新下駄配列の欠点とは。

(関連:「親指シフト」と「かえであすか」、【僕】にとってどっちが覚えやすく忘れにくいか?ッて聞かれたら、そりゃあ『僕にとっては「かえであすか」のほうが覚えやすいし忘れにくいですよ。』って答える。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:ニコラの人が飛鳥に感動できず、飛鳥の人がニコラに感動できないわけ。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……最近、「○○配列 欠点」ってキーワードでの検索が、妙に目に付く。
 そんな中、ここ数日で多いのが「新下駄配列 欠点」なのだけれど……正直言って、

  • そ ん な の 知 る か ッ !

ってしか言えないんですけど。
 ……ってゆーか、そんなの「作者さんが普段からオンラインなんだから、堂々と本人に聞けよ!」って言いたいんですけど……*1


 どうせ、誰が何を書いたところで関係なしに、認知的には

  • あなたが言うのだから、それが真実なんです……あなたの中では。
  • わたしが言うかぎりは、それも真実なんです……わたしの中では。
  • どっちも『世間様』とは違うんですから、後は読み手に任せてみたいと思います。

(from http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20101212/1292139436 )

なんだし、「馬鹿アタマ」が認知的にどー思ってようと関係なく、「指さん」はそんなの全く関係なしに

  • あなたの指が言うのだから、それが真実なんです……あなたの指にとっては。
  • わたしの指が言うかぎりは、それも真実なんです……わたしの指にとっては。
  • どっちも『世間様』とは違うんですから、あとは世間様の指さん達に任せてみたいと思います。

……って言うわけだし。


 私にゃどうにも「ナントカ配列の欠点」を探そうとしてる人たちの、意図がさっぱり理解できない。
 ……それを調べてどうするってゆーの?もしもそれが「やらない理由」を見つけたい!ってゆー話なら、そうストレートに表明すれば良いじゃん……さっぱりわけが解らないよ。


 ちなみに、僕が使う[かえであすか]との『差』で言うなら、個人的には

  • 制御キー(逐次シフトじゃないシフトキー、後退キー)が文字キー領域の中にあるのは、私ゃどうにもうまく使えそうにない。
  • 別に、拗音は1操作で打てなくても良いんじゃない?[かえであすか]の処理方法でも、別に困ってないし……。

……って感想はある。
 だけれど……こーゆー設計差について「どっちを利点と感じて、どっちを欠点と感じるか」ってのは、それこそ人それぞれ……なんだから、誰かが言い放った『これは欠点だ!』ってゆー台詞を信じるのは、私ゃとてもじゃないけどオススメできないです。


 頭でいくら考えたって、どーせ指さんは『思ったとおりの反応』なんてしない……んだから、新下駄配列そのものでも良いし、「(旧)下駄配列」とか、「旧下駄派生配列群」とか、あるいは「かえでおどり配列」とか「楓配列」とか、そーゆーのをいっぺん試してみれば良いんじゃないかと思う。
 親指シフトでもやっぱり『試してみないと、合うかどうかはわからない』のだけれど、文字キー同士同時打鍵系配列もそれは同じ。


 文字キー同時打鍵系配列について、『配列を覚える時間はないけど、試してみたい』ってゆーなら、それこそ『かえでおどり配列』を試してみてくださいな。同手法が『あなた自身の指さんにとって』どういうメリット・デメリットを持ってるのか……ってのが、触ればすぐにわかるから。
 ……で、それが快適なら、実用配列に取り組んでみれば良いし、なんか変だ……って思ったら、その変だと思った部分が解消されてる別系統の配列に取り組んでみれば良いだけ……じゃないのかなぁ。
 とにかく、『興味を持ったものから試す』ッてのは良いことだと思う。その意思がポジティブだろうとネガティブだろうと関係なく、琴線に触れる配列ッてのは「何かしらの得るものがある」パターンが多いし。


 もーいいかげん、「利点」「欠点」って視点じゃなくてさァ、「ある特徴」が「自分にとってどっちなのか」ってゆーふうに考えて欲しいんですけど。
 そこンとこの「物事を捉える視点」が変わらない限り、鍵盤配列についての解説を読んでも「たいていええかっこしいなことばかり並んでいて、それぞれを比較すると矛盾することばかり書いてるから、読めば読むほど混乱するだけ」だと思う。
 「利点」とか「欠点」とかいうワードは、いったん漂白して「特徴」って置き換えてみようよ。
 そのうえで、その特徴が「自分の指さんにとって、利点なのか欠点なのかを、ひとつずつ自分自身の指さんに判定してもらおう」ってゆー姿勢で自ら評価打鍵(テスト)していけば、あなたの指さんは、あなたにとって最も効率よく快適に使える配列を、ほぼ自動的に見つけ出してくれると思う。すくなくとも、あなたの頭よりは、あなたの指のほうが『運動性記憶』という分野については賢いんだし。
 ……そのためには、「予断で配列を観察しない」ってことが重要で、それができなきゃ永遠に「似たよーなものを買いまくって、ドツボにはまってる状態」と同じところをトレースするだけだし……。


 とりあえず、「同構造を使っていながら、配字ルールを覚えなくても使えそうな、単純化された配列」から、いくつか手を付けてみるといいと思う。
 それで、その『打鍵感』が気に喰わなかったら、その配列は「指に合わない」って考えて大丈夫だと思う。
 訓練して使えるようになるまで、早い人で数日〜遅い人で1年とか掛かるけど、そーゆー期間についても「一回乗り換えてみないと解らない」から、そー言ったところは「なるべく若いうちに──つまりは、思い立ったその日に──はじめるほうが良い」と思う。
 実際、私ゃ4回くらい乗り換える羽目に陥ったけど、今ぐらいにいろいろな配列があれば、さすがに2回目の乗換えで上手くいけたかもしれないし……昔と違って、今は『たくさんの選択肢がある』から、迷いやすいといえば迷いやすいのだけれど、その分だけ「わざわざ時間を掛けて自力で配列を設計しなくても、それをすでにやってくれた人による成果物がたくさんある」から、そーゆー自作関連の試行錯誤は、ほとんどやらなくても良い状態に来てると思う。
 ……ゆえに、「どういう風に試乗して、どういう風に自らの指さんの意見を抽出していくか」ってポイントさえ押さえておけば、比較的早くに『自らにとって最も良い方法』を見つけられると思う。


 ……ってことで、まずは「ピンときたもののうち、簡単そうなもの」から、さくさくとテストしてみましょう。
 ちょっとしたテストでもわかることはたくさんあるし、それを端折ってあなたの凝り固まった頭で延々考えてるよりは、あなたの素直な身体に訊くほうが、よほど早く答えが見つかるはずだし。


 実際、かえであすかなんかは、設計について考えるのを止めて、もー素直に

 「指に訊こう、それが全てさ。」


( from http://www12.atwiki.jp/kaede-asuka-layout/pages/37.html )

 って方針で調節したし。
 ……そーゆーのさえある、ってゆーくらいなんだから、考えるよりは「試してみて、変だと感じた感触をフィードバックして、その不都合を解消してくれる配列を探す」のが、一番手っ取り早いよ……。

*1:うちはそれの説明をするのもメンドクサイ……って状況なので、かえであすかwikiが、あんなことになってるんですけどね。それでも、作ったからには『わかる範囲であれば、私は答える』し、それってどの配列作者さんでも同じだと思う。そーゆー「説明責任」は作者なら誰でも背負ってるものだし、そーゆーやり取りを通じて「鍵盤配列界隈の、皆にとって役立つ知識が、さらに増える」ってのも確実だし。