飛鳥カナ配列の特徴。

(未来:けん盤配列は金のなる木になるのか? - 雑記/えもじならべあそび)


 えーと……単純列記します。

  • 2つある親指シフトキーの操作方法については、「JISかな」「Qwerty英字/Qwertyローマ字」の小指Shiftキーと同じような「押している間はシフトされる」挙動であると考えていただいてかまいません。
    • Windows向けエミュレータでは「シフトキーと文字キーを組み合わせた一文字目」について同時打鍵を要求するエミュレータが一般的ですが、これは「同時打鍵を基礎とする設計法なので」こういった挙動になっているに過ぎません。
      • 精巧な同時打鍵ロジックではなく、より単純な挙動を持つ「タイムシフト方式(文字キーを単純に数十ミリ秒遅らせるだけの簡易方式)」であっても、飛鳥は問題なく再現可能です*1
    • 打鍵速度を徹底追求する場合は、(同時打鍵ロジックを無効にして)シフトキーのタイミングを自分で少し速めに打つ方法もありえるでしょう……こうなると、まさに「JISかな」「Qwerty英字」のシフト挙動と等価になります。
  • 飛鳥には「拗音節の単打入力機能」と「高頻度で連接する文字列の省略入力機能」がありませんが、配列部分を工夫することによって「拡張配列部のない単字入力法のままで」それらに近い打鍵性を確保しようとしています。

 ……と、「飛鳥が持つ飛鳥らしさ」は、外形的にはこの2点に集約されると感じています。
 親指シフト(NICOLA)を改善する……というよりも、むしろ【親指シフト(NICOLA)を経由して、JISかな&Qwerty的なところに回帰してきた】というべきなのかも。


 飛鳥で微妙に気になっていた部分を解消するために「かえであすか」を作ってみて、つくづく源配列が持つ「不思議な単純さ」の面白さに気づかされた感じがしています。
 オリジナルの飛鳥を使っていたときには「(私自身が低頻度文字を思い出せなくて)これでいいのか?」と悩んでいた時期もあった……のですが、それを配列側で解消してみると「ああ、きちんとオリジナルの飛鳥を使いこなせる方は、こういう印象を受けているのかもなぁ……」と、色々感じるところがありまして。


 飛鳥について一言で言え!と言われると、なかなか困る部分がある……のですが、個人的な感触としては

  • 従来のけん盤配列が持つ「シフト構造」を、極力崩さずに使ってるよね。

……と、こう表現するべきなのかな、と感じています。
 私は常に↓について意識しているのですが、実は飛鳥というのはこのルールに従おうとしてきたのではないか……と、最近そう感じつつあります。

(一部の人を除く)大衆は常に「それまでの常識」に近く、なおかつ「より楽が出来る」インターフェースがもっとも優れていると感じる。既存の概念を始めから全否定してはならない…と思う。
(from 雑記/えもじならべあそび )

 もうすこし「かえであすか」を使いつつ、他の配列についても検討しつつ、アレコレと考えていきたいところです。

*1:これは、飛鳥を最も単純に使うためのロジックを考えていこうとした「かえで化」の結果です。「多少我慢が必要だけれども使える」などといういい加減な話ではなくて、「全く問題なく使える」ロジックのなかで、最も単純な実装方法が「タイムシフト」であると考えています。新JISかな論文にも同じことが書いてあった……という意味で、「JIS系入力法が持つシフトの考え方に近い」というのは、個人的には興味深い発見だったと思います。