「ピンと来る」まで突き詰める、と言うこと。
(言及:本当に理解するまで学ぶということ、本当に理解するまで学ぶということ、の名前)
※脱線・長文なので、当然ながらトラバはしておりませんです。
ええと…昨日から相変わらず延々と突っ走っている「雑記/えもじな〜」ですが、突っ走ってるついでに、恐れ多くも(おっ、全部右シフトだ)「結城浩の日記」さんの記事を引かせていただくことに。
…って、いきなりこの記事にたどり着くわけはなくて(しかも、たどり着いてもスルーするかもしれない…たまたま今考えている事にマッチする記事だったからなのかも。いわゆるアイボール・フィルタリングって奴か)、今日は「界面日記」をキーワードにたどり着きました。
より正確には「[結]界面駭客日記」→「ホーム」→「結城浩の日記」ですな。
月アスの界面駭客日記は読むのですが(注:それは増井俊之さんの界面駭客日記です)、Web上でこのキーワードを元にした記事を読んだのは、今回がはじめてかもしれずです。
さて、表題【「ピンと来る」まで突き詰める、と言うこと。】なのですが、これの元になったのは、親指シフトウオッチ(@ぎっちょんさん)の「Re: ついに代理戦争が勃発…という雰囲気とはまるで逆の状況。(@雑記/えもじならべあそび(飛鳥カナ配列で綴る、無変換な日記))他1件」に書かれたこのコメントでした。
上にあげたブログの作者の方々(小生を含む)は頻繁にトラックバックやコメントで意見の交換をしています。ある意味で、文字入力に関するバーチャル・シンポジウムを開催しているかの様子です。こうしたフォーラムに参加してくる人が増えることを期待しています。そのことがコンピューターへのキーボードによる文字入力技術の質を高めるからです。
実はこのコメント、私にとっては「ピンと来ない」コメントの一つでして…いや、「シンポジウム」という言葉の重さばかりがのしかかってきて、「そんなに仰々しいことになったら、俺には発言できるのだろうか…」なんて余計なことを考えていただけなのですが。
ぎっちょんさんの記事が元で「配列をネタにblogを書くこと自体はまず間違ってはいないんだな」という事ははっきりと認識できたので良かったのですが、そうするとかえって「あれっ、では俺は何を原動力にして記事を書き連ねればいいのだろうか…」と考え始めることになりました。
今のところ、自分の中でハッキリしていることはこんな感じ。
- 配列界隈はインタフェースだから、「宣伝」は逆効果。
- 配列界隈に必要なのは、レビュー(主観的感想)・テキスト(学習用教材)・ツール(キー配列入れ替えソフト)・ドキュメント(配列の根拠)・FAQ(よくある質問と回答)・レスキュー(個別問題の救援)。
- 「頑張ったけどダメでした」は誰にでも起こりうる。これを非難する権利は誰にもない。
- クレーム(主張)は本質的に解決する必要がある。説得やごまかしはダメ。クレームは惰性から自分を引きずり出してくれる、まさに宝の山(天の声?)だということ。
さて、こんな(原動力云々に関する)問題が延々と頭の中をぐるぐる回っておりまして、次にこの回答を導き出してくださったのは、月は空き地でいっぱい(@jisx6004さん)の「中指TRON「雪配列」 中指飛鳥「弥生配列」」と、飛鳥カナ配列の作者のRayがうだうだ長いのを書く予定のブログ(@Rayさん)の「Enter と Asuka」でした。
今まで延々と「同時シフトと逐次シフトは似た配列で共用可能なのか?」というあたりで悩んでいました。
特に「飛鳥の中指化は可能なのか?」という点については、前々からRayさんが「それは無理」という感じの表現をされていましたので、結局は実際に試してみようという気が起きなかったんですよね…。すっかり考え方が固定化されていたわけで。
(ツキノアスカは方法論であって配列ではない、ということも絡んでいます…そもそも私がやっていることは「えもじならべあそび」でして、それ以上ではないですから。ツキノアスカに逃げる前に、まずやることがあるはずだ、という気もしていましたし)
せっかくUジローさんが「月配列を親指シフト化」で言及されていても食指が動かなかったのは、単に「親指配列の中指化ではあまり面白いことはないだろう(この辺は中指ニコラの実装方法を見て以来、ずっとそうしなければならないものだと思いこんでいた)。Uジローさんのそれは、逆だったから成功しただけなのかもしれない」などと思いこんでしまっていたんですね。
