将来的な「配列屋」の仕事は、もしかすると「タイパーさんが解析した、スパゲッティ状態の複雑な最適状態」を、自分なりの考え方に則って『解きほぐして、シンプルな最適状態へと変換する』ことになる……のかも。

 『【鍵盤配列wikiにおける運指法の細分化について、ぶったーさん方式で大丈夫そうだな……と思う。 - 雑記/えもじならべあそび】の内容を実行した。 - 雑記/えもじならべあそび』を書いていて思った……のだけれど、「目の前にある配列を、運指のチカラで解きほぐす」という研究箇所に関しては、どーがんばってもタイパーさんの方が経験豊か*1だし、そこには配列屋が追いつこうとしたって無理があると思う。
 そんななかで、そういった超絶技巧によって達成される「スパゲッティ状態の複雑な最適状態」を目にした配列屋は、それを「運指ルールを覚えなくても、標準的な並行運指法or下段外方運指法で使えるように、絡み合った糸について『文字側を動かして』解きほぐす」ことによって、「運指動作から、配列へと変換する」という目的を達成するべき時代が来るんじゃないかと思う。


 この中間とも言うべき『独自運指法』を使うものとして「TWW」がある……けど、たとえばこういった配列を基点として「標準運指で使ったときに矛盾しないように、配列をほぐして纏めなおす」ってのが、将来像としては一番近い姿なのかも。
 タイパーさんは「運指を研究して糸を張りまくる」……で、そうして張られた糸について、こんどは配列屋が「糸が切れないように、うまいことあやとりをして、絡んだ糸を解きほぐしていく」……と。
 タイパーさんと配列屋の関係は、今後そういった『あやとりをする関係』のように、相互に密なものになるんじゃないかと思う。
 それこそ、ある配列についてタイパーさんが「複雑な意図を張る」ことによって目的を達成できたあと、今度は配列屋が「その糸をほぐして、標準運指で矛盾なく打てるように整えなおす」とか……そういったことを繰り返していくことによって、とくに「新JISかな系のような、運指速度のカリカリチューニングを目指す配列」は進化していくのではないかと思う。


 配列屋が指運びの工夫をすることになるのか、タイパーさんが配列を作るようになるのか、あるいはその両方が同時に起こるのか……はまだ未知数だけれど、指運びに関しては「業態が変わっても活きる技術」なので、そういったリンクは将来的に強固になる可能性があるのかも、と思う。
 これを早速活かしている例が「TWW」だと思う……TWWの場合は「標準運指」ではなく「開発者運指」に合わせたチューニングがなされているけれども、こういった配列の中から「開発者運指→標準運指」へと指使いをほぐしていく試みが生まれれば、「標準運指しか使わない人にとっても、高速で打てる人の運指のエッセンスをたっぷり含んだ手順(=配列)が使える」ってことになると思う。


 運指法の手順を公開することと、運指法を解きほぐした配列を公開することとは、「形態は違う」けれども「目的は同じ」になるはず……なので、こういったところの『運指技術の相互変換』が少しずつ進めば、「よりよい運指法・よりよい配列」を作り出すための、強固な土台になるのではないか……と、そんなことを考えてみたり。

*1:さすがに、創作打鍵で120万打鍵/年とかのペースを採るよりは、コピー打鍵で1000万打鍵/年とかやってるタイパーさんのほうが、はるかに「運指に関しては、明るい」はず。