日本能率協会の「快速キーボードトレーニング」、はっきりいって【かな入力に厳しすぎ・ローマ字入力に甘すぎ】。

 日本能率協会の通信講座「快速キーボードトレーニング」では、パーフェクトキーマスターに入っているゲームを用いてタイピング速度を自己申告させようという設問があるのですが、うち一つがとんでもない間違いを犯しています。


 問題一つ目は【英数字モードにしてプレイする】という規定なので、ローマ字・かなのどちらでも条件は同じ(ローマ字入力でやる方が学習コストは低いけど、試験の難易度としては平等)。
 問題三つ目は【漢字かな交じり分の入力速度を計る】一般的なもので、TypewellFTやビジネスタイピング系のそれと同じ。これはローマ字・かなのどちらでも条件は同じ(最終成果物の入力速度で計っている)だから良し。


 で、問題二つ目がまさに「問題」なのです。
 これは【ローマ字か、かなのモードにしてプレイする】という規定なのですが、設問の意図はまさに「ローマ字入力と同じ得点を得るには、かな入力では1.5倍の【文字数】を打鍵しなければならない」なわけでして。
 これはもちろん「ローマ字入力とかな入力ではタイプ数に差があるから、おなじ【タイプ数】になるよう補正している」のだろうと容易に想像できるのですが……明らかに変ですよね。


 普通は「最終的に入力されるかな文字の数を数える」のが当然であって、もちろんソフトウェア側の「パーフェクトキーマスター」のひらがな入力モードでは、測定単位として【ACPM(Adjusted Characters Per Minute;誤打鍵減算済みの毎分文字数)】を採用しています。
 ところが、これをさらに設問側で弄って「いや、同じ文字数ではなく、同じタイプ数を打てなければダメだ」と断定してしまっているわけで……これはさすがにアンケートでチクらねば。

で、とりあえず問題一つ目〜三つ目までをやってみた。

 一つ目(英字):49AWPM
 二つ目(かな・ローマ字):125ACPM 、但し飛鳥カナ配列21-290を使用
 三つ目(漢字かな交じり):4分30秒 、但し飛鳥カナ配列21-290を使用
 ……とりあえず減点されずに済みそう。


 それにしても、二つ目の採点基準はやっぱり納得行かないよなぁ……
 各章の扉絵が親指シフトキーボードだから、著者も親指シフターなのか……と思ったけど、それならば「カタカナ変換」に「無変換」キーを使う方法をきちんと書く(注:本書の対象はDOS/V仕様PCのJISキーボードに限定されているから、必ず無変換キーは存在する)だろうし……とにかく謎。