【思考実験】計算配列で競技タイピングに侵攻?するなら、配列群は3例用意するほうが良いのかも。

(過去:【思考実験】シフトキーの時間軸押下コストを「何パーセントとして配列設計する」べきなのか。 - 雑記/えもじならべあそび)


 現行の競技タイピングにおける最高速度(たぶん、690かな/分)と、シンプルな行段系を普通に使って無理なく到達可能な速度(たぶん、60かな/分)から考えて、前に書いていた表を「単純に3倍」にしてみました。

── 目標入力速度 目標練習量
シフト打鍵時間率を100%(1/1倍)として設計 692.31かな/分目標 とことんやりこみを行う
シフト打鍵時間率を67%(2/3倍)として設計 456.93かな/分目標 相当のやりこみを行う
シフト打鍵時間率を33%(1/3倍)として設計 228.45かな/分目標 ある程度のやりこみを行う。
シフト打鍵時間率を10%(1/10倍)として設計 69.24かな/分目標 通常練習

 たぶん、「練習した量に見合った速度が出せる」ような配列をはじめに選んで、それが指定する量だけ練習をする……ってゆープロセスを行ったときに、「もっとも指に対する負担がかからない状態で、かつ目指す目標速度に到達できる」ようになるのでは……と、ざっくりそんなことを考えていたり。


 今の計算配列は一番上のゾーンを満たすには適してる。
 今の行段系配列は一番下のゾーンを満たすには適してる。
 ……でも、たぶんタイピング界において「新配列系のよさが映える」のって、たぶんその間にあるボリュームゾーンなんじゃないかと思う。


 運指律速を完全無視すれば、どんな配列でも「ある一握りの人は」超高速入力が出来る……けど、それだけだと「なんか違う」気がする。

  • 4時間/日ずつ、とことんやれば、タイプウェルを19.9秒で打ち切れる(=692.31かな/分)ように設計された入力法。
  • 2時間/日ずつ、そうとうやれば、タイプウェルを30.2秒で打ち切れる(=456.93かな/分)ように設計された入力法。
  • 1時間/日ずつ、ある程度やれば、タイプウェルを60.4秒で打ち切れる(=228.45かな/分)ように設計された入力法。

がそれぞれあって、(運指律速について必要以上の訓練を行わなくても)がんばりに見合ったコピータイピング速度が得られるようになる……とかいうのが、配列屋が提案する「コピータイピング用配列」としての、あるべき姿なのかも、と思う。


 利用者さんには、何でもかんでも早いものを提案する……ってのはなんか変な話で、それぞれに「同じ運指律速のまま、動作手順の変更によってワンステップ上の速度を狙うためのもの」として紹介するほうが良いのかも。

  • タイプウェルで29秒前後から伸び悩んでる(=475.86かな/分)ヒトには、19.9秒で打ち切れる(=692.31かな/分)ように設計された入力法を試すように促す。
  • タイプウェルで45秒前後から伸び悩んでる(=306.66かな/分)ヒトには、30.2秒で打ち切れる(=456.93かな/分)ように設計された入力法を試すように促す。
  • タイプウェルで90秒前後から伸び悩んでる(=153.33かな/分)ヒトには、60.4秒で打ち切れる(=228.45かな/分)ように設計された入力法を試すように促す。

 各個人にとっての「コピータイピングに限った」最高速度って、たぶん「運指律速÷シフト打鍵時間率」で決まる……から、その人にとっての「今実現できているシフト打鍵時間率」に見合った動作手順(=入力法)をパッチ当てすれば、その人が「今もっている」運動能力を、最大限打鍵列へと変換することが出来ると思う。


 ……って、こんなことを書いていたら「ンなもん、(打鍵速度にばらつきのない)100%設定で打たなきゃ競技タイピングじゃないよ」とか怒られそうな気もする……のだけれど、ひとまず。
 #ちなみにこれ、シフト構造がシンプルな現JIS/新JISシリーズ(またはその派生配列)をターゲットに書いてます。