選択樹にするべきか、あるいはポイント制にするべきか……。

 同記事で141Fさんから頂いたコメントを拝見して、確かに選択樹だけで全てを処理するのは難しいかも……と思い直してみたり。
 ただ、141Fさんの記事に「飛鳥カナ配列」「かえでライティあすか」を足すなら、単純にいけそうな……たぶん。


 それこそ、7番目の項目について「いいえorこだわらない」を選択した方に対して、9番目という項目を追加してそこに誘導して、以下のような問いかけをすればよいのかも。

9.覚えやすさ&忘れにくさには、特にこだわらない。

「はい、あくまでも性能優先で。」

 なら、確実にオリジナルの「飛鳥カナ配列」でいいよ。
 速度面での不安が払拭されてる安定版(21世紀-290版)を選ぶか、運指効率がよくなってるけどテスト暦の浅い最新版を選ぶか……は、「誰の意見を信じるか&何を重視するか」によって決めればいいのでは?と。

「いいえ、そこは重要です。」

 なら、とりあえずは「かえでライティあすか」をお試しいただければ……と。
 余裕で覚えることが出来たならば、オリジナルの「飛鳥カナ配列」へと移行することも考慮してみてください。


 ……ただし、さすがに6番目の項目(利き手に関する設問)については、私としても「かえでレフティあすか」を推す気にはなれないですね……。
 私が左利き(or左手のほうが器用に動く)であれば、こういうテストを真っ先に出来たはず……なのですが、残念ながらそういう構造を持ち合わせていないので、テストは出来ないんですよ……orz。
 「親指シフト系で左利き向け」という条件下では、私としても現状ではNICOLA(親指シフト)を推すのが妥当だと思います。


 ……そういえば「ポイント制」について書き忘れてた。
 これは「たくさんの評価軸を並べて、よく知られた配列(JIS X6002+JIS X4063ロマかな)を基準にしたポイントを、★印で示してみよう」という話。


 たとえば、フル規格のロマかなは↓のような感じだろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ★★★★★★★★★☆ PCとその周辺デバイス類ではデファクト・スタンダード
既習度 ★★★★★★★★★☆ 小学校のローマ字ルールが大体使える。
キー位置習得の容易さ ★★★★★☆☆☆☆☆ 片手配列&交互配列には劣るけど、習得法がマトモなら十分。
打鍵手順習得の容易さ ★★★★★☆☆☆☆☆ 既習度に支えられている場合は困難ではない(支えが無い場合は「単字入力方式」で練習することになるので、これには別途教材が必要となる)。
運指距離の短さ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより2倍長い(JISかな同等)。コンパクトなキーボードの使用で挽回可能。
操作動作の少なさ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより1.4倍(漢音多用)〜1.7倍(大和言葉多用)多くなる。
操作範囲 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 「ー」とカギカッコの位置がネック。他は特に問題が無い。
設計の新しさ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ JIS X6002かなよりは後輩。NICOLA(親指シフト)とほぼ同期。
かな系配列との共用性 ★★★★★★★★☆☆ 比較的混乱しにくい(他の行段系配列とは差別的に混乱しにくいという話もあり。かな系ユーザーが共用端末ではJIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力を使う……というのは、比較的よく見聞きする話)。
他のローマ字系配列との共用性 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 比較的混乱しやすい(他のローマ字系配列を「変形かな入力」のように扱ってしまうなど、運用上の工夫が必要となりそう)。
右手への依存度 □□□■■■■■■■ 右手の使用量が左手よりも2割多く、右利きにとって使いやすい方向にある。
左手への依存度 ■■■□□□□□□□ ↑の逆で、左利きにとって使いにくい方向にある。


 あるいは、ミニ規格(単字入力)のロマかなは↓のような感じだろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ★★★★★★★★★☆ PCとその周辺デバイス類ではデファクト・スタンダード
既習度 ★★★★★☆☆☆☆☆ 小学校のローマ字ルールがおおむね使える。
キー位置習得の容易さ ★★★★★☆☆☆☆☆ 片手配列&交互配列には劣るけど、習得法がマトモなら十分。
打鍵手順習得の容易さ ★★★★★★★☆☆☆ 構造が「単字かな系」と同じになるので、習得困難となる可能性が低い。
運指距離の短さ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより2倍強長い。コンパクトなキーボードの使用で挽回可能。
操作動作の少なさ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより1.5倍(漢音多用)〜1.8倍(大和言葉多用)多くなる。
操作範囲 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 「ー」とカギカッコの位置がネック。他は特に問題が無い。
設計の新しさ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ JIS X6002かなよりは後輩。NICOLA(親指シフト)とほぼ同期。
かな系配列との共用性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 「行段系単字かな入力」の扱いになるので、かな入力との混用は困難になる。
他のローマ字系配列との共用性 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 「行段系単字かな入力」の扱いになるので、他のローマ字入力との混用は容易になる可能性がある。
右手への依存度 □□□■■■■■■■ 右手の使用量が左手よりも2割多く、右利きにとって使いやすい方向にある。
左手への依存度 ■■■□□□□□□□ ↑の逆で、左利きにとって使いにくい方向にある。


