超漢字(BTRON)で使うかえであすか用定義について、全く役に立たない「かえであすか取扱説明書」を書いてみた……のだけれど、なんか変。

 件名どおりのことをして【tronaska.bpk】*1という書庫まで作ったのですが、普段どおりに行こうとしたら「けん盤配列定義だけを収録したBTRONパッケージなのに、けん盤配列について何も褒めなかったりしたら、なんか変じゃない?」というところが妙に気になってしまって、ちょっと慣れない事をしてみました。
 そうしたら……どう言葉で言い表せばよいのかわからないのですが、「いや……これはこれで、別の意味でなんか変だよ。」という気がする内容になってしまいました。
 正直、違和感の元となるところがよくわからないので、とりあえずここに晒してみることにします。
 なにかお気づきの点がありましたら、お教えいただけますと助かります。


 #改行位置がばらばらになるのは「超漢字の環境で綺麗に揃うように改行したため」の結果であって、違和感の元はここではありません。

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 このたびは本書庫をダウンロード頂きありがとうございます。
 本テキストは、かえで****あすか族の取り扱い方法について
の説明書です。
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      JIS X 6002規格に準拠するキーボード用の
                  日本語かな入力用論理配列

      かえでレフティあすか(左利き用)
            &
      かえでライティあすか(右利き用)

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かえで****あすか族の成り立ち。

 かえで****あすかは、右利き用に特化した「飛鳥カナ配列」
という日本語入力法の配字ルールを簡素化することにより、
・濁音&半濁音の位置を清音に関連付けて、覚えにくさを低減。
・部分的な左右反転配列を作成することで、利き手問題に対応。
という特徴をそなえた、西暦2008年製の日本語入力法です。

 本入力法の基礎となる「飛鳥カナ配列」は、JIS規格のX
6002に準拠する、広く普及したキーボードを用いて、半専業の
なか100カ月に迫る人力評価打鍵作業を経て開発されました。
 かえで****あすかでは、特にその中でも安定性のある2つの
配列案を基礎として、短期間に集中して調整を行ってきました。

 近年ではJIS X 6002規格のキーボードを徹底活用する
べく制作される入力法が増えてきました……本入力法も、そういっ
た提案の一つであります。
 理想的とは言い難いJIS X 6002規格のキーボードを用
いたとしても、鍵盤配列を子細に調整することさえできれば、すば
らしいハードウェアキーボードを用いるに近い効果を発揮できるの
ではないか……と、そういった可能性があることを、本入力法を
きっかけにして感じていただくことができれば、本入力法が目指す
ところの目的は達成できたと言えそうです。

 「左手の方が器用に動かせる」というかたは、かえでレフティ
あすかを導入した上で練習いただくと良いかもしれません。
 「右手の方が器用に動かせる」というかたは、かえでライティ
あすかを導入した上で練習いただくと良いかもしれません。
 また、「右手の方が器用に動かせる」という方に対しましては、
本入力法の基礎であり、より効率面および安全面についてにおいて
優れた効果を発揮すると思われる、オリジナルの「飛鳥カナ配列」
を導入いただくこともご検討頂ければ幸いです。


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かえで****あすか族の導入方法。

 以下の手順を実行する前に、小物「キー配列変更」を起動した上
で、「右クリック→登録/保存→実身に保存」操作を行っていただ
き、【現状復帰させるためのキー配列情報】を保存しておくこと
を、強く推奨します。
 この操作を怠った場合、以下の操作によってキー配列情報を復帰
させることができない状態となります。
 本キー配列定義の使用を取りやめて、設定を元に戻す場合は、小
物「キー配列変更」を起動してから「右クリック→編集→標準キー
配列」を選択することにより、標準キー配列を復帰させることは可
能ですが、この手順で復帰できるのは「使い慣れた環境」ではなく
「初期状態の環境」である点にご注意ください。


 本テキストをご覧になっている時点で、すでに書庫「かえであす
か配列」のダウンロード、および書庫の展開は完了しているでしょ
う。
 書庫「かえであすか配列」に含まれるキャビネット「かえであす
か配列」には、本テキストのほかに次の文章が存在します。

