(めも)当時の開発者グループは、厳しい開発競争にさらされながらも「期限までにできることは、きちんとやりつくした」のだと思う。
当時の開発者グループがやってきたことを、きちんと代弁できてるだろうか……というところに不安はあるのだけれど、とりあえずNICOLAフォーラムに書いてみた。
> > 昔のワープロ専用機では、あたりまえのように「シフト先押しによる、普通のシフト操作」も許容されていたようです……が、今はそれを再現できないようです。
>
> ワープロ専用機ってOASYSのこと指してます?
> 「シフト先押しによる普通のシフト操作」は,シフトキーと「はひふへほ」の組合せで半濁点を出すとき以外は許容されてません。
うーん……ワープロ専用機の中でも、機種によって、「ばらつき」があるのでしょうか。
(誰もが直せるはずの)「親指シフト - Wikipedia」では、専用機における親指キーの先行押下について、タイムアウトが行われない実装であったという記述がなされています。
また、(ワープロ専用機時代が下敷きになってる)「NICOLA配列規格書」では、「親指シフトキーの先行押下について、それを考慮するべき理由」がきちんと記されています。
さらに、あたらしい「日本工業規格(提案)」でも、親指キー押下中のタイムアウトについて「無視する実装を行っても良い」と明示されています( 5.4 同時打けんの判定 - (3) 親指キー押下状態 - (3.4) )。
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/kikaku.htm#0409
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/jisdraft.htm
実装「しなければならない」ものではないので、機種によってばらつきはある……のかもしれませんが、少なくとも当時の設計者は「なぜそれが必要なのか」を認識していたはずで、なおかつ「それを真面目に実装した」専用機も存在したはずです。
親指共用タイプでは、こういう実装をするのが難しい……ので、親指ひゅんQなどのエミュレータでは「同時打鍵の判定時間を調整できる」ように作っているのかな、と考えています。
#何年もかけて色々な方法を試したうえで「普通のキーボードにたどり着いた」当時の開発者グループが、ユーザビリティに関する基本的なところを見落とすとは、とても考えられないんですよね……。
親指シフトの配列部分がアレなのは「資源も期間も足りなかった、四半世紀も前の設計なんだから、仕方がないでしょ」と思う。
でも、アクセシビリティについては基本手を抜いてなんか無いし、その意思は「ソフトウェアにも、ハードウェアのカタチにも」きちんと現れてると思う。
親指シフトについて何かを語ろうとするのなら、「開発初期の熱気がきちんと再現されている、実働する機械」を相手に格闘しなきゃダメなのかも。
「配列がアレなのをきちんとカバーできるハードウェアがあった」と考えるよりも、順序的に「問題はハードウェア側でかなりクリアできるから、配列側にカリカリチューニングを施したりしなくても、問題なく製品化できると考えていた」……とみなすほうが、よほど自然なのかも。そして、その目標はきちんと達成され、しっかり一世を風靡した……と。やるべきことをきちんとやって、それに見合う評価を得たというのは、当たり前の話だと思う。
それに、事実として「専用機用キーボード」のシルエットは「美しい」ンですよね……それが曲がりなりにもFMV-KB232で「復活」したのだから、もうちょっと、そういうところを積極的にアピールしてもいいんじゃないかと。
2009年6月6日23:35:58追記。
……初期の機種は「普通にタイムアウトしちゃう」設定だったらしい……orz。
http://nicola.sunicom.co.jp/cgi/wf_begin/wf_b_forum.plx?no=1766&reno=1763&oya=1757&mode=msgview&page=0
むー……「初期の設計者は真面目にやってたんですよ!」ってゆーシナリオが、思いっきり崩れてしまってガッカリです。
困ったなぁ……当時からしっかりしてたのは「物理形状としてのキーボード」だけなのだろうか。
とにかくいいところを見つけてあげないといけない……というところなのに、こういう事実がぽろぽろと出てくると、なかなかフォローしづらいところが……むむむ。