『全体最適化によって、結果的には』速い、新JISかな。『部分最適化を積んで、構造として』速い、かえであすか。

(過去:『一番速い配列』を、主観で選んでみるテスト。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:鍵盤配列の『乗り換え』が必要になったとき、どういう考え方で「ステップ先(経由地)」と「ジャンプ先(目的地)」を探せば良いのだろうか……。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……って、もちろんタイトルのうち「かえであすか」については、ごくごく主観的な話であって、『世間様にとってどうこう』って言及しようとは思ってないです。


 ……で、理想の配列ッてのは、↓の条件を満たしてなきゃいけない。

── 部分最適あり 部分最適なし
全体最適あり 理想の配列 計算配列
全体最適なし 手捏ね配列 デタラメ配列

 このとき、手捏ね配列ッてのは、どーやっても全体最適を目指せないんですよね。「指さんが感じてること」が活きるのは部分最適分野であって、これで全体最適を無理やりやろうとしても「馬鹿アタマの考えてること」が支配的になって、結局は延々と「完成と改善のループ」にハマっちゃうし。
 全体最適を目指すには、計算配列しかない……けど、計算配列に部分最適を付加しようとしても、現在の技術じゃ「馬鹿アタマの考えてること」は突っ込めても、「指さんが感じてること」はインストールできていない……ってゆー課題がある。
 指が実際にやった『パフォーマンス』は計算配列にインストールできてるから、『速い』配列は出来る……んですけど、これと「手捏ね配列を作るときにやる、部分最適化手法(配列に『構造』を持たせる方法)」ッてのは基本的に対立しちゃう。
 ゆえに『構造』を持った『計算配列』を作るのは、まだ難しい……と、私はそう考えています。
 #ここは、『速度』に対してだけ評価点を振るという数学的なところだけで全てを語るのではなくて、『構造』に対しても評価点を振る……という、国語的な評価軸も必要になるわけで。


 世間様にとってもっとも良い配列と言うのは、たぶん以下の条件を満たすものでしょう。

  • 『世間様全員』じゃなくて、少なくとも作業負荷区分に応じていくつかにカテゴライズし、それぞれに合う最適解を探す。
  • 『慣れたあとだけ最適』だけじゃなくて、『構造のチカラを上手く使って、練習途中から既に最適』である。
  • 『思ってる通りに最適』じゃなくて、『指が感じたままに最適』であることを目指そうと努力してる。
  • 最後にきちんと『評価打鍵』をやって、厳密に『人間の体とのインピーダンスマッチング』をとる。

 そーゆー意味では、新JISかなは「1番目と4番目」はほぼ達成したと思う。
 これからの計算配列には、さらに「2番目と3番目」をインストールすることを目指すべきなのかな、と。


 評価軸を変えると、本当にいい配列ッてのは、↓になると思う。

── 国語的に良い 国語的に悪い
数学的に良い 理想の配列 計算配列
数学的に悪い 手捏ね配列 デタラメ配列

 ……って、こんなことかいてると『妄想もいい加減にしろよ……』ッて突っ込まれそうですけど。
 ……ただ、『今現在、計算法や手捏ね法でやってることは、将来【理想の配列】が出来るために、唯の一つも無駄になることはない』と思う。


 数学的性能と、国語的構造との間で、どうやってうまいこと『高い次元でバランスの取れた、鍵盤配列』を設計するか……ってのは、難しい問題だとは思うけど、そのうち取り組まなきゃいけないことになりそうな気はする。
 ……で、ここまでは『世間様』にとっての話、と。


 『世間様』がどうか……ってのと『使い手自身』がどうか……ってのは、やっぱり別問題。
 自分で自分自身をマインドコントロール?して、『この配列が自分にとって使いやすいはずだ!』みたいな事をやらない場合、人それぞれに『ちょっとした差』ッてのはでてくる。
 そんな中で重いのは、『距離的に、文字と音声のどっちに近いほうがいいか』ってのと、『どんだけの分量を打つか』ってのになると思う。
 その評価軸で考えると、少なくとも4区分は必要になってくる。

