かえであすかの「属性」を「自主評価」してみた。

(元ネタ:http://homepage2.nifty.com/61degc/reports/koume/)
(関連:貴方がお使いの「パソコン用キーボード」について、お尋ねします。)


 けん盤配列の属性……なので、当然のごとく「ネコミミ」「妹」「眼鏡っ娘」とかの話じゃないです。
 141Fさんの小梅属性評価をお借りしつつ、ひとまず自主評価してみました。


 あと、この評価は【世間様にとっての】話じゃなくて、【私にとっての】話である点に注意。
 かえであすかは基本、「私にとって、ありふれたキーボードのうち多くで使いやすいこと」を第一義に作ったのですが、それを【世間様】に対して適用するつもりはないです。

覚えやすさ・忘れにくさ

記憶に残る << 中間 >> 記憶に残らない
       

 低頻度の清半濁カナを「隣りあわせに置く」などしているものの、あくまでも「清濁分置」なので、以下のようになります。

  • 入力規則が単純な行段系よりは覚えにくい、忘れやすい。
  • 濁点分離のカナ系よりは覚えにくい、忘れやすい。
  • 清濁同置のカナ系よりは覚えにくい、忘れやすい。
  • 入力規則が複雑な文字列同時打鍵系よりは覚えやすい、忘れにくい。
  • 入力規則が複雑な漢直系よりは覚えやすい、忘れにくい。
  • 入力規則が複雑な速記系よりは覚えやすい、忘れにくい。


 一度覚えてしまえば、たぶん50万アクション/年(≒1300カナ/日)以上の操作を続けることによって、十分に維持できるはず……と考えてますが、そこまで利用頻度を落としたことがないので、正直言って「利用頻度が低いときには、忘れる可能性がある」のではないか、という気もします。

脳の精神的負担度

軽い << 中間 >> 重い
── ── ── ── ──

 これについては、「ヒトによって、負担に感じる度合いは異なるのではないか」という、個人的な考えに基づき「属性を設定しない」ことにします。
 #というか、私だけの話として答えようにも、よく解らないのです……。

手・指(筋肉・関節)の「1アクションあたり」物理的負担度

軽い << 中間 >> 重い
       

 小梅で「やや重い」なら、飛鳥系は「重い」としか評価しようがないというか。


 負担度を中間まで持って行きたいなら、とにかくキーボードを「叩かず、押す」ようにしてください(あせってすばやく叩く、という動作をしなくても、それなりの動作速度が出るように、運指距離を短めに設定したつもりです……)。

手・指(筋肉・関節)の「1文書あたり」物理的負担度

軽い << 中間 >> 重い
       

 かえであすかは「重くても構わないから高速に」を狙った配列じゃなく、ここが軽めになるように作ったつもり。

打鍵数

少ない(1.2k/c) <<(1.3k/c) 中間(1.4k/c) >>(1.5k/c) 多い(1.6k/c)
   

 飛鳥系の場合、クソ真面目に同期打鍵すると、↓の2条件の中間あたりまで打鍵数指標は悪化します。

  • 打鍵数削減のために「漢音への言い換え」をやりまくったときのローマ字入力(≒1.4keys/char)
  • blogなどでよく使う、やわらかい表現をたくさん使ったときのローマ字入力(≒1.7keys/char)

 連続シフトがうまく使えるようになってくると、自然と打鍵数増を回避できるようになってくる……という感じになっています。

アクション数

少ない(0.8a/c) <<(1.0a/c) 中間(1.2a/c) >>(1.4a/c) 多い(1.6a/c)
       

 「1アクションによる単字出力」なので、単純に「1.0actions/char」となります。
 例外的に「──」と「……」だけは「1アクションによる2字出力」なのですが、これは頻度が低い上に【使わない人は、全く使わない】と思うので、計算には入れてません。


 非同時打鍵系配列では「打鍵数=アクション数」になるのですが、同時打鍵系配列では(打鍵順序を気にせず、かわりに同時押しするので)「打鍵数≒アクション数」となります。


 この「同時打鍵による、打鍵数圧縮」では、「打鍵数は圧縮できるけど、指に対する負担は圧縮できていない」結果となります。
 一方で同時打鍵法ではなく「拡張定義法による、打鍵数圧縮」を図った配列ですと、指に対する負担を軽減できるかわりに「運動性記憶に対する負担増」という結果となります。

カナの打鍵範囲

狭い << 中間 >> 広い
       

 飛鳥系は「かな」単独ではなく「かな+和文に交ぜる記号」をコンパクトにまとめようとしてる……ので、カナだけを見るとコンパクトにはまとまってないです。

「かな+和文に交ぜる記号」の打鍵範囲

狭い << 中間 >> 広い
       

 上記説明とほぼ同じ。
 3段30キーにはまとまってないので「狭いとはいえない」です。
 一方、「中間」というのもなんか変なんですよね……「やや狭い」に分類するほうが、たぶん当たっているのではないかと。

シフトの変動

狭い << 中間 >> 広い
   

 これは難しい評価軸かな……。
 「シフトの連続」が記憶として指に宿っていないうちは、シフトの変動が激しいです。
 「シフトの連続」が記憶として指に宿ったあとは、シフトモード間の変移率が下がってくるので、そこで使いやすいと感じる人もいるのかな、と。

左手 ⇔ 右手

左手(56:44) <<(53:47) 中間(50:50) >>(47:53) 右手(44:56)
レフティ       ライティ

 「かえでレフティあすか」と「かえでライティあすか」では、まるっきり逆になります。
 最近計算してないからわからないけど、「かえでライティあすか」はだいたい「Qwertyローマ字入力」と同程度の右寄り配列だったような。

