実際に「簡易スピーカスタンド」のテストをしてみた。

(未来:dbx Driverack PAを使って「音の焦点(?)」をプラセボ少なめで調整するための配線案(マニュアル・サウンド・フォーカスのための実験回路)、その4。 - 雑記/えもじならべあそび)
(未来:音響メモ。)
(未来:音楽/音響がらみのメモ。)
(未来:「プリアンプやミクサがあるから音がよくなる!」というわけではない……らしい(?)。)
(未来:プロケーブル方式の特許スタンドについて、以前のスチールラックスタンドを組み直してテストしてみた結果から思うこと、一般の家庭で導入する場合の障壁、相手先ブランド供給(OEM)の可能性について。)
(未来:音響ネタについてのメモ(0:55AM記録開始、7:59AM記録終了)。)
(未来:プロケーブル謹製のスピーカスタンド登場!)
(過去:(メモ)簡易スピーカスタンド……はどうしようか。)
(過去:CROWN/D-45関連クイックレビュー。)
(過去:「スピーカの置き方」メモ。)


 ……さすがに「角材3本で(以下略」については実行してみたくはないので、その後に書いていた「スチールラックを(以下略」について実験してみました。


 うちにはもともと、ホームセンターで購入した「高さ1200mm×幅600mm×奥行き400mm、棚板4枚構成のスチールラック」がありました。
 このスチールラック、輸送コストを削減するためか「四方の支柱は、600mm長の支柱をジョイントで2本繋ぐことで、1200mmの高さを出す*1」様になっていまして、普通は「高さ1200mmの4段」で使うはずのものです。
 ……で、今回はそのジョイントを外して組み直すことで、「高さ最大600mm×幅600mm×奥行き400mm、棚板2枚構成のスチールラックを2個」という構成に変更しました。


 このスチールラックは50mm単位で棚板位置を変えることができるようになっていたのですが、その取り付け位置については先のメモ通りに

  • 対角線上にある支柱二本は、棚板に対して同じ位置に。
  • フロント側の角は、棚板に対してわざと1段(50mm)上の位置に。
  • リア側の角は、棚板に対してわざと1段(50mm)下の位置に。

とすることで、フロント側に近くなるほど足が長く出る(=リア側ほど天板上に無駄な支柱が顔を出す)様にしました。
 こういう状態で組んだので、当然これを床におくと「フロント側天板の角は、リア側天板の角よりも100mm高い状態」になります。
 棚板は上下ともに15°近い傾斜角になるので、スピーカを置きっぱなしにすると地震が来たときが怖い……ので、このまま実用で使うのは無理がありすぎる(何らかの保護策が必要)のですが、今回は「金と手間暇を掛けずに、ただ実験さえできればよい」と割り切って、こういう方法をとっています。


 ……で、これにスピーカをおいて、実際に聴いてみました。
 スピーカ自体の対床高さが、元のスタンドよりも300mmほど上方に移動したので、その分だけ音像の定位位置も上方に移動しています。
 これでもまだ「いすに座って聴いたときに、耳の高さとスコーカーの位置が同じ」という程度の高さで、ボーカルを聴くと「未だに位置が低すぎるよなぁ……」というイメージはあります*2が、少なくとも従来のスタンドよりは違和感が少なくなっています。
 それと、特定の帯域の低音のみが出しゃばっていた従来と比べて、とにかく低音の量感が少なくなりました。ちょうど、耳栓型のイヤフォンで聴く音楽と同じように、「量ではなく質で聴かせる」感じの鳴り方に変化しています。ただし、この簡易スタンドは「メカニカルアースの観点からいうと最悪に等しい状況」なので、仮にこれをまともに作り直せば、若干は低音の量感が増えるかもしれません。
 とりあえずまとめると、特定帯域でだぶついていた低音がすっきりと消えた点は◎。求めていた方向にきちんと向いてくれた……という意味では、ひとまず安心しました。


 スピーカを置くときには、「2次元的に見て平行に置くよりは、ある程度内向きにする方が混濁感が出にくい」ように思っていたのですが、それだけではなくて「3次元的に見て平行にならない置き方にすることで、さらに部屋の影響が出にくくなる」のかも……と、そんな仮説を立ててみたくなりました。
 とはいえ、この角度は自由に調整できないのが、今の第一の問題なんですよね……。
 スピーカを3軸に対して自由に制御できるスタンドがあれば、もう少し実験をしやすくなるのかもしれないのですが*3
 うーん……スピーカスタンドに対しても、ArkSwingのような仕掛けが欲しくなってしまいました^^;。

