(メモ)手根管症候群を防ぐための最もいい方法は「環境を整備し、学習し訓練すること」なのか、それとも「環境を整備したり、学習や訓練をしなくとも、自動的にうまく行く方法を選ぶ」ことなのか。
……この答えは、はじめから見えているような気がするのだけれど、それが「多くの人にとって望む結果」なのかどうかは、私には解らない*1。
コストについては深く考えずに「システムとして成立すればよい」という条件ならば、親指シフト(NICOLA)が一番速くこの条件を達成したのかもしれない。
それと、コストについても考慮した上で「けん盤配列単独で成立しないといけない」という条件ならば、新JISかな(JIS X 6004)が一番速くこの条件を達成したのかもしれない。
でも、両者共に「この観点で検証されて設計されたわけではない」から、実際に達成したのかどうかはよくわからなかったりするわけで。
そして、今開発が続いている配列は、ぶっちゃけて言えば「親指シフトと新JISかなのいいとこどり」を目指している……のかも?
「ローコストで、かつ確実に」となると、けん盤配列だけで解決するのが一番確実だと思うのだけれど、導入障壁があるあたりがとても厄介。
それから、「打鍵方法によっても行動を規制する力が出るかでないかの違いが現れてしまう」ところも、厄介さを増やす原因になっているのかも。
個人的に気になるのは、以下の質問に対する回答具合。
日本語入力をするときの姿勢に関する質問です。
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20080507/1210158003#c1210182754 のコメントと、その上の記事(特に記事中の写真)をごらんいただいた上で、以下の質問にお答えください。
あなたは、キーボード入力を行うときの姿勢(椅子への腰掛け方など)について、正しい姿勢というものを教わりましたか。 | |
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(これはダミー項目です) | 5 |
「パソコンなどのキーボード入力」のための正しい姿勢について教わり、実践している。 | 18 |
「パソコンなどのキーボード入力」のための正しい姿勢について教わったが、実践していない。 | 40 |
ピアノなどを弾くための正しい姿勢について教わり、それを流用し実践している。 | 7 |
ピアノなどを弾くための正しい姿勢について教わったが、それを流用してはいないため、姿勢には自信がない。 | 16 |
そもそも誰にも教わっていないが、正しい姿勢で入力している自信がある。 | 19 |
そもそも誰にも教わっていないし、正しい姿勢で入力している自信もない。 | 172 |
そもそも「コタツなどの低い机に、ノートPCなどを置いて使っている」ので、設問に対して答えようがない。 | 40 |
そもそもパソコンを使わずケータイですべてをこなしているため、設問に対して答えようがない。 | 1 |
パソコン用のキーボードでも、ケータイのテンキーでもない入力法を使っているので、設問に対して答えようがない。 | 1 |
いずれの選択肢にも当てはまらないので、設問に対して答えようがない。 | 19 |
(これはダミー項目です) | 2 |
それこそ、そうではない「事務でパソコンを使うだけです」系のユーザ層にとって、「手根管症候群を防ぐための方法に関する知識を持っていること」など、到底期待できるはずもないし、実践しようとしても無理がありすぎる……という、そんな予感がしていたり。
しかも、ここでややこしいのは「理解」していても「実践」できない、というところ。もともと「実践」できるように「行動規制」がなされていない限りは、いくら「教育」や「意思面での強制」を受けたところで、そんなものはうまく行くはずがないことなど明らかなわけで……。
「手根管症候群は、入力法の力によって【仕組み系で】防ぐことができる可能性があるのかもしれない」というあたりについて、もう少しうまく説明していくことができればいいなぁ……と思うのだけれど、私にゃ文才がまるでないから、こういうところはとても難しいなぁ……と。
*1:そもそも「入力法を慎重に選ばないと、入力法と打鍵法の組み合わせによって、手が痛めつけられてしまう」という状況に陥る可能性のある人が、どの程度いるのかもわからないし。それぞれの入力法に対して1〜2桁ぐらいのユーザ数が合致する程度なのか、あと6〜7桁くらいは違うのか、とか……。