 それから、NICOLA(親指シフト)は↓のような感じだろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 推計で数十万人規模……なのかな。
既習度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「ひらがな」は習ってますよね……というだけ。他に援用可能な技術はないと思う。
キー位置習得の容易さ ★★★★☆☆☆☆☆☆ 3段31キー+親指キーでカナは一揃い処理できるので、そう酷くはないと思う。ただし記号類を使うと重くなる。
打鍵手順習得の容易さ ★★★★☆☆☆☆☆☆ 基本は清濁同置なので、JISかな同等のコスト負担になると思う。
運指距離の短さ ★★★★☆☆☆☆☆☆ ロマかな&JISかなと比べて半減、飛鳥系よりは2.7割り増しくらい。
操作動作の少なさ ★★★★★☆☆☆☆☆ 親指シフト方式&単字かな系&同期打鍵方式」のこれを基準にして★5個にしてます。
操作範囲 ★★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3段31キー+親指キーだから、まぁマトモだとは思う……けど、キーボードは選ぶ&記号類は数字段なので、そのあたりは微妙。
設計の新しさ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ JIS X6002かなよりは後輩。JIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力とほぼ同期。
他のかな系配列との共用性 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 正直、私には無理でした(NICOLA→飛鳥では結構混乱した記憶も……)。
JIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力との共用性 ★★★★★★★★☆☆ ローマ字入力とはそもそもプロセスがまるで違うので、混用は容易になる可能性がある(ただしこれを「変形ローマ字入力」として使う場合は↓を参照のこと)。
他のローマ字系配列との共用性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ ここは「変形ローマ字入力」と見なして練習した場合を想定しています……その場合は、一気に共用性が下がるはずです。
右手への依存度 □□□□□□■■■■ 右手の使用量が左手よりも約5%少なく、若干右利きにとって使いにくい入力法になっている。
左手への依存度 ■■■■■■□□□□ ↑の逆で、左利きにとって使いやすい方向にある。


 ……そして、「かえでライティあすか」ならこうなる……だろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ たぶん、これを書いてるやつしか使っていません(苦笑)。
既習度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「ひらがな」は習ってますよね……というだけ。他に援用可能な技術はないと思う(インターフェースヲタクとしては「シフトキーを押している間はシフトし続ける」というのが、小指シフトと似た挙動なのを評価したい*1……のだけれど、ここでは評価しないことに)。
キー位置習得の容易さ ★★★★☆☆☆☆☆☆ 3段32キー+親指キーでカナ&記号類を一揃い処理できるので、そう酷くはないと思う。
打鍵手順習得の容易さ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 若干の規則性はつけているものの、かな90個+記号類を覚えるコストは、それなりに重いと思う。
運指距離の短さ ★★★★★☆☆☆☆☆ NICOLAより2割程度少ない(207版と似たような感じになるはず)。
操作動作の少なさ ★★★★★☆☆☆☆☆ 親指シフト方式&単字かな系&同期打鍵方式」なので、NICOLAと同じ。
操作範囲 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 3段32キー+親指キーだから、まぁマトモだとは思う……けど、キーボードは選ぶので、そのあたりは微妙。
設計の新しさ ★★★★★★★☆☆☆ ←無駄に新しいことが、唯一の取り柄なのかも(ぉぃぉぃ)。
他のかな系配列との共用性 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 正直、私には無理です。
JIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力との共用性 ★★★★★★★★☆☆ ローマ字入力とはそもそもプロセスがまるで違うので、混用は容易になる可能性がある(ただしこれを「変形ローマ字入力」として使う場合は↓を参照のこと)。
他のローマ字系配列との共用性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ ここは「変形ローマ字入力」と見なして練習した場合を想定しています……その場合は、一気に共用性が下がるはずです。
右手への依存度 □■■■■■■■■■ 右手の使用量が左手よりも約7割多く、かなり右手に依存した入力法になっている。
左手への依存度 ■□□□□□□□□□ ↑の逆で、左利きにとって使いにくい方向にある。