注意点。

 これは、スピーカを「スピーカの置き方」メモ。のルールに従って置いた状態で書きました。
 平行置きにしてしまうと、揚角を付ける意味があまりないかもしれません……。
 #というか、今回の実験は普通に「揚角を付けられるスピーカスタンド」でもできそうですね……とはいえ、今回のポイントは「どこから見てもスピーカの箱が斜めに置かれていること」なのかもしれず、それは従来の既製品では実現しづらいと思います。

2007年10月29日23:03:49追記。

 ……あまりにすっきりと鳴ってしまったので、大事なことを忘れていました。
 私の中では、こんな「常識」がこびりついていました。

  • 「ラックは隅に置くもの。」
  • 「スピーカは隅に置いてはいけないもの。」

 ラックを隅に置くのは家に限った話で、職場などについては当然「あるべき場所」に置くよう努めています。
 で、「スピーカは隅に置いてはいけないもの。」というのは、帯域バランスが大きく崩れてしまいやすくて「制御が利かなくなる」という実験結果に起因しているので、これはもうずっとそのまま【なるべく壁から離して置く】ように工夫していました。
 通常のスピーカスタンドは「ラックではない」という考えから、スピーカを置くときのやり方をそのまま周到していました。


 ……ところが、今回の簡易スピーカスタンドは「元々ラックだったもの」なので、つい何も考えずに「部屋の隅に」置いてしまっていました。
 あれだけ印象が悪かった「部屋隅」に簡易スピーカスタンドを「ラックのつもりで」置いて、そのまま何も考えずにスピーカ(Diatone/DS-77z)を乗せました……普通なら(それまでの常識が邪魔してしまうので)ありえないのですが、今回はまったく意識せずにそれをやっていたわけで。


 その上での感想が、今日(昨日深夜)のとおりになったわけで……。

  • ×「部屋隅においてはダメ」
  • ○「部屋隅に置くときは、部屋に対して平行面を作ってはダメ」

だったようで……いまさらになって気づいて、えらく驚いてしまいました^^;。

2007年10月29日23:36:59追記。

 文字で書くとわかりづらいので、写真を貼ってみることに……。
 どれだけ間の抜けた実験なのかが、たぶん一発でわかると思います^^;。


2007年11月2日10:35:03追記。

 のちに、こういうスタンドが公開されたようです。
 http://www.procable.jp/products/stand.html
 http://www.procable.jp/setting/50.html
 うちで載せた写真のような「0次試作チック」なものではなくて、きっちりとコンセプトを満たすために作られた製品……と。
 そういえば、わざわざ商品発表日が記載されていた(2007年10月31日)のだけれど、あれって何か意味(告知義務?)があるのだろうか……うーん、よくわからない。

2008年1月6日1:28:32追記。

 うーん……ime.nu経由でのアクセスがあったようなので、(どういう議論でこのURLが引用されたのかは不明ながら)念のため追記を。
 仮に、この直上にある「スチールラックスタンド」の話でしたら、これはさすがに、現在写真のままの高すぎる状態で使ってはいません。
 一応、これは後に【プロケーブル方式の特許スタンドについて、以前のスチールラックスタンドを組み直してテストしてみた結果から思うこと、一般の家庭で導入する場合の障壁、相手先ブランド供給(OEM)の可能性について。】というものを書くために組みなおしていて、高さについては本物と「大体同じ*4」状態にしました。
 #このあたりのリンクは全て記述のアタマに固めてあるので、解りにくくなっているかもしれません……その点申し訳ありません。


 ちなみに……私の中では「プロケーブルネタ」は既に終了しているッぽいです。
 プロケーブル用語で言うところの「音の焦点」についてはヒントがほしい気もするのですが、この絡みについて時間を投資する余裕は、正直言って今の私にはないので……orz。

*1:こういう作りなので、買ったときの外箱は610×410×70ほどの、(スチールラックが入っているにしては)妙にこぢんまりとした代物だったんですよね……。

*2:実際には、ボーカル帯域が高さ1400mm〜1500mmぐらいに定位して欲しいので、3wayスピーカであればスコーカの中央が・2wayスピーカであればウーファーとドライバの中間あたりが、おおむねそれぐらいの高さに位置する必要が出てくる。

*3:いや、揚角さえフリーであれば、それでよいような気も……いや、ちょっと違うか。

*4:このあたりが私らしく、ひどくテキトーなのですが……。