PLAYSTATION®3は「SD画質用のDVDプレーヤ」として買うと良い……のかもしれない。

 ゲーム機としてはものの見事に魅力なさ気なPLAYSTATION®3、よほどのことがなければ「さすがに(AVアンプ抜きでは)買ったりはしないよなぁ……」と思っていたのですが、友人宅でDVDを再生してみて「ピンと来てしまった」ので、思わず強奪中古に手を出してしまいました。
 ゲームをするわけでも無いのに「予備コントローラ付き」で¥47k……なので、ちょっとだけ値ごろ感があった点にやられてしまったという気も^^;。
 そのまま速攻でヨドバに寄って、

BDリモートコントローラ

BDリモートコントローラ

こんなものまで買ってきたり。


 私は「高級なDVDプレーヤ」というものを買ったことが無いので、そもそもPS3がどの価格帯のプレーヤ相当の能力を持っているのかはわかりません。
 ただし、「PS3というゲーム機のオマケとして、DVDの再生機能が付いてる……と、どうせそういうレベルなんだろ?」と思っていた人であれば、まず面食らうであろうレベルだとは思います。
 安価な(それこそ2万円で買えそうな普及機)DVDプレーヤのみを使っていて、「新しいDVDプレーヤを買うかどうか迷っている」という方は、一度PS3(ただしファームウェアをVer1.90あたりにアップデートしたもの)での出画能力を確認してみることをお勧めしたいです。


 とりあえず、PLAYSTATION®3の出画能力は、少なくとも「5万円のDVDプレーヤとして期待されるべき画質」を、きちんと出しているのではないか……と(実際そういう価格帯のプレーヤを持っているわけでもないのに)感じています。
 とくに、目だって差が出るのは「ブロックノイズ状のデータを綺麗に展開してみせるところ」にありそうです。
 最近、(ブロックノイズのせいで)ものすごくがっかりしたDVDとして

Speciality DVD

Speciality DVD

を挙げようかと思ったのですが(これはPioneer/DV-353だけの問題なのかも?)、これのT00:31:32〜00:31:34(Chapter10;Sanctuary Video Clipの中程)に入っていた「フレア効果起因のブロックノイズ」を、PS3/1.90では「ぎりぎり鑑賞できるレベル」にまで引き上げて見せたあたりには、けっこう(いや、かなり)驚いてしまいました。
 しかもこれが「友人宅で見たとき(アップデートされていない機体)には、単純にブロックノイズが少し小さくなるだけだった」のに対して、1.90へのアップデートで「大きなブロックノイズはほぼなくなった」というふうに変化したので、その変化の差に驚いたわけで。


 今まで、ファームアップデートするAV機器と言えば、NIROフロントサラウンドシステムとか、あるいはHDDレコーダ系ぐらいしか思いつかなかったのですが、こういうゲーム機が「本筋の商売をなかば無視したアップデート」を繰り返してきて、しかもそれが実際に「本筋の商売からははずれたところで良い製品になりつつある」というのは、何度考えても興味深いところがあるなぁ……と感じずにいられないところです。


 ただし……PLAYSTATION®3には、「純粋なオーディオプレーヤ」としてみるには致命的な欠点があります。
 ……あっ、「DAC以降がチャチだ」とかいう話ではなくて、そもそも

 (Cellを使って処理する都合上、使用中は)冷却ファンがうるさくて、オーディオ機器としては落第ッ!

という問題があるんですよね……。
 Cellの発熱が小さくなるのを待つ……というのはかなり無理があるので、どうせならSCEIではなくて、ソニー本体側で「PS3/transporter」をリリースしてほしいところ。
 それこそ、

  • 筐体と冷却設計はオーディオ機器群と同じポリシーに。
  • 電源はオーディオ機器群と同じポリシーで設計するか、あるいは適切な絶縁トランスを内蔵。
  • そのほかの中身はPLAYSTATION®3(60GB版)と同一(=同じファームウェアが適用できる)。
  • 可能であれば、HDMIのOUTポートを一つ増設。
  • 可能であれば、コントローラの基盤をUSB接続でつなぐなどして、機器前面に操作ボタンを配置。

という構成の製品がでれば、普通に「(ゲームも走る)マルチプレーヤ」としていけるような気がするんですよね……って、それは脱線しすぎかもorz。


 いずれにせよ、PLAYSTATION®3が「一点豪華主義(前段豪華主義?)の変なキカイ」だということは確認できました。
 うーん、こうなってくると、実際に「HDMIのIn端子がついたAVアンプ」が欲しくなってしまいそうですね……最近は本体側でTA-DA5300ESなるものが出てきて、さらに悩みの種が増えたばかりなので……どうしようかなぁ、と。


 そういえば、Ver1.90に更新しても、マルチAV端子から出てくるアナログ出力側の「音声」品質はほとんど変わらないですね……。
 DACがタコなのか、DAC以降がタコなのか、リクロックなどせずにマスタクロックを共用してる(はず)からなのか……理由はまるで不明なものの、「音声をアナログで出力する」場合の品質は、期待するだけ無駄かなぁ、という感じで。
 そういう単体プレーヤ的な方面を期待したい場合は、素直に良いプレーヤを買うべきだと思います。

今後の計画(単なる妄想)。