音の焦点メモ。

(未来:dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。 - 雑記/えもじならべあそび)
 ええと……電線にはこういう原則がある。

  • 細くするほど・長くするほど抵抗値が増える(→音量が減り、音質が落ちて聞こえる)
    • 逆に、太くするほど・短くするほど抵抗値が増える(→音量が増え、音質があがって聞こえる)
  • 巻くとインダクタンスが増える(→電流の俊敏な増減が抑制され、高音域ほど音量が落ちる)
  • 2本の線間が近づけば近づくほど、キャパシタンスが増える(→電流の俊敏な増減は、負荷に届く前に線間を経由して帰路へ移動してしまうので、高音域ほど音量が落ちる)

 導線で「長くするほど音質が悪くなって、特にその傾向は高音域で顕著」だというのは、こういう理由……チャイムケーブルなどの銅単芯線は、この原理がそのまま通用するから、わかりやすい。


 問題はめっき線なんだよなぁ……なぜに「伸ばせば伸ばすほどきらきらした音になる」んだろう?
 ……ってゆーか、めっき線を100mとか伸ばしたら、そんなにきらきらするのかしら?
 このあたりは未だに調査中。

2008年4月13日22:02:33追記分。

 http://www.mogami-wire.co.jp/paper/wire-notab.html
 表皮効果が問題になるのは、ケーブル長が「波長の1/10」を越えたあたりから出始める……と。
 ええと……アマチュア無線では周波数帯を「周波数」で指す代わりに「長さ」で指したりする、と。
 で、あの分野では「50〜54MHz」の帯域を指して「6mバンド」と言ったりする。
 家庭用オーディオで6Mを引き回すというのはまれだけれど、それをやったとして「6Mバンドの1/10の周波数」というと、単純に「5.0〜5.4MHz」あたりになる。
 ……ありゃ、可聴帯域上限(20kHz……MHz換算で0.02MHz)よりも250倍は離れてるじゃないか。これは(同軸でデジタル音声を送るとかいうわけではなく、アナログ音声を送る分には)ほとんど関係ないな。

2008年4月13日23:13:18追記。

 しかも、めっきの材質が銀でもない限りは「表皮付近のめっき層は銅よりも誘電率が低い=抵抗値が大きい(錫めっき線の誘電率は1/6.666とかだから、抵抗値は6.666倍とか……これが効くのか?)」×「高周波ほど表皮付近を伝達する」=「表皮効果によって音声帯域でのめっきエフェクトを引き起こすなら、高音ほど音量が落ちてくれないとおかしい」ので、このセンもない……と。
 しかも、コンセントについてもめっき云々という話が出ているから、根本的に何か違うところがあるのだろうか……って、コンセントの件については比較検証してもわからないから、正直言って眉唾物なのだけれど。
 電線長が長くなるほど音質が悪くなる……って点は、100m巻きとかのスピーカケーブルを買ってきて実験すると、比較的容易に判別できます。それでも判別できない人は、ダミーロード(8Ωで数Wくらいのもの)をアンプとスピーカの間に挟んでやるとか。

2008年4月13日23:21:14追記。

 電線長を長くしすぎたり(=抵抗をかませるのと同じ効果が出る)、ダミーロードをかませたりすると、アンプの定電圧特性(周波数に関わらず、同じ電圧で出力する能力)がスポイルされてしまいます。
 そうすると、「周波数での抵抗値変動が少ない電線やダミーロード」と「周波数での抵抗値変動が激しいスピーカ」の分圧比は当然「周波数によってころころ変わる」ことになります。
 単体スピーカ自身が持つ抵抗値というのは、「高音域になるほど上昇する」という癖と「数十Hz程度の領域でピークを示すように上昇する」のですが、これにチャンネル分割用のパッシブネットワークがくっつくと、もう少し複雑なインピーダンスカーブを描きます。
 ……で、「周波数が変わっても抵抗値が変わらないもの(スピーカケーブルやダミーロード)」と「周波数が変わると抵抗値がころころと変わるもの(スピーカ)」を直列にして「定電圧性を示すアンプ」に接続すると、アンプの出力は不正に分配されて「スピーカのインピーダンスカーブが高くなるところほど、高い電圧がスピーカにかかる」ようになります。
 ……ということは、これが原因で「めっき線の」……いやちがった、これも「めっき線だからどうこう」なんて要素はないな。また考え直しかorz。

2008年4月14日0:33:26追記。

 んー……よくアンプの設計で話題になる「2次歪み・3次歪み」あたりの絡みかな?
 あの手のは「入力に対する出力が厳密な比例関係になっていないため、音声波形の上端や下端が伸びたり縮んだりしてしまい、結果として基音に対する整数倍の周波数のノイズが出る」という話なのだけれど、こんなのがケーブルで起きたりするのだろうか。
 あるいは、異種金属の組み合わせということで非直線性が出たりするのだろうか?銅の錆びであれば普通は絶縁体になって、まれに(なにかと結合して)半導体になるとか言う話は聞いたことがあるような……。
 ……とりあえずネタ切れなので、今日はもう寝よう。