── バルクコピーで超大量(n>1千万文字/年とか)に打つ 大量の創作文入力(n<1千万文字/年とか)か、それ未満
音声と親和性が高い 速記系パラレル入力法 行段系・ロマかな系
文字と親和性が高い 漢直系 かな系

 こういった区分けに重ね合わせるようにして、あとは↓のような「配列の親子関係マップ」みたいなのが必要かな、と。


 ……いずれにせよ、自分にとって合う鍵盤配列を作りたい/探したい……って時は、とりあえず色んなのを『ツマミ食い』してみるといいとおもう。
 本格的に理解するには、どんな配列でも8四半期くらい使ってみなきゃ、何にも解るわけないじゃん……ってゆーものなのだけれど、配列を作るうえで必要なのは「様々な配列を、本格的に理解すること」じゃなくて、あくまでも「どういう配列樹のなかに、自分にとってぴったりフィットする負荷×効率のものが眠ってるかを探し当てる」事が目的なんだから、1ヶ月〜1四半期程度の浅い利用を複数種重ねるだけでも、その目的くらいは達成できると思う。
 まずは「配列のシフト方法と、高頻度文字による構造」ってのが大枠の使いやすさを決定付けてる……から、それを体験するだけなら1ヶ月〜1四半期程度で十分*1。そうして見つけた『よさそうな構造』の中から、あとはどうやって『もっとも適した、文字の並べ方のもの』を見つけるか……ってところをやってみるといいと思う……これをやると「腰掛配列を、最低でも2つやらなきゃいけない」けど、そのうちこれを『一つやるだけで、理解出来る』様にしたいと思う。


 そういう意味では、「批判に対して、意識して無抵抗な配列」をいくつか作るor見つけ出して、それを使った人が思ったことのチェックリスト数十項目について、Yes/No形式で答えていくと「そーゆーあなたと似た人は、こんな配列に乗り換えました」ってゆーのが出来上がるんじゃないかな、と。
 こーゆーのは、「批判に対して無抵抗な配列」に対する、各ユーザーの反応を、結構たくさんデータベース化しなきゃいけない……のだけれど、これと似たことはかつて自然発生的にあった*2……ので、たぶん「やろうと思えば、きちんとできる」ンじゃないかな、と思う。
 この手の実験には、ちょうど『かえで****あすか』が使える……けど、これだけじゃ足りないので、必要なハブ配列を補完する必要があると考えてるところ……自作の中からちょうどいいのがサルベージ出来るならやるし、なければ作る必要があるし。


 ……と、これらについて、もしかすると『来年あたりにできちゃう』かもしれないし、あるいは『鍵盤配列自体が廃れるまで見つからない』かもしれない……けど、なるべく早く実現できるように、アレコレと思考実験&行動してみないといけないな……と。

*1:たとえば、私にとってNICOLAが合わなかった理由として、超高頻度部分の「高頻度カナがどうこう」ってレベルで、しかもJISキーボード経由でやってみて、見切りをつけてる。これは「気に入ってる人にとっては納得のいかない話」に決まってるのだけれど、私自身にとって重要なのは『私自身が、私自身の使う環境で、私自身の手指にとって、結局どうなのか』ってのだけが重要……なので、その程度の評価でも十分だと思ってる。というのも、『高頻度の部分&常用環境での感触が気に喰わない』なら、どんだけ訓練したッてそこは解消できないに決まってる話なんだし。そーゆー状態で無理やりやり続けてる暇なんかないよ?実際には『高頻度の部分&常用環境での感触が気にいった配列』へとさっさと移行した上で、そこから『低頻度だけれど致命的に気になる部分を、訓練もしくは配列変更によって変更して、自分にとって本当にしっくり来るものへとたどり着く』ってゆープロセスがあとにつかえてるんだし……って、これは私にとって「飛鳥カナ配列→かえであすか」の移行が必要になった理由そのもの、なのだけれど。

*2:だいぶ昔、飛鳥カナ配列の21c290前後について、「実際あれを数十人が試して」その結果として色んな配列ができた……ってのは、当時を掘り返せばいろいろ解るんじゃないかと思う。