結局発注しちゃった(ファーストインプレッション?の追記あり)。

ONKYO GX-77M スピーカー WAVIO/ハイレゾ対応 ホワイト GX-77M(W) 【国内正規品】

ONKYO GX-77M スピーカー WAVIO/ハイレゾ対応 ホワイト GX-77M(W) 【国内正規品】

 ……いや、色は「黒」なのだけれど。
 今までずっとNiro Referenceでごまかし続けてきた……のだけれど、パソコンでニアフィールド使いするにはやっぱり向かないよなぁ……と。
 そんなわけでこれを選択。他に選択肢はそもそもない*1し。


 #あと、セル生産本をありったけ(略)。*2

2009年1月25日16:18:20追記。

 人様の家でインストール時チェックをしていたのと、まったく変わらない印象。

  • たぶん、耳エージング以外の「機械的エージング」効果は、ほとんど期待できない。
  • 極端に寒い部屋で聞くとエッジが硬くて微妙っぽい……ので、「コタツOnlyの暖房環境」へインストールするのは微妙かも。
  • 左右の音質差が気になる場合は、とりあえず右→左用スピーカケーブルのために「単芯線タイプのチャイムケーブル(TIVF)」と「NEUTRIK製のRCAオス(NYS-352G)」を組み合わせてみるといいかも。
    • 右側(アンプとスピーカが内部結線でつながっているほう)とのバランスをとるため、下手に高価なケーブルとかは採用しないほうがいい(最悪の場合、左右の音色がばらばらになってしまう)。
  • 普通の2wayと比べると、やっぱり「音質面での高音再現性」は微妙。「定位面での高音再現性」はやっぱり良くて、近距離聴取(ニアフィールド)向けには○。
  • モニター用途として使うには全然信頼できない。バスレフポートの形状からか、特定の低音域のみが妙に強調されている感触がある……個人的には「BASSをめいいっぱい絞ってもまだ絞り足りない」印象を受けるのだけれど、それでは帯域バランスが崩れるから……根本的にはバスレフポートを殺すしかないような。
  • 高低バランス調節用として、ウーファーかトゥイータの音量を単独で下げるボリウム(MN型のもの)が欲しいところ。
    • これを実現するには「そもそも右→左用のケーブルを3線式or4線式に(アンプ側コネクタはRCA→標準フォンプラグに変更)して、かつバイアンプ駆動にする」必要が出る。コンシューマ用なので「アンプの前に固定チャンネルデバイダを組む」のは危険だから、ここは普通に「高低分離型のスピーカ直前ネットワーク」でいいと思う。
  • アナログ接続では「音質がサウンドカードに左右されすぎる&ダイナミックレンジを上手に使うための設定がとても面倒」なので、安価の「デジタル光出力を持つサウンドカード」を追加するといい。接続用の光ファイバーケーブルも同じく安物でいい。
  • ウーファーのコーンが「トゥイータのためのホーンを兼用する」構造なので、高音のサービスエリアが狭い点に注意する必要がある。普通に聞くなら次のように設置するといいかも。
    • スピーカを上向きor下向き設置にはせず、水平になるよう設置する。
      • 耳の位置までスピーカを持ち上げる。
    • モニタの両脇にスピーカを設置する場合、「モニタ中央から各スピーカまでの距離」は、「モニタから聴取距離までの距離」をsqrt(3)──あるいは1.73──で割った値ぶんだけ離す。
    • それぞれのスピーカを「聴取側から見て30°内向き*3」にする。聴取位置とスピーカ間隔さえ間違っていなければ、これでスピーカがぴたりと聴取位置に向く。
    • 普段聞く音量からちょっと上にVOLUMEを設定したら、次はTREBLEをめいいっぱい反時計回りに回しきり、そこからTREBLEを少しずつ上げていって、「人の声*4がちょうど心地よく聞こえるところ」にあわせる。
      • 「TREBLEを絞りきった状態からあげていく」ことがポイント。
      • 年齢とともにTREBLEをあげる必要があると思う。参考までに、「30代・装置産業勤務・80dB環境に20000時間晒されてきた耳」なスペックの私でも、TREBLEの最適値は(時計長針の角度で言うところの)8時半〜9時くらいでした。ニアフィールド聴取だけならフラットでもいいけど、内振りにするとさらに高音が強く耳に届くので、これくらいTREBLEを絞らないと高音過多になる危険性がある*5わけで。
      • もしもTREBLEをセンタークリックよりもあげる必要がある場合は、「TREBLEをセンタークリックよりもあげる」のではなく、かわりに「TREBLEはセンタークリック位置に固定して、BASSをセンタークリックよりも下げる」こと。音質調整ノブを上げすぎると「左右のバランス崩れがあった場合に、音像の定位感を破壊してしまう」可能性が高くなり、とたんに調整が厄介になる。
  • よほど気になるなら、インシュレータとかオーディオカードとか光ファイバケーブルとかに金をつぎ込む……というのもアリだと思うけど、個人的にはそこらへんのコストパフォーマンスについて疑問視しているので、ここでは述べないことに。
    • この手のニアフィールド系に対して「いきなり設備改善としての小技を駆使してどうにかする」というのはちょっと違うと思う*6。それよりも、「工程改善として、そこら辺にあるものをうまく使って標準聴取環境に持ち込む」ほうが効果を得やすい*7はず。

