PureEVに限っては「差を全額」補償してやれよ……と思う。

(2020年には、電気自動車の比率を20%に――三菱自動車、「i-MiEV」を市場投入 - ITmedia ビジネスオンライン)

 PureEVの致命的な欠陥は「エネルギー蓄積効率が低い、電池というものに完全依存しなければならない」(から、HybridとかNonEVとかのエコカーに負けてる)ところがある……のだけれど、今はまだ悪循環の域を脱しきれていないように思う。
 HEVに使える電池であってもPureEVには使えない……というのと違って、PureEVに使える電池はHEVにもほぼ転用できるのだから、すでに軌道に乗り始めたHEVへの補助よりも「差別的に厚く」PureEVを保護してやるべだと思う。
 PureEVを保護することによって「電池」と「充電環境」の開発が徹底的に進み、結果としてPureではないEVにもしっかりしたメリットが得られる……けど、PureEV以外を保護したところで「電池」と「充電環境」の開発が徹底的に進んだりはしないから、そういうところの違いをきちんと差別化してあげなきゃ、うまく回らないような。


 PureEVが「市場に受け入れられるか?」というところはいまだに謎かもしれないけど、パッケージとしての「i-MiEV」と周辺充電環境を考えると、たぶん「街乗り用の選択肢として」きちんと普及するようになると思う*1
 今はエコカーというと「EVシステムを使わない、内燃系のものにも適用」されてる……けど、出力の制御を行う部分は「丸ごとEVシステムに置き換える」ようにして、内燃機関とかは「On/Offの2状態で動く、定出力発電方式」に移行してもらわないと困る気がする……ので、あくまでも個人的には「EVシステム」の部分に大きな補助を期待したい*2ところ。


 「他所の国では」PureEVが普及するかどうかは知らんけど、【近未来を先取りできるものに対する浪費行動が強烈な日本】なら、本体補助金以外の施策はなーんにもやらなくても、PureEVは普及すると思う。
 普通充電は自動車側からケーブルを延ばして「JIS C 8303 2極接地極付コンセント 20A250V」で充電して、急速充電は「3相200V・50kW」の充電スタンドから「各社向けのコードをいくつか引き出して、合うものを自動車側面にはめて」充電……と。
 早々に「急速充電スタンド用のソケット」を規格統一して*3、EVシステムを使うすべての車が、急速充電資源を共有できるようにする必要があると思う。


 とにかく、EVシステムという「バッファー」を、うまく使いこなしながら動く車の普及する日が、はやいところ来て欲しいです。

*1:今後の鍵は「緊急充電施設の整備」と「レンタカー」だろうな……。電気自動車は従来「特定地域で乗って、他では乗らない」スタイルなのだけれど、こいつを「都市圏ではPureEVに乗って、他にいくときにはレンタカーで」とかいうスタイルに転換していく必要があると思う。

*2:こういうところで「変態的なチューニング」を可能にして、かつそういうチューニング情報が「ネットワーク経由で地図情報とリンクし、他の車でも生かされる状態」にすると、【道路状態を先読みして、電池を切りきりまで使うか、あるいはさっさと充電するかをあらかじめ決められる】とかいう、従来では不可能だった制御もできる……と。電車が「架線」経由でやることを、自動車は「電池」経由でやらなきゃいけないから難しいけど、何もやらないのとは違って相当の効果が見込めると思う。

*3:三菱がどう考えてるかは知らんけど、「i-MiEV」の急速充電用ソケット規格は、さっさとJIS規格にぶち込むほうがいいと思う。ソケットがらみで複数社の規格が乱立するなんていう、ふざけた規格戦争がおきるのは、はっきりいって勘弁してほしいところなので。あと、今のうちに「3相220±20V・50kW」に対応開始してほしいかも。