 器用ではないほうの手もバンバン鍛える……ってゆーなら中間特性がいいんですけど、かえであすかはそれを一切目指さず、あえて手の器用さに依存しまくることにしています。
 #私は「苦手を克服」よりも「得意を伸ばす」を推奨してる奴なので……。

キーボードの選択肢

狭い << 中間 >> 広い
       

 親指キーを2個確保する必要があるため、以下のキーボードでは使えません。

  • OADG(JIS)ではなく、かつMac(JIS)でもないキーボード。
  • コンパクトノートにありがちな、変態配列キーボード。
  • キーピッチが16mmを切るような、省スペースキーボード。
  • スペースキーが中央にあり、かつスペースキーの幅が4キー分を超えるキーボード。
  • 一部のPOSレジ用キーボードにあるような「押下圧が60gを超える」キーボード。

 2親指シフトが必要&タッチタイプできるサイズじゃなきゃいけない……ので、「どれでも使える」とはいいがたい状況です。
 ただし、親指キーの位置規制は結構緩いので、あまり選択肢は狭くない気がします。

対応キーボードの普及率

低い(3%) <<(20%) 中間(50%) >>(80%) 高い(97%)
      (レ)

 以下に掲げる条件に合致するキーボードなら、ソフトウェアエミュレータ経由で*1「普通に」使えると思います(注:以下の普及率は、はてな民543人を対象としたアンケートから算出)。

  • 日本国内でフツウにJISキーボード付きPCを買った時に付いてくる、何の変哲もないキーボード(家庭系で合計90.7%、企業系で合計92.8%)。
    • センターに3キー幅前後のスペースキーがあり、スペースキーの両脇に無変換&変換キー(または英数&かなキー)があるキーボード(家庭系で81.2%、企業系で77.8%)。
    • スペースキーと変換キーの区切りが↓のように「キーボード中央付近にある」キーボード(家庭系で9.5%、企業系で14.9%)。 

 「狙ってキーボードを買う」方を除けば、かえであすかにとって使いにくいキーボードが「付属品として付いてくる」可能性は、ほとんどそうそうあるものではないと考えられます。


 ……ってゆーか、かえであすかは【ソフトウェアをダウンロードしてくれば*2、目の前にあるキーボードでフツウに使える】という可搬性*3を持つように設計したつもりなので、【一般的な家庭機&事務機に付属のキーボードなら、どれに当たっても使える】ことが当然になっていて、始めて存在意義がある……ってゆー感じなんです。
 ハードウェアレベルではエルゴノミクスでないキーボードでも、配列のレイヤーを弄ればソフトウェアレベルではエルゴノミクスになるはず……ってゆー、そーゆーところを狙ってます*4

関連するネタについて、はてなで聞いてみることにした。

 実際のシェアが解らん……ので、やっぱり「はてな民」に聞いてみることにした。
貴方がお使いの「パソコン用キーボード」について、お尋ねします。

貴方が「自宅で」もっともよく使うパソコンのキーボードは、次のうちどれに当てはまりますか。
(これはダミーです) 7
中央に2?4キー幅のスペースキーがあり、その両脇に「無変換」「変換」がある(NEC富士通ほか多数)。 378
中央に2?4キー幅のスペースキーがあり、その両脇に「英数」「かな」がある(Appleほか)。 49
ほぼ中央を境に、左手親指側が「スペース」キー、右手親指側が「変換」キー(DELL、Buffaloほか)。 50
上記のいずれにも当てはまらないキーボードを使っている。 49
そこでは、パソコンのキーボードは触らないので、解らない。 4
(これはダミーです) 6
貴方が「職場・学校・公共機関などで」もっともよく使うパソコンのキーボードは、次のうちどれに当てはまりますか。
(これはダミーです) 11
中央に2?4キー幅のスペースキーがあり、その両脇に「無変換」「変換」がある(NEC富士通ほか多数)。 342
中央に2?4キー幅のスペースキーがあり、その両脇に「英数」「かな」がある(Appleほか)。 34
ほぼ中央を境に、左手親指側が「スペース」キー、右手親指側が「変換」キー(DELL、Buffaloほか)。 72
上記のいずれにも当てはまらないキーボードを使っている。 35
そこでは、パソコンのキーボードは触らないので、解らない。 46
(これはダミーです) 3

*1:「かえであすか」を使えるようにするソフトウェアは、WindowsMacintosh超漢字の各環境向けに提供されています。Linux環境では、たぶん使えません。

*2:キーボードを持ち運ぶ……ってゆーのも一つの考え方なのですが、どっちにせよキーボード単独では役に立たなくて「別途のソフトウェアを必要としてしまう」ってのが現状……ならば、もーキーボードは目の前のものを使って「ソフトウェアだけで完結できる」ほうが、よっぽど手っ取り早いじゃん、と、私はそう感じています。昔とは違って「ネットワーク時代」なので、他所のコンピュータに接続できないパソコンって少ないはずですから、そこが障壁となることはそうないでしょうし。

*3:ある意味では、これは「可用性」でもある。消耗品であるキーボードがブッ壊れても、替えはたいていすぐ近くに転がってるし、そうではなくてもそこら辺の家電店で普通に買えるから、さくっと元の状態に戻せるわけで。

*4:金を掛ければエルゴノミクスな環境が得られるのは、ある意味当たり前……なのだけれど、そうなってしまうと「実体」に縛られてしまって、適用可能範囲が狭まってしまうところが、個人的にはとても気になっています。結果としてエルゴノミクスな環境が得られるならば、それが「ハードウェアによる実装」であっても、「ソフトウェアによる実装」であっても、どっちでもいいじゃん……って、私はそう思うんですけどね。