同時打鍵法における実質制限速度についての仮見当。

(未来:『速く打鍵できる配列・速く打鍵できない配列』の差は、存在するのか? - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:同時打鍵法における体感入力効率の転換点予測についての仮見当。 - 雑記/えもじならべあそび)

【2011年4月10日23:23:32追記】
 この記事は、主にtwitterにおける「ついったいぱー」クラスターの皆様方とアレコレ意見を交わしたり、その空気を感じたりしている中で得た感触を元に書いています。


 拗音含み同時打鍵系(姫踊子草・下駄・新下駄)については拗音の同時打鍵処理分だけ打鍵効率がよくなるため、自身の記録について「速度を3%遅く」または「かな/秒を3%小さく」換算してから当てはめるほうが良いかも……実際には3%分効率が『よくなる』のですが、右脇の備考欄部分をそのまま追いかけるには、数値を小さく変換してから読むほうが手っ取り早いと思うので。
 #打鍵効率が100%よくなる(1アクションあたり2文字打てる)入力法では、同様に数字を50%小さくすれば良いかと。


 たとえば、飛鳥カナ配列とか、かえであすか等における高速度打鍵チャレンジの結果から、「同時打鍵法そのもの」の入力可能速度が推定できるかどうかは、まだ未知数なところがある……のですが、今後の到達速度や事例次第では、少しずつでも解ることが出てくるのかも。

タイプウェル速度中央値 TWランク カナ/秒 間隔msec/カナ シフト判定許容誤差msec(50:50) タイマー精度40msecあたり余裕時間 タイマー精度40msecあたり余裕率 TWランク 備考
5.000 ZZ 46 21.74 10.87 -29.13 -72.83% ZZ
7.000 ZX 32.86 30.43 15.22 -24.78 -61.96% ZX
9.000 ZS 25.56 39.13 19.57 -20.43 -51.09% ZS
11.000 ZA 20.91 47.83 23.91 -16.09 -40.22% ZA
13.000 ZB 17.69 56.52 28.26 -11.74 -29.35% ZB
15.000 ZC 15.33 65.22 32.61 -7.39 -18.48% ZC
17.000 ZD 13.53 73.91 36.96 -3.04 -7.61% ZD
19.000 ZE 12.11 82.61 41.3 1.3 3.26% ZE 物理天井(予測)
21.000 ZF 10.95 91.3 45.65 5.65 14.13% ZF
23.000 ZG 10 100 50 10 25.00% ZG
25.000 ZH 9.2 108.7 54.35 14.35 35.87% ZH
27.000 ZI 8.52 117.39 58.7 18.7 46.74% ZI
29.000 ZJ 7.93 126.09 63.04 23.04 57.61% ZJ 同時打鍵ロジックの精度破綻点(予測)
31.000 XX 7.42 134.78 67.39 27.39 68.48% XX
33.000 XS 6.97 143.48 71.74 31.74 79.35% XS
35.000 XA 6.57 152.17 76.09 36.09 90.22% XA tomoemonさんの飛鳥290到達位置
37.000 XB 6.22 160.87 80.43 40.43 101.09% XB 同時打鍵ロジックの精度保証限界(予測)
39.000 XC 5.9 169.57 84.78 44.78 111.96% XC 速度コンテスト動画の要求速度
41.000 XD 5.61 178.26 89.13 49.13 122.83% XD
43.000 XE 5.35 186.96 93.48 53.48 133.70% XE
45.000 XF 5.11 195.65 97.83 57.83 144.57% XF
47.000 XG 4.89 204.35 102.17 62.17 155.43% XG
49.000 XH 4.69 213.04 106.52 66.52 166.30% XH
51.000 XI 4.51 221.74 110.87 70.87 177.17% XI
53.000 XJ 4.34 230.43 115.22 75.22 188.04% XJ
55.000 SS 4.18 239.13 119.57 79.57 198.91% SS
57.000 SA 4.04 247.83 123.91 83.91 209.78% SA ブレ許容率十分
59.000 SB 3.9 256.52 128.26 88.26 220.65% SB
61.000 SC 3.77 265.22 132.61 92.61 231.52% SC
63.000 SD 3.65 273.91 136.96 96.96 242.39% SD
65.000 SE 3.54 282.61 141.3 101.3 253.26% SE かえであすかの想定中央速度
67.000 SF 3.43 291.3 145.65 105.65 264.13% SF
69.000 SG 3.33 300 150 110 275.00% SG
71.000 SH 3.24 308.7 154.35 114.35 285.87% SH
73.000 SI 3.15 317.39 158.7 118.7 296.74% SI
75.000 SJ 3.07 326.09 163.04 123.04 307.61% SJ 事務用途の一般要求速度

こーゆー表を書き起こそうと思った理由。

 それはたぶん、以下の2つを切り分けたいと思ったから、だと思う。

  • とことん訓練してものすごいスピードを出すタイパーさん方の速度領域。
  • 普通の人が普通に使う時の速度領域。


 前者の「天井がどこにあるのか・かえであすか系でどこまでいけるのか」ってのは、純粋な知的好奇心として知りたい!わけです……。
 そんな個人的欲望を満たすために協力していただくからには、報奨金を出すぐらいのことは当然やらなきゃ失礼に当たると思うし。


 その一方で、入力法を使っていただきたい!と想定するところのうちメインフォーカスは、やはり「一般的な事務・趣味領域の速度で使う方々」にあるわけで。
 そういった方々にとって「速く打てる方であれば、既にタイプウェル○○で打てる方まで居るんですよ!」ってのは、乗換えのための動機よりも以前に来る「無関心から関心へのスイッチ」のために役立つんじゃないかな……と。
 もっとも、そのスイッチがONになったところで、実際に乗り換え始めたら『配列と、自身との言葉との間の、相性問題』にぶつかってしまうケースもあると思う*1ので、そのあたりは難しいところがあると思いますけれども。


 いずれにせよ、けん盤配列界隈全体にとっていい方向に話が向いていくように、少しずつでもやっていけることをやっていきたいな……と。

2011年4月10日23:03:23追記。

 表だとアレかな……と思ったので、グラフにしてみた。

 グラフを見てもらえばピンと来ると思うけど、このグラフは

  • 逐次打鍵方式化した同時打鍵用配列の速度規制を示していない(逐次打鍵法には、システム上の天井は存在しないと考えている)。
    • たとえば「親指化していない、月配列Ux版」とか「前置シフト化運用中の、かえであすか配列」とかは、このグラフの影響を受けない。
  • そもそも「人間自身」の速度規制を示しているわけではない。
    • つまり、システムのタイマー精度が上がれば、(人間が打鍵できる範囲内で)打鍵可能速度は上がる。

ということを表現した代物です。
 一般的な非リアルタイム系OSにUSBキーボードをつないだ場合、それこそ40msecよりも高精度な環境を期待するべきではなさそうな気もするので、現実的はこのあたりが実際の値になりそうな気はしますけれども。

*1:最近ツィッターで気づいたこととして、『おっぱい』は小気味よく打てても、『セックス』が凄く打ちづらいことに気づきました……後者は思いっきり『セガクス』ってシフトミスになってしまいます。飛鳥290の時には『Xせ』だったものを、かえであすか化するときに「←Wせ」に変更したのが原因……2-gramで見たときには『せっく』が0回だったので、私の辞書には直接表現がすっぱり抜け落ちていたのかも。まぁ、日常的に使うなら隠語的表現を駆使するほうがしっくり来そうなので、それも「かえであすからしさ」の一つと捉えていただければ……って、いいのかそれで(苦笑)。