店頭試聴機のUSB-DACを、実力以上に「よい音質」で客に聴かせる方法。

(過去:(memo) ONKYO DAC-1000 (¥69,800-)を含む、『全てのAsynchronous転送対応USB-DAC』が価格競争する相手は、『SE-U55SXII + RAL-HUB02 + AC-DC5-BK』(¥38,932-)なんだと思う。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……ここで仕掛けをさらしておくから、実際やっても客にはバレてるぜ?ってゆー話。
 ……やるなら『堂々と見せる』べきだと思うし。

 まともなセルフパワー設計のUSB-DACなら、たぶん上流のRAL-HUB02に安物ACアダプターを当てても大丈夫だと思う……けど、バスパワーでも動かせるタイプのUSB-DACについては、上流についてもRAL-AC05-03にする必要があるはず。
 ……で、黄色い所を除いては、うまいことPOPとかに隠す……と。

この図にあるものの、存在理由

 まず、ACアダプターごとに1つずつ付いてる『絶縁トランス』。
 これは『基幹電源ラインからのノイズ*1を、実用上十分と言えるレベルで防ぐ』って意味と、『スイッチング電源同士がAC結合しないように絶縁する』って意味との2つがある。
 前者だけ満たせばいい場合は1つの大きな絶縁トランス(ノグチトランス/PM-500WSとか)で賄ってもいいけど、誘導がらみの条件が厳しい『電気店』では、こうして分離するほうが現実的だと思う。


 次に、RAL-AC05-03という、EIAJ規格の5VなACアダプタ。
 これは振幅軸に対するヒゲノイズとかの導入を抑えるために使う。
 USB-DACの先にヘッドフォンアンプとかがあって、コイツもEIAJ5V仕様だ……ってときには、そいつにもコッソリRAL-AC05-03を使う。
 一つは↓のRAL-HUB02に付いてるから、それで賄う(ってゆーか、既にファーストロットが売り切れてて、次ロット待ちの状態みたいなので、入手するのは大変ですけど……)


 最後に、RAL-HUB02。
 Asynchronous転送とかに対応してない20世紀設計のUSB-DACを、21世紀設計のUSB-DACとして再生するための、USBコンバーター
 RAL-AC05-03がオマケで1個付いてるので、優先して↑のようにUSB-DACようとして使う(コイツに使うはずのACアダプターが足りないときは、Buffalo/AC-DC5-BKで凌ぐ)。

……で、これを書いてて思ったんですけど。

 ……さっさと「こんなことをしなくても、十分にマトモ」ってゆーUSB-DACが、はやく普及価格帯に下りてきて欲しいですね。
 あーそういえば、↓みたいなのは(事実上の)絶縁トランス内蔵なので、絶縁トランスすら不要です。

 DAC-1000って、長距離伝送をするわけでもないのにバランス出力してたりとか、なんか無駄なこだわりもいくつかあるッぽい……のですが、トランス周りとかは「ムダなく効果のあることをやる」方向で攻めてるので、その意味では◎。


 無駄なこだわりだけをきれいさっぱり切り捨てて、「絶縁トランスがきちんと付いてる、設置しやすいワンパッケージのAsynchronous転送対応対応USB-DAC」として(たとえばDAC-550とかいう名称で)実売39,800円……ってところに収まったら、結構いいところまで売れるんじゃないかと思う。
 ↑の場合、「絶縁トランスで+1万円」と「Asynchronous転送対応で+1万円」ってゆーことになるから、それらを除いたDAC自体の品質は『19,800円クラス』ってことになる。普及価格帯のUSB-DACに【あるべきものを、あるべきコストでつけて、結果として実売39,800円になりました】ってゆーコスト設計は現実的だし、バラバラに買ってやってもそのコストになるなら「ワンパッケージのほうが、ノウハウ要らずでラクチン」ってことにもなる。
 ……とか考えると、2011年〜2012年あたりには、『Asynchronous転送対応機で3万円切り(たとえばSE-U55TXとして)』とか『さらに絶縁トランスも内蔵で4万円切り(たとえばDAC-550として)』ってのが、市場の求めるボーダーラインになるんじゃないかな、と思う。

*1:インバーターが電源線に放り投げる髭ノイズとか、スイッチング電源が削り取ったせいで起きるテッペン禿げ歪みとか、双方向サイリスタ(トライアック)調光器が削り取ったせいで起きる棘ひずみとか、電力線にTCP/IPとかを上乗せするPLCの存在そのものとか、近くの家にある太陽光売電機器やら施設内の燃料電池やらが吐き出すフザけた波形の商用電源波形とか、その他その他の訳わかんないノイズとか……とにかく「理想的な正弦波電源からかけ離れてしまう」要素が、周りには腐るほどあります。電力負荷の大きさには関係なくて、たとえば石油ファンヒーターみたいな弱電力負荷でも「ひどいノイズを出したり、ひどい電気の削り方をして電源を歪ませたりする」ものがあります。そーゆー機器が自宅にある場合、基本的には「ノイズ源機器に絶縁トランスをかませる」のが理想。それができないときにだけ『オーディオ系にだけ絶縁トランスをかませて、ごまかす』ってわけ。