ところが、お二方の記事を読みつつ「ふと立ち返って」考えてみると、「まずやってみよう。そして上手くいきそうかどうかと試してみるべきか」という気になりまして、ようやく着手する気になれました…。
そうそう、シフトの問題を切り分けると言う意味では、この記事を忘れるわけにはいきますまい。姫踊子草の楽屋裏(@鈴見咲さん)の入力法表記案・たたき台希望。
今まで私は「連続シフトじゃないと飛鳥じゃない!」と思っていました…ところが、よくよく考えてもみれば「連続シフトが実現できない環境でも、飛鳥はとりあえず成立する」と言えますし、かつて作った繭用のへたれ定義からは「同時シフトが実現できない環境でも、飛鳥はとりあえず成立する」と言う感覚も得ている。
それとあの記事でのシフト切り分けに関する方法とコメントを見回していると、「うーん、飛鳥を逐次打鍵にするなら、両方とも放置しておいて、まずは配列だけで検証した方が手っ取り早いな…」と思うに至りまして。
それらの結果が中指飛鳥配列(21世紀290版基準)と中指薬指飛鳥配列(21世紀290版基準)でして、実際にそれぞれ数時間程度テストしてみました。
「オイオイ、数時間しか打鍵してないのかよ!」とか方々からいわれそうですが、私は自作配列ですと数分〜数十分くらいしか持たない奴ですので、それらと比べれば「いかに基本理論を無視していても、やっぱり根っこは飛鳥だな」と感じることができる程度には試用してみたつもりです。
この辺の経緯は飛鳥配列は中指化可能なのか?と「中指化飛鳥」と「中指薬指化飛鳥」に必要なもの。に書き出しています。
まずは連続シフトを放置して、同時シフトも放置して、それでどう言う感触になるだろうか…という事を試してみたかったのです。
結果としては、「シフト数が多いから指は辛いけど、少なくともデタラメ配列や五十音配列よりは明らかに良いと思うよ。」という感じでした。
もちろん既存の逐次打鍵系配列と比べて良いのかどうかは、私には比較できません。
ただし、今までずっと引っかかっていた「飛鳥の逐次打鍵適性は良いのか悪いのか」とか「飛鳥の配列には超高速打鍵適性があるのだろうか」という点については、ひとまず答えを見つけることができそうな気がしてきました。
同時打鍵はその性質上、どうしても打鍵速度にヘッドルームが存在します。
特に飛鳥の場合は連続シフトが有効なので、どのキーにシフトを効かせるべきか…という判定には苦慮するはずなのです。
もちろん「キーとキーの打鍵間に、動的に敷居を設定すれば問題ない」という話にもつながるのですが、この方法論ですと「キーを離すタイミングによって挙動が変わる」という、それこそ非常にシビアなタイミングが要求されることとなってしまいます。
それでも純逐次打鍵と比べれば「同時打鍵は超高速打鍵を行う上での障壁となりうる」方法論であることは確かです。
もっとも、これはPCにおけるシリアル転送とパラレル転送の関係に似ていまして、「どちらが優れていて、どちらが劣っている」という話ではありません。個人的には「今の子供達が新しい入力方法に取り組み始めたら、果たしてどれくらいとんでもない文字送出速度をたたき出してくれるのだろうか」という興味は尽きません…特に月と姫踊子草配列とスピードワープロで。
で、そういう問題に対して「飛鳥においても同時打鍵のままで」解決を図ろうとするアプローチも確かにあり得るのですが、現状ですらも既にお二方がこのシフトに関してクレームを述べられているわけで、「果たしてこのままで良いのだろうか」とか、「果たして、本当に解決策はないのだろうか」などと考えていました。
そんな状況に対する一つの考え方として、飛鳥の中指化を提案することとしました。
もちろんRayさんに怒られてしまうかもしれない…などと考えてもみたのですが、本件については、どうかOur配列の一つとして許容していただけますでしょうか。
…って、ああ…本題から見事に脱線していますね。
私が「ピンと来る」のは大体こういう事に絡んでいまして、大抵は「余計なことを考えついてしまった」などという語句を伴っています。
ただし、こういった事というのは「一人で考えていても思いつかないことばかり」でして、そういう意味では「意見を拝見してふと気づく→ピンと来る」というのが、私にとっては「本当に理解するまで学ぶということ」の結果なのかな…などと思ってみたりしています。
もっとも、実際に「本当に理解するまで」やっているわけではなかったりもするので、未だに耳の痛い言葉ではあるのですが…。