1〜2人が調理をする、ってゆースタイルになるとは思うけど、はじめからこれをやっても失敗するから、まずは工程改善→作業改善に着手してほしい*2


 地元の宮城県でも、石巻市というところで、やっぱり「地域焼きそば」を売りにしてる……から、よけいにこういうところが気になるんですよね。
 私だって、文句を言いたくて記事を書いてる訳じゃないです。「おいしいものを提供できているはずの店が、本来の姿に戻れるよう、何かいいたい」わけで……。
 ……2年後には、私が今日訪れた「劣化しちゃった店」が、きちんと「復活した店」に生まれ変わっていることを、強く希望したいところです*3

*1:ざっくり基準なのだけれど、内作業時間=来客後調理時間が「60秒/人前」を超えたら、基本的には危険だと思ってほしい。

*2:まず、「店内動線が腐ってる」場合は、そこを何とかしないと。ひどいとこだと、フロア動線が「C字」とか「S字」になってたりする。動線を「π字」にするとか、ちょっとの工夫で「価値を生まない歩行」を減らすことはできるよ。

*3:横手の場合、かつて鍋物中心に提供することを前提にして作った調理場で、そのまま鉄板焼き物をやろうとした……ってゆー、作業的にとてもつらそうなところがあるので、「工程改善→作業改善」をすることなく、そのまま「横手焼きそば」を作るのは、元々無理がありすぎると考えてます。それを店員さんが「ショーガナイ」って考えて、改善せずに調理してるかぎり、事態は永遠に良くならないです。「ショーガナイ」という諦めを捨てて、提供速度を改善するために根気強く活動してほしいところで。