けん盤配列の特徴メモ。

 「誰にとっても例外なくすばらしい……そんな配列なんてないよ!」ということを、どうやって嘘をつかずに、かつシンプルかつ直感的に評価できるか……ということについての表現方法(というか、解法)を、懲りることなくいまだに探しています。


 そのうちのひとつの解法例。

 配列名はとりあえず適当に割り当ててみました……ので、この図の位置で正しいかどうかという点についてのツッコミがあると少し困りますけれども^^;。
 たとえば、「右手への負荷寄せ・左手への負荷寄せ」を分別する指針としては、運指範囲が広いかどうかで区切る方法もあれば、打鍵数の多さで区切る方法もある……のですが、このあたりについてのポリシーを示していない配列が(とくに21世紀以前に製作された配列には)多いので、この方法で「右手を活用したい人向き・左手を活用したい人向き」として区切ってしまうのは、ちょっと難しいかも?と感じていたりします。


 ちなみにこの方法では、「英字系けん盤配列を、英字入力と和文入力で使うと性質が変わってしまう場合がありえる」という、あまり認知されてはいない(でも配列屋にとっては常識だとおもう)ことの表現についても適用できるかな……と思っていたりします。
 Dvorak設計者が「Qwertyでの英字入力は左手を使いすぎなんだよッ!」と叫んで、Dvorakを製作した……のかどうかは定かではありませんが、英字においてはQwertyは左手をよく使い、Dvorakは右手をよく使う設計になっていたはずです。
 ところが和文を入力する場合には、英字の出現頻度があまりにも違いすぎて「Qwertyは右手をよく使いDvorakは工夫せずに使えば左手に負荷をかけてしまう」という結果を導きがちです。
 そういったことを図で示すと、1枚の図上にこういう風に表現可能なのかも知れません。

この図表(が目指す目標)についての将来像。

 これからけん盤配列を試そうとする方に対して、

  • これは普及しているからやるべき。
  • これは使用している方が多いからやるべき。

……という、いわゆる「神の視点*1」みたいなものを元に提示するのは、なんかちがうよなぁ……と。
 「世間様が何をやっているか」ということと、「利用者自身にとって何がもっとも快適か」ということはまったく関係がないので、「自分にとって何が合うか」というところについては、世間から切り離して考えていただくための切り口が必要だと考えています。


 そのためには、「どういう運動特性が求められるか」ということの提示が、キッチリ必要になってくるのかもしれません。
 それが「嘘をつかない説明」のための、最低限必要な事柄になるのかな……と。

 

*1:「神の視点」と「虫の視点」については、

英語にも主語はなかった 日本語文法から言語千年史へ

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から言葉を借りました。