・かえでレフティあすか配列/1版 ―― 左利き用。
・かえでライティあすか配列/1版 ―― 右利き用。

 二つの文章は小物「キー配列変更」にとって可読性のあるキー配
列情報となっております。
 小物「キー配列変更」を起動させてから、上記キー配列情報のう
ち、ご自身にとって器用に動く方の手に合うほうのキー配列情報
を、ドラッグ&ドロップによって起動中の小物「キー配列変更」へ
と落としてください。
 小物「キー配列変更」を閉じる時点で、キー配列をシステムへと
登録するかどうかと問い合わせがありますので、【登録して終了】
を選んでください。

 本キー配列定義は、JIS X 6002かな入力の定義部分
を、「かえで****あすか」へと置き換えています。

 つぎに、小物「ユーザー環境設定」を起動させます。
 「かえで****あすか」は「かな入力法」ですので、タブ「個
人属性」にある項目「入力方式:」は「■かな入力」に設定してく
ださい。
 さいごに、小物「ユーザー環境設定」のタブ「キー属性」にある
項目「同時押し許容時間」について、「0.40秒」程度に設定し
てください。この項目「同時押し許容時間」は、【1÷(1秒間に
入力できるかなの数)】で求められた値を入れることにより、もっ
ともシフトミスの少ない状態が得られます。


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かえで****あすか族のBTRON専用ルール。

 まず、小物「キー配列変更」を起動してください。
 かえで****あすかをTRON環境へと適用するために、「か
な入力」のモードにおいて、つぎのキーを入れ換えていることを確
認してください。

・無変換キーと、左小指Shiftキーを交換しています。
・変換キーと、右小指Shiftキーを交換しています。

 無変換キーの位置に来る左小指Shiftキーは、かえで
****あすかでの入力時には左親指によって操作します。
 変換キーの位置に来る右小指Shiftキーは、かえで
****あすかでの入力時には右親指によって操作します。
 このとき、通常の変換操作については「スペースキー」を用いる
ようにしてください。無変換キーについては比較的近い位置にある
ため小指で操作できますが、変換キーはだいぶ遠くなってしまうた
め、ほとんど使用できなくなります。


 つぎに、かえで****あすかでは、一般的なタッチタイプのた
めの運指法である「平行運指法」だけではなく、「下段外方運指
法」という、少し変わった運指法が用いることも想定して設計して
います。
 とくに、JIS X 6002規格のキーボードを用いて平行運
指法を適用した場合、体をよけつつひじを引く動作の方向(若干外
方にひじを振る)と、実際の運指方向との間には、だいぶ角度の差
が生じてしまうため、特に左利き用に配列を設計した場合に、その
効果が平行運指法によって相殺されてしまう可能性があります。
 この現象を防ぐため、かえで****あすかを利用する場合につ
いては、従来の平行運指法だけではなく、代わりに下段外方運指法
を行うことについても検討されることを期待します。
 以下に、各運指法による指の打鍵範囲を例示します。運指法の変
更によって、左手側の下段5キーに対して影響が出ます。

【平行運指法の場合】
 伸伸伸
 Tab@[
英数:]
Shift

【下段外方運指法の場合】
 伸伸伸
 Tab@[
英数:]
ShiftVB

 運指法を下段外方運指法へと変更することにより、次のような影
響が出ます。

・Bキーが非常に打ちづらくなります。
・左側にある左小指Shiftキー(かえで****あすかでは無変換
キー)がホームポジション直下となるため、押しやすくなります。
・腕の動かし方が、多少は左右均衡に近づきます。