 ……と、まぁこんな感じ。

参考:音像バランスが崩れてしまう理由に関するポンチ絵(カーオーディオ&最近のAVアンプは、「室内環境を測定して、それに応じた帯域ごと左右音量バランスを調整することによって、この手の定位ブレを強制補正する」機能が載っているので、そういうのを使うとたいていは解決する)。

参考:ITU-R BS.775-1型スピーカ配置基準(30°内振り配置)に関するポンチ絵

参考:強制的にITU-R BS.775-1型スピーカ配置基準(30°内振り配置)へとアフォードさせるスピーカの形状案(こいつは、正面バッフル以外の辺を机角や部屋角に押し付けたときに、勝手にスピーカが30°内向きになるようにしたもの)。

以下注釈。

*1:シングルコーンほどの厳密な定位感はないし、完全2wayのような「贅沢なトゥイータ」もない……のだけれど、シングルコーン的な「十分な定位感」と、完全2wayに近い「とりあえずのトゥイータ」が載っていて、ニアフィールドでは通常得ることが難しい「定位感とワイドレンジの両立」がうまくできる……というのが、この手の同軸ユニットの肝。

*2:いちおう、かつてこんなことを書いてしまっていた手前もあって、さすがに読んどかなきゃまずいよなぁ……と。セル生産以前の部分については【「新IE入門」シリーズ】だけで事足りてると思う(少なくとも、ボーナス2回分をつぎ込んで探しまくった甲斐はあったと思う)のだけれど、とりあえずある方向に深入りしてみようかな、と。

*3:まず、適当なメモ紙片を「正三角形(すべての辺が同じ長さの三角形)」になるように折って、そのうち1辺から対応する頂点に向かう垂直な線を引く。この紙片を「引いた直線が外向きになる」ように「スピーカの外側辺」に置く。あとは、真正面から見て「紙片に書いた直線が、机の横辺などに対して平行になるように」スピーカの角度を内向きにしていけばいい。人間は「水平・垂直」からのずれを感知する力には優れているから、こういう適当調整でもだいたい「スピーカを30°内向きに振る」という目的は達成できる。小学校とかで使う三角定規セットを使う手もあるけど、わざわざ買っても精度は変わらないと思う。

*4:できれば「毎日聞く機会がある友人知人の声を、いいマイクで録音したソース」があれば最高。テレビやラジオのニュースソースが次点でお勧めかなぁ。

*5:たとえ電気的フラットで送出したところで、空間に放出してから耳に届くまでの関数は「スピーカの置き位置・耳との高低差・角度・音量・周辺の反射物&吸収物・空間の容量・人間の服装などなど」で変わってしまうので、TREBLEボリウムのセンタークリック感に惑わされる必要はないと思う。

*6:私は「10円玉インシュレータ」というものによる効果をまったく検知できないので、そもそもそっち系に首を突っ込んでも泥沼にはまるだけだと思う。

*7:設備改善っちゅーのは、工程改善→作業改善→動作改善をやって、十分に問題点を出し尽くしてからやるべきものなんです。ノイズ&ダイナミックレンジの調整は難しいから、対策として「安物の光デジタル出力のサウンドカード+安物の光ファイバケーブル」に投資するというのは理にかなっているけど、それ以外の部分にお金をかけるのは、ずっと後になってからするべきだと思う。