「小梅配列」と「かえであすか配列」の、どっちがオススメなの?

 んー……かえであすか作者の私が言うなら「小梅配列」がイイと思うよ。
 ……で、やってみて「シフトキーは専用じゃないとヤだ!」ってときには、そこで始めて「かえであすか」を検討してもらえば、それで全然遅くないし。
 


 ……って、それじゃ身も蓋もないか。
 ええと……小梅は

  • オートマチックにシフトの効果が打ち切られて欲しい。
  • キーボードの物理配列を、とにかく選びたくない。
  • 右手小指に広い範囲を担当させるのはヤだ。

ってときには、間違いなく「良い選択肢の一つ」でしょう。
 このあたりは、かえであすかだとまるっきり逆特性っぽいところがあるんですよね……。


 「小梅配列」よりも「かえであすか配列」が好まれそうなシーンというと、それこそ

  • 変換・無変換キーを、完全にシフト専用キーにしたい。
  • 「シフトキーを押してる間は、押してる通りにシフトし続ける」様になってないとヤだ。
  • 右手小指よりも、人差し指のほうが気になる。

とか、そういうシーンだろうし。


 けん盤配列って、こういう「動作上の仕様・制約の実現方法」によって、その優劣が根本的に振れてしまう代物*1だから、【ある特定個人にとっての配列優劣】とか【あるユーザーグループにとっての配列優劣】くらいは何とかなっても、【世間様にとっての配列優劣】なんて決まるわけがないし。
 ……結局は「根本的に差があるグループの中から、代表的なのをいくつかやって、その上で自分の好みを見つけ出してよ。」としか、今のところは言いようがないんですよね……。


 ……あっ、一つ書いておかなきゃいけないことがあるんだった。これも結構繰り返しちゃってる気がするけど……。
 「かえであすか」は、「親指シフト方式である」と同時に、「親指シフト方式ではない」ともいえます。
 同時ひゅんQのバグから始まった「飛鳥カナ配列」の同時連続シフト方式は、たしかに「かえであすか」でも受け継がれている……と、外見的にはそう見えるわけです。
 ただ、シフトキーを数秒押し続けて、それからかなを併せて押して……とやったときに、「同時打鍵」を「前提」としているエミュレータは、一部の例外を除いて「タイムアウトする」仕様になっています。
 それに対して、私にとって理想のエミュレータとは「シフトキーがタイムアウトせず、オートマチックなシフト効果の打ち切りもなく、単純に文字キーのみを遅延処理するだけの、シンプルなロジック*2」なんですよね……。
 こういう挙動って、「Qwerty英文入力・JISかな入力・新JISかな入力・飛鳥系・TRONかな配列」あたりで一緒くたに使えそう*3だから、どこかでテキトーに実装してもらえると、個人的にはすごく助かるなぁ……と。
 ……ッて、それはどうでもいいとしても、「狙いとか、コンセプトの違い」ってのは、結果として「計算上は差が小さいけど、実使用上はだいぶ違う」配列が出来上がってしまう原因になっているわけで。


 最後にもう一度。
「小梅配列」と「かえであすか配列」なら、私は当然前者をお勧めするよ。それこそ、

  • 版が止まってないとヤだ。

って要求があるなら、まだ「かえであすか配列」に分があるのかも?ッてゆー気もするけど、改版があったところで「スルー力」を発揮すれば済む話*4だから、ここにはあまり意味がないような気もするし。
 「かえであすか配列」は、それこそ「他の配列との素性比較用」に、ある種のデータとして使ってもらえている時点で、既に「そこに存在理由が見出された」気もするし、それで十分に幸せだもん。

*1:シンプルなところでいえば、小梅配列を連続シフトで運用するのは変だし、飛鳥配列系を非連続シフトで運用するのも変……と。配列は「シフト方式」とか「コンセプト」あたりに強く依存してるから、配列とシフト方式を切り離したら、さっぱり比較なんて出来ないわけで。酷いところだと、「飛鳥カナ配列」と「かえであすか」の違いなんて、普通に見たら大して変わらんようにも見える……のだけれど、使い手からしてみれば「両者はまるでコンセプトが違う」ってゆーデカイ差を抱えているわけで、こういう様々なレイヤーでの「配列の性格」とかをもふくめて、様々な要素が「配列」を構成する要素になっていたり。

*2:……いや、そもそもこれは「ロジック」じゃない、という気も。電気回路的にやるなら、こいつはロジックじゃなくて「単なるディレイ」ですね。

*3:ってゆーか、連続シフト系であって、かつシフトキーが「シフトキーとしてだけ」使われている配列でさえあれば、どれにでも使える話、なのだけれど。

*4:「スルー出来ねぇよ!」って方には、それこそ特定版を案内するかも……。