 なお、外方運指法は「かえで****あすか」に限ることなく、
一般的な入力法においても利用可能であると考えます。


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かえで****あすか族の入力特性。

 かえで****あすかは、BTRONかな入力法と同じく、2つ
のシフトキーを用いることによって、都合3つのかなキーテーブル
を切り替えつつ、かな文字入力を行います。
 また、BTRONイネーブルウェアが持つ「シフトキーが押され
ている間は、常にシフト側の文字が出る」という特性と「同時押し
許容時間が設定できる」という特性とが合成されることによって生
まれる「シフトキーと文字キーの打鍵順序を気にせずシフトキーを
押し始め、なおかつシフトキーを押したまま引き続き文字キーを押
していくこともできる」という特性について、この挙動をかえで
****あすかは徹底的に活用します。

 BTRONかな入力法では、かつてのJIS X 6004入力
法と同じく「可能な限りシフトキーを使用しないことによって、文
字入力速度を上げる」という方針を採用されていたものと把握して
います。
 この方針は入力速度を上げるために効果を発揮することと引き換
えに、「シフトしない側のキーマップに高い頻度で使用する文字を
詰め込む必要があるため、シフトする側のキーマップには、いわば
【残り物】の文字を入れるような扱いになってしまう」という特性
を持つことになります……ただしこれは、どちらが優れているか、
という問題には関係がなく、純粋に「方針の違い」としてのみ解釈
されるべき話です。

 かえで****あすかは、BTRONかな入力法とは異なる方針
――使用頻度での区別だけではなく、連接頻度が高いものを同じキ
ーマップへと収用する――を用いる事により、シフトキーを押す時
間が増えることと引き換えに「シフトキーを押し放しする回数を減
らす」方針を採用しています。
 「連接頻度が高いものを同じマップに集める」という方針は、か
な入力法において採用される例は珍しいようですが、たとえばBT
RON文字コードなどに代表されるように、文字コードの世界では
ほぼ同じ理由によって同様の方針が採用されている例があります。


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かえで****あすか族の習熟特性。

 かえで****あすか族は、濁音と半濁音について、清音の位置
から連想されやすい位置へと配置するよう努力してきましたが、入
力しやすさとのバランスが崩れることを防ぐために「完全な関連
性」を持たせることはできませんでした。
 BTRON入力法のような「清音の逆シフトは常に濁音」という
ような関連性はないため、かえで****あすかを修得するために
は、BTRONかな入力法を修得するよりも、より多くの時間を要
するでしょう。

 参考になるかどうかは不明ながら、私個人の入力速度について、
ここに書き記しておくことにします。
 ローマ字入力での値は、打鍵速度と入力速度の差がかなり出てい
ます……これはローマ字入力の特性によるもの(1.739
keys=1かな、244万文字日記のかな下し文から算出)だけ
ではなく、打鍵数に比例して誤打鍵が発生し、訂正コストが上がっ
ていることも影響しています。

 20歳前半:ローマ字入力を使用。
 打鍵速度――336keys/min。
 入力速度――かな漢字変換込みで68.6文字/分。

 30歳目前:かえでライティあすかを使用。
 打鍵速度――156.2keys/min。
 入力速度――かな漢字変換込みで121文字/分。

 なお、私はかえでライティあすかを用いて、2300かな/日
程度(400字詰めの原稿用紙にベタ詰めで記録した場合、年間
2100枚相当)の文字入力をしています。

 かえで****あすかが役に立つ可能性がある範囲としては、上
限はおおむね2割増程度(年間2520枚相当)が限度と思われま
す……それ以上の分量については評価打鍵による安全性確認ができ
ていないため、現状では安全性を保証することができません。下限
については打鍵使用量不足による配列忘れが発生する可能性があ
り、せいぜい5割減程度(年間1050枚相当)が限度になると思
われます。
 下限については「不足する分を練習によって補う」という方法を
取ることができるのですが、上限については評価打鍵量そのものが
不足しているため、そういった用途で使われる場合については、は
じめから「飛鳥カナ配列」をご利用いただく方がよいかと思われま
す。


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かえで****あすか族の練習方法に関するヒント。

 かえで****あすかの練習方法については、次のルールを混ぜ
ることをおすすめします。

・50音順練習法。
 古典的な手法ですが、頻度の低いひらがなを覚えにくいような場
合について、特に威力を発揮します。

・ホームポジション→その上下→それ以外の順に練習する。
 かえで****あすかでは、ホームポジション(親指キー2個と
文字キー8個の組み合わせ)によって、比較的多くの単語や言い回
しを作れるように設計されていますので、この特性を上手に使うと
「比較的短い練習時間でも効果が上がりやすくなる」という特徴を
活用できるようになります。

