「人それぞれに、最も軽いと感じる配列は異なる」ということが、感触としてつかめる……のかも。
「よろしければ〜」スレッドにおいて、興味深い Googleスプレッドシートが公開されていた。
https://spreadsheets.google.com/ccc?key=0Agr_MDdxot9tdEswWnJIOF9RTEpHZ3JvTURvX3RiRnc&hl=ja
……そして、以下の提案に心惹かれた。
954 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2010/11/29(月) 18:35:05 0
>最近出来た配列の性能の良さがとても目に付くね
新しいのは機構も複雑で色々数字に出てこない欠点もあるから
その分をさっ引いてね。
937の打ちにくさ指数も人それぞれの感覚があるから
自分なりの数字に変えてみるといいと思う
(from http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/pc/1265781723/954 )
『私にとって欲しい指負荷の傾き』をこれに当てはめたときに、きちんと『私が目指した配列が、きちんと低負荷として評価されるかどうか』ってところが、すごく気になったんですよね……何というべきか、「配列と指の、インピーダンスマッチングが取れているかどうかを評価する」ために使えるか、というところが気になりました。
ちなみに、↓が「私にとっての指負荷」なんです……極端すぎるかもしれないんですけど、実際「ものぐさ度」の高い私の場合、こんな感じでキーを評価したくなります。
29 | 23 | 21 | 27 | 53 | 31 | 16 | 12 | 13 | 17 | 34 |
24 | 19 | 17 | 22 | 44 | 26 | 13 | 10 | 11 | 14 | 29 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
34 | 26 | 24 | 31 | 62 | 18 | 18 | 14 | 15 | 20 | × |
……で、ワークシートをお借りして、「左手は楽をしたい」私にとっての「キーのカルさ」ってのをあてがって、そこに「かえでライティあすか」「飛鳥123」「NICOLA」も追加してみました。
※新下駄配列のシートは↑をあてがったのみで、ほかは弄らないことにしました。親指系の配列シートについては、新下駄シートを元にvlookup()を追加しました。
よろ配スレッド9-951さんデータの改変版.ods
ん……たしかにこういう考え方なら『こうあってほしいと思う、指負荷を指定する』ことによって、きちんと『それに沿う配列のコストが、きちんと低いコストとして評価できる』んですね……なるほど。
現状だと、あくまでも1-gramでの評価になるので、
……ってゆー制限は出るけど、少なくとも「指がキーを押す、押下方向の負荷」を概算で求めるには、十分にイケてる感じがする。
で、なによりも「人それぞれに、もっとも低コストになる配列は異なってくる」という「考え方・捉え方」の部分が、このワークシートを弄っていくことによって得られる……というところが、特に◎だと感じました。
こうして「計算」に使えるだけでなく「教材」としても活きるワークシートというのは、なかなか考え付けるものではないですね……「多様な評価軸」の根っこの部分を、1枚のワークシートで表現しきってみせた、素晴らしい仕事だと思います。
ちなみに……。
私がもし左利きだったら、たぶん↓のように負荷テーブルを書くでしょう。
17 | 13 | 12 | 16 | 31 | 53 | 27 | 20 | 22 | 29 | 58 |
14 | 11 | 10 | 13 | 26 | 44 | 22 | 17 | 19 | 24 | 49 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20 | 15 | 14 | 18 | 36 | 31 | 31 | 24 | 26 | 34 | × |
……そしてたぶん、「かえでレフティあすか」みたいなのを作って、実際に使っていることでしょう……。
さらに、以下のような関係が成立することも、弄っているうちに解る……と。
── | 左手は不器用 | 両手とも器用 | 右手は不器用 |
---|---|---|---|
右手に負荷寄せした配列 | つかいやすい! | んー……。 | つかいにくい! |
左右均等負荷の配列 | んー……。 | つかいやすい! | んー……。 |
左手に負荷寄せした配列 | つかいにくい! | んー……。 | つかいやすい! |
こうやって、「指負荷表」を貼り変えるだけで、配列評価の根本が「がらりと」かわる……ってのは、『個別化の考えに基づく配列評価』のためには、いつか必ず必要になる、キーポイントになるはず……と思います。
こーゆー「Change the Rule」な考え方は、たぶん「利用者個人にとって合うものを探す」という意味においての配列評価にとって、どうしても必要になると考えられます。
そして、これらの個別化要素を絡めつつ、かつ「詳細な評価」を行えるような、そういった配列評価の仕掛けが出来上がると、「俺配列」とか「俺たち平均配列」といった、個人もしくはコミュニティにとって最適化された、細やかな要求を満たす配列をも上手く評価できるようになるのかな、と。
たとえば新JISかな配列が「女子大生7人から作り上げた平均人間にとって、とことん高速入力できる配列」を導き出したようにして、そういった方向での開発というのも「あって良い」のかもしれないですし。
#「世間様」という方の運動特性を測定できれば、それに越したことはない……ンですけど、実際それは無理でしょうし。