推敲しろよ……。

ミュージシャンも納得!リスニングオーディオ攻略本 良い音へのトビラを見つけた!(CD付き)

ミュージシャンも納得!リスニングオーディオ攻略本 良い音へのトビラを見つけた!(CD付き)

 12分だけと短いのだけれど、結構ナイスなテストCDが付いてる。
 ……で、まだテストCDのところしか読んでない状態。


 個人的には、Track1のわざとらしさは大嫌い*1。Track2〜5についても、Track6と同じ「ノンEQ(位相整合のみ)」のものを、Track7〜10として収録して欲しかったな……と思う。特にTrack5は(マイク位置が納得いかない中での収録だったとしてもなお)ノンEQバージョンが欲しかった……ので、そこにはちょっともったいなさ過ぎる気がする。


 聴いた感触としてはTrack1以外を除けば割りと良い……と思うけど、テストに使うならTrack6がずば抜けてオススメ。機材の癖が若干乗ってる気はするけど、そこをひっくるめて『ストレートに響く』感触が◎。
 EQで音量を強調してる部分があって「一聴しただけではTrack1のほうが良く聞こえてしまう」のだけれど、あれってケーブルの宣伝用に+0.5dBしたインチキデータを載せたのと似たようなもので、「音量が大きくなる分だけ良く聞こえてしまう」だけの話。
 特に、最近では家庭用AVアンプに「AutoGEQ」を乗せるものが増えつつあるから、EQの段数を減らすためにも「パッケージはノンEQで」行って欲しいと思う。
 マイクの立て方と「マイク間の位相調節」の上手さは、まさにTrack6で美しく花開いていると思う……技術者魂の素晴らしさが、そこにはっきりと表現されてる。


 ……で、Track1とTrack6の説明が食い違ってる。
 両方ともノンEQッぽく書いてるけど、ふたつのバージョンを聴き込んで行くと、Track1はEQ臭さ満開でヤだ。
 マイクの位相&音圧特性がフラットじゃないからって、それはEQで弄って解消すべき問題じゃないだろ……EQの位相特性とかまで整合させることを考えると、結局は「ノンEQでバッチリ行くように、マイク自体とマイク位置を吟味する」ってのしか対策はないだろうし。
 そこがうまく行ってるのに、なんでEQで「主観の味付け」をする必要があるの?僕にはさっぱり理解できない。


 せっかく『ノンコンプ』方向で攻めたのだから、テストCDらしく『素の録ったままに近い状態』のものも、全曲について収録して欲しかったな……と思う。
 あと、Blu-spec CDは良いね。PCでリッピングしてみたら、他のCDよりも高速に引っぱり出せたので、純粋にプレスマスターやプレス自体の精度が良いのだと思う。こういうCDってピックアップ用のサーボモーターとかに対する負担が少なくなるから、結果として「プレーヤが無駄な補正動作に電気を食われない→ノイズ源になるモーターの動きが少なくて済むので、そういうノイズによる音質劣化の影響を減らせる」って理屈。


 うーん……【将来採用して欲しい、広ダイナミックレンジなデジタルソース用の音量基準。 - 雑記/えもじならべあそび】じゃないけど、こういう風に『同一CD、マスタリングパラメータ違い』ってゆーのは、今後もう少し増えて欲しい気がする。
 そのうえで、『ノンEQ化・ノンコンプ化』に近づいていってくれると、個人的には「欲しいオンガク」に近づけるのだけれど……世の中がそう動いているわけじゃないのは解るから、無いものねだりでしかないのかもね。
 #自分の中では、「4トラック・19cm/secのオープンリールで2ch一発撮り」とか「MDのATRACでシンプルに一発撮り」みたいな、そーゆーシンプルソースが持つ「素直な力強さ」がすごく好きなのですが……。

で、内容について。

 んー……「超重要な基本事項」と、「どーでもいいこと」とが混ざってるような……こーゆーのって、オーディオショップとかにはホントに多い手法のような気がする。
 「いくつかが信用できると、その人が書いてるすべてのことを信じてしまいがち」ってゆー風になって、ほんとは「スレッド基準」で判断するべきものを「人基準・店基準で」判断してしまいがちになるというか。
 ただ、「どれが重要で、どれがどーでもいいことかを、一つ一つ自分の体験としてチェックしたい!」って人にとっては、検証するべきポイントがかなり揃ってる……ので、「スレッド基準」で判断して、きちんと取捨選択することを日常としてる人にとっては、「チェック忘れを防ぐための、良いチェックリスト」としては機能すると思う。


 レゾナンスチップについては……んー、http://www.wound-treatment.jp/next/wound180.htm をご覧ください!としか言えないかな、と思う。
 それとは逆に「わざとパネルを分割振動させる」NXTパネルスピーカーとかを使ってきた経験からすると、「○○を貼った」というときに、そのなかの「○○」については、もとの素材と共振タイプが違うものを貼れば、それで十分なんじゃないかな、と。
 まさか、壁が共振しているときに、「同じ素材で同じサイズの壁を、向かい合わせでもう一枚張る」なんてことは、するわけがない……のだから。


 ……って、http://www.wound-treatment.jp/next/wound180.htm については、これに限らず「オーディオ全般」にいえるような気がしてきた……。
 ここ最近だと、たとえば「タイミングをシフトして(ズラして)直す」って意味では、全部同じじゃん……とか言って

ラトックシステム オーディオ用USB-HUB RAL-HUB02

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アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A

を列挙したりするのも、結局は同根なのかも、と思う。

*1:プリンターとかの色使いで言うところの「記憶色」と同じで、「記憶音色」の再現を試みてるんだと思う。一般には受けが良いし、それがミキシングOPの感性だ……って言いたい気持ちは、解らなくもない。でも、マイクセッティングをきちんと追い込んでる「優良録音」ができたという自信がある限りは、EQでの記憶音色再現についてはグッと我慢して「ミキシング音量と位相あわせ」のみで行って欲しい気がする……それだけでは直せない位相崩れを補正するためにEQを利用するのは正しいと思うけど、そうではなくてEQを「主観再現」のために用いるのは、なんか違うような気がする。その主観を再現したせいで埋もれた「細やかな音」が、本当は「全体を聞いて感動するために、一番必要な要素」だったりすることもあるし。ご飯てんこ盛りのどんぶりオンガクも良いけど、幕の内弁当のように「副菜があるから主食が引き立つ」ってのも必要だと思うよ……。