音の焦点メモ。

(未来:dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。 - 雑記/えもじならべあそび)
 例の「ある日本語・する英語」の本にヒントがありそう……後は発声本も関係あるかも。
 腹式呼吸による発声で「音が遠くに飛ぶ」感じを、ある種のスピーカでは再現できるのだろうか(あの「気持ち悪い」とか言う悪文表現の正体は、もしかするとこれなのかも?)。

ここから下は2007年12月19日11:28:40追記分。

 プロケーブルさんが使っている「音の焦点」という用語は、本来の音響学会ほかが使っている「(音の)焦点」という用語に当てられた意味(凸面に音を当てれば音が拡散し、凹面に音を当てれば音が一点に集中する)とはまったく異なるもの。
 つまり、プロケーブルさんが言うところの「音の焦点」というのは、実際には「音の焦点」ではないから、直訳での「サウンドフォーカス」なり「サラウンドフォーカス」なりといった意味合いでもない。
 仮に「プロケーブル用語では、なぜか音の焦点と呼ばれているもの(長いなぁ……)」が「人間の声」についての話であれば、これはそれこそ「ボーカルフォーカス」なり「ボイスフォーカス」なり「スピーチフォーカス」なりという風に呼ぶべきなのかもしれない。
 ……この仮説が正しければ、日本語としての「プロケーブル用語では、なぜか音の焦点と呼ばれているもの(長いなぁ……)」の正体は、正確には「声のピント」なり「声の通り」なり「声の共鳴度」なり「声の響き」なり……といった語を当てるほうが正確なのかもしれない。


 ピタリと合うか、響きすぎるか、響きが足りないか……の3状態があるとすると、「声のピント」か「声の響き」が表現としては近くなるのかもしれない。
 ……って、こうなってくると「日本語の通常会話による帯域(1200Hz〜1500Hzあたり)は日本語らしくあまり響かせず、英語などの通常会話による帯域(2000Hz〜8000Hzあたり)は英語らしく響きよく通る声として、それぞれ出てくれないと困る*1」ことになるわけで、1500Hz〜2000Hzの間にクロスオーバーポイントを置いて「クロスオーバーの下はコーンスピーカで、クロスオーバの上はホーンドライバで、それぞれ表現する」というのは、十分理にかなっていることになる(けど、この理屈ではクロスオーバー周波数を1500Hz〜1600Hzの間に制限する理由はない)。
 少なくとも、2000Hz以上の帯域を「コーンスピーカで何とかする」というのは、英語などで使われる帯域の声を「英語話者がしゃべるように、遠くへと響かせて飛ばす」ことができにくいので、かなり無理があることになる……ということなのかもしれない。


 うーん……このあたりについてはそのうち話が「後出しで」出てくるのだろうか?期待して待ちたいところ。

21日追記

 トーンコンパセータを声の帯域だけに掛ける「ボイスコンパセータ」を実験してみれば、このあたりがはっきりするのかも。

*1:この点については、書籍の

日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)

日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)

pp.012-019が面白いと思うので、興味があればごらんいただきたく。