揺れすぎバス(USB)問題、どうも解決ッぽい……。

 「先行10個販売」のうち1個が届いちゃった……ので、早速がらがらとノンブラインドテストしてた。
 白箱にカラーレーザープリンタで作ったシールを貼ってる……ってのが通常出荷バージョンなのかどうかは知らないけれど、切り取り線は□の縁じゃなくて、ちゃんとトンボにしようよ……もったいない。ただ、シールは「真剣に貼ってる」感じが伝わってきて、これはこれで味があって良い気もする。


 アブナい曲をざっとリプレイしてみた限り、

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

の2つは、私にとって「違和感としての」検知限界以下で、
ONKYO SE-U55X(S) WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー シルバー

ONKYO SE-U55X(S) WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー シルバー

を駆動できてるッぽい。
 光入力つきUSB-DACに対してiTunesだけ通せれば良いなら「AirMac Express」の方が安上がり……だけれど、「光入力がない」とか「Webブラウザや、お気に入りの音楽プレーヤからの音を再生したい」ッてときは、素直に「タイムシフトHUB」の
ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

を使うほうが、「メンドクサくない」分だけ扱いやすいと思う。


 USB-DACの内蔵クロックは、普通のCDプレーヤと同じ水晶発振子だから、当然それよりよくなることはない……けど、「CDプレーヤクォリティで十分」ってゆー私の要求は、どちらも同じく満たしてくれてる。
 USB-DACの内蔵水晶発振子をいいのにかえてもダメだったのに、パケットタイミングやDDC送り出し時のタイミングが良くなるとよく聴こえる……ってのは、もともと「DAC内蔵クロックはさして悪くないのに、USB側がダメなためにマスキングされていた」ってこと、なのかなぁ。品質管理について言うと「穴が一つでもあるとダメ」ってのは良く言う話……だから、「一点豪華主義」よりも「全ラインにわたって平凡に性能を確保」ってのが必要なのは、確かに間違っていないと思う。
 このHUB自体は「バラバラになっていた無管理だと500ppm以内のテキトーなタイミングで投げてしまいがちなUSBパケットのタイミングを、5ppm精度に収まるようシフト(ずらす)してから送出する」仕掛けなので、後段のUSB-DACが5ppm精度より悪い限りは「USB-DACの時間軸精度がそのままDAC出力に現れる」し、後段のUSB-DACが5ppm精度より良いときには「後段USB-DACの補正負荷を低減する」様に動作する、と。


 で、この「タイムシフトHUB」──メーカーは「USBタイミングコレクター」と呼ばせたいみたいだけれど──について、なんか変な端子とかがついてるな……と思ったら、全部↓のつかいまわし

 どうやら、終売叩き売り商品の焼き直し製品らしく、石だけ焼きなおしてハードウェアはそのまま使ってるッぽい*1
 RAL-2496xx1といい、これといい、なんってゆーか「趣味丸出し」だよなぁ、と。
 焼き直しでもこのコスト……ってことは、たぶん専用にハードウェアを起こすと、(単品需要があまりにもニッチなので)むしろ高くなるんじゃないかと思う。そういう意味では「RATOCから低価格機が出る」可能性はたぶんなくて、

  • どっかのUSB-DACメーカー(ONKYOとか、ONKYOとか、ONKYOとか……)*2に対する、チップ&プログラムの売り込み用デモ機。
  • どっかの量販店に対して、iTunesでのマルチ再生を活用した「USB-DACの音を(それ単体の音よりも)よく見せかけて売りさばかせる」ための反則ツール販促ツールとして。

ってゆーあたりがメインマーケットなのだと思う。


 個人で使うには「好き者が使う」ってパターンとかが多そうだけれど、正直これに関しては「量販店で、USBオーディオ機器専用の、USB分配器として*3」使われる可能性のほうが、はるかに高そうな……。
 「詐欺ブラ」もとい「詐欺ハブ」として、こっそり「ライブUSB-DAC試聴機向けの上流側ハブとして使われる」ってゆー将来が、もーはっきりと目に浮かぶ気がする。
 #あるいはむしろ「見せブラ」もとい「見せハブ」として抱合せ販売モードをはじめる店が出るかも……こっちのスタンスは、ダイナミックオーディオあたりが速攻でハジメそうな気もする。


 最終的には、「iTunesというプレーヤー*4」を使うことに我慢出来るなら

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

サンワサプライ KM-HA12-10 光デジタルオーディオケーブル

サンワサプライ KM-HA12-10 光デジタルオーディオケーブル

*5
を使えばいいけど、それじゃ我慢できない!ッて人は
ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

を選択する……ってゆーのが、一番シンプルな選び方だと思う。

*1:……ってゆー出自なので、今の回路のままでは「セルフパワード駆動」しかできないです。USB-EIAJケーブルとかを使えばバスパワー駆動出来るかと思ったけど、ハブ単体の消費電力が大きそうなので、正直「強制パスパワー化」は危険かも。あと、ACアダプターのノイズ特性が明らかに過剰品質で造りこまれてるのは、もしかすると「HUB単体のノイズだけで、もーオーディオ用を謳うにギリギリの線だったから」なのかも。

*2:ふつうの「デジタルフィルタ」を使ってる製品よりも、ONKYOのように「非デジタルフィルタ(VLSCとか)」を使ってる製品のほうが、タイミングに対する敏感さが激しい(CDPの中価格機にまで高精度水晶を突っ込まなきゃいけないのは、「時間軸推測補完というごまかし手法」を捨ててしまったVLSCに特有の、原理的欠陥みたいなものだし)から、まっさきにこの手の技術に喰い付くのはONKYOだと思う。

*3:このHUBには「USB-DAC以外のUSB機器」を中継接続する機能がない。まるっきり「USB-DACを最大4台まで接続できます」でしかない点に注意すること(当然、店頭デモやABXテストとかをするときには、iTunesの「マルチ出力機能」を使って、全ポートに接続されたUSB-DACから「同じ音を出すように設定する」のが近道)。

*4:ランダム再生時の曲頭ノイズとかがあって、個人的にはヤだ。

*5:TOSLINKケーブルについては、とにかく「ちょー安物でも良いから、とにかく【(できればCDアルバムサイズくらいのユルい巻き方になっていて、なるべく巻き癖のきつくない)ノージョイントかつ折れてない新品】を買え」ってだけいいたい。で、買ったら接続する……んだけど、接続して音楽を聴いてるときに「音が途切れるまで、ゆっくりケーブルを抜く」→「再び音が出るまで、ゆっくりケーブルをさす」テストを何回かやってみて、TOSLINKという接続方法のノイズパターンを耳で覚えて欲しい。そのノイズ音を薄っぺらく伸ばしたものが「使い古して中のファイバーがずたずたになったときの音」と等価なので、このテストをやっておくと「捨てなきゃいけないケーブルはどれか」ってのが解るようになる。