・Blogなどを書く。
 特に、日記あるいはいくらか砕けた表現を多用するような文章を
書きまくることは、かえで****あすかの練習にとって大きな効
果をもたらします。
 かえで****あすかでは「速く・手抜きをされやすく発音され
る言葉であるほど、より低コストで打てるように優先配置する」と
いう、飛鳥カナ配列の方針をある程度受け継いでいますので、実際
に創作文章を打つことは、もっとも重要な練習となります。


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かえで****あすか族の著作権に関する宣言。

 かえであすか族のもととなる「飛鳥カナ配列」の著作権もしくは
工業著作権は、作者のRay氏に帰属します。
 「かえでレフティあすか」および「かえでライティあすか」は、
作者であるRay氏が示した以下のガイドラインに基づき改変を
行った上で公開しています。
http://ameblo.jp/asuka-layout/entry-10053924497.html

 「かえでレフティあすか」および「かえでライティあすか」は、
上記のガイドラインに基づく制限に従う限り、複製・頒布・改変
することができます。

 ただし、暗黙的な鍵盤配列の公開ルールとして、次のようなも
のが存在するようですので、念のためご紹介させていただきます。
・同じ名前の鍵盤配列がないかどうか、事前に調べる。
・元の配列に似た鍵盤配列については、それに近い名前を付ける。
・大きく改造した鍵盤配列には、独自性がある名前を付ける。


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改定履歴。

2008年8月16日――初版。
2008年8月17日――左右の取り違えに関する誤記を修正。


2008年8月17日0:01:58追記。

 何度も読み返していたはずなのに、単純ミスが……orz。

 また、「右手の方が器用に動かせる」という方に対しましては、
本入力法の基礎であり、より効率面および安全面についてにおいて
優れた効果を発揮すると思われる、オリジナルの「飛鳥カナ配列」
を導入いただくこともご検討頂ければ幸いです。

 ……ダメじゃん。
 しかも、

かえで****あすか族の(以下略)

 ……って、二重定義っぽくなってるし。
 「かえであすか族」か「かえで****あすか」にしなきゃ……。

2008年8月17日0:06:53追記。

 また変なのを発見。

 本テキストをご覧になっている時点で、すでに書庫「かえであす
か配列」のダウンロード、および書庫の展開は完了しているでしょ
う。

 いや、公開するときの書庫名はいまのところ「tronaska.bpk」……読み返しの効果、全くナシかよorz。

2008年8月17日0:22:17追記。

 ……まだあった。

 かえで****あすかは、BTRONかな入力法とは異なる方針
――使用頻度での区別だけではなく、連接頻度が高いものを同じキ
ーマップへと収用する――を用いる事により、シフトキーを押す時
間が増えることと引き換えに「シフトキーを押し放しする回数を減
らす」方針を採用しています。

 「──使用頻度での区別だけを優先するのではなく、連接頻度が高いカナ同士は積極的に、同じシフト側のキーマップへと収用する──」とかいう風にしないと、意味不明な文章になってしまう。
 それと、

 「連接頻度が高いものを同じマップに集める」という方針は、か
な入力法において採用される例は珍しいようですが、たとえばBT
RON文字コードなどに代表されるように、文字コードの世界では
ほぼ同じ理由によって同様の方針が採用されている例があります。

 BTRON文字コード以外にはそういう「理由があって」面切り替え構造なりシフトイン/シフトアウト構造が採用された例は知らないから、この表現では変。
 もっとシンプルに、「たとえばBTRON文字コードでは、ほぼ同じ理由によって同様の方針が採用されているようです。」などとしないとダメか。
 #このあたりの話は http://www2.tron.org/troncode.html が詳しい。

*1:その後ファイル名を【kasuka**.bpk】へと変更しました。