「CMの時には音量が上がる」現象が、地上デジタル放送ではモロばれになっていたりする件について。

(未来:将来採用して欲しい、広ダイナミックレンジなデジタルソース用の音量基準。 - 雑記/えもじならべあそび)
(関連:http://www.faq.sonydrive.jp/faq/1040/app/servlet/qadoc?031178)


 地上アナログ放送の時には「ちょっとソース側の音量を上げたぐらいでは、たまーにソフトクリップするだけで、実際には本来のダイナミックレンジを多少オーバーしても伝送できてしまう」というアナログFMラジオ(地上アナログテレビ放送の音声区間は、いわゆるFMラジオと同じF3形式のはず)の特性があって、うまくごまかされていた……様な気がするのだけれど。
 地上デジタル放送になったら、そういうCMのシーンで「放送コンテンツよりも音量の大きなCMコンテンツを(一切ダイナミックレンジの上端を越える音量を送出できない)デジタル伝送で送出するために、思いっきりコンプレッサを掛けて歪みっ放しなCMを放送している」ところに出会ってしまい、とても苦笑いしてしまいました。
 DSD(SACDの音声形式)ならば、多少大きい音量とかはソフトクリップしつつ伝えることができる……のだけれど、そうではないデジタルフォーマットというのは、一般的に「ハードクリップするような音量の音声は、ハードクリップしたまま伝送するわけには行かない(受信側の音響機器が壊れる)ので、結局はコンプレッサで圧縮するしかない」んですよね……。
 うーん、CMを放送させる側は、よくあんな「コンプレッサで歪みまくりの汚い音」を放送し続けていることを許容しているよなぁ……と思う。
 #NHKが「放送コンテンツの音声をフルビット配信している」から、民法各社だけが「放送コンテンツを(CMコンテンツに比べて)低い音量で配信する……わけにはいかない(音量が低ければ音質が悪く聞こえたり……と、色々問題が出る)」というのが、根本的な原因なのかも。まー、「CMだからといって音量を上げた配信はしていない」なんてことをテレビで聞いた事があるけど、そういうことを言い続けてきて技術的な対応(音量ビットを立てるとか)ができなかったことが理由なのだと思うので、このあたりは自業自得というべきか。