 ……さいごに、「かえでレフティあすか」ならこうなる……だろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ たぶん、だれも使っていません(苦笑)。
既習度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「ひらがな」は習ってますよね……というだけ。他に援用可能な技術はないと思う(インターフェースヲタクとしては「シフトキーを押している間はシフトし続ける」というのが、小指シフトと似た挙動なのを評価したい……のだけれど、ここでは評価しないことに)。
キー位置習得の容易さ ★★★★☆☆☆☆☆☆ 3段32キー+親指キーでカナ&記号類を一揃い処理できるので、そう酷くはないと思う。
打鍵手順習得の容易さ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 若干の規則性はつけているものの、かな90個+記号類を覚えるコストは、それなりに重いと思う。
運指距離の短さ ★★★★★☆☆☆☆☆ NICOLAより2割程度少ない(207版と似たような感じになるはず)。
操作動作の少なさ ★★★★★☆☆☆☆☆ 親指シフト方式&単字かな系&同期打鍵方式」なので、NICOLAと同じ。
操作範囲 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 3段32キー+親指キーだから、まぁマトモだとは思う……けど、キーボードは選ぶので、そのあたりは微妙。
設計の新しさ ★★★★★★★☆☆☆ ←無駄に新しいことが、唯一の取り柄なのかも(ぉぃぉぃ)。
他のかな系配列との共用性 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 正直、私には無理です。
JIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力との共用性 ★★★★★★★★☆☆ ローマ字入力とはそもそもプロセスがまるで違うので、混用は容易になる可能性がある(ただしこれを「変形ローマ字入力」として使う場合は↓を参照のこと)。
他のローマ字系配列との共用性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ ここは「変形ローマ字入力」と見なして練習した場合を想定しています……その場合は、一気に共用性が下がるはずです。
右手への依存度 □□□□□□□□□■ 左手の使用量が右手よりも約7割多く、かなり左手に依存した入力法になっている。
左手への依存度 ■■■■■■■■■□ ↑の逆で、左利きにとって使いやすい……のか?誰もテストしていないので、正直よくわからないのですよ。


 ……って、こんな感じであっているのかしら?
 とりあえずは「一般人な方は、一番上の【普及率】だけ見ればいいよ。」と言う感じ。それで満足できなかったら、下のほうにある項目がはじめて役立ってくる……とか、そんな感じの案内をする必要がありそう。

2008年11月30日20:39:54追記。

 とてもなやんだのだけれど、JIS X6002かなは↓のような感じだろうか。

評価軸 ★★★★★☆☆☆☆☆ 備考
普及率 ★★★★★★★★☆☆ デファクト・スタンダード、ただし「切り替え方法を知らない奴ら」がいると事情は異なる。共用PCには「ロマかな←→JISかな」の切り替え方法を書いた紙を貼っておかないと、「誤操作で」切り替わった場合にまで文句を言われる恐れがあるので注意。
既習度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 部分的に50音順を採用している。
キー位置習得の容易さ ★★★★★☆☆☆☆☆ 濁音の習得は「濁点」側を容易に覚えられる(かつての調査ではロマかなよりも即習性があったとか)。「目にやさしいキーボード」だと特に初期速度が出やすい気もする。ただし打鍵範囲が広いので、コンパクトではないキーボードを使うと、プロでさえも「端は運で打つ」要素が出始めるとか何とか。
打鍵手順習得の容易さ ★★★★★☆☆☆☆☆ 半濁点キーを除けば、超低頻度になる手順も無く、比較的習得しやすい。
運指距離の短さ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより2倍長い(ローマ字入力と同等)。コンパクトなキーボードの使用で挽回可能。
操作動作の少なさ ★★★☆☆☆☆☆☆☆ NICOLAより1.1〜1.2倍ほど多くなる。
操作範囲 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ キーボードを全体的に使うので、基本的に運指範囲は広い(が、部分最適化に近い考え方も見られるようで、実用上は「ー」の遠さが効く程度という場合も)。
設計の新しさ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ JIS系では最も古い。
ほかのかな系配列との共用性 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 正直、私には無理です。
JIS X 6002+JIS X4063ローマ字入力との共用性 ★★★★★★★★☆☆ ローマ字入力とはそもそもプロセスがまるで違うので、混用は容易になる可能性がある(ただしこれを「変形ローマ字入力」として使う場合は↓を参照のこと)。
他のローマ字系配列との共用性 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ ここは「変形ローマ字入力」と見なして練習した場合を想定しています……その場合は、一気に共用性が下がるはずです。
右手への依存度 □□□□■■■■■■ 基本的には「左手の打鍵量と、右手の打鍵範囲に負担をかける」方式……なので、手が痛くなるのは左手が先で、打鍵ミスは右手側が多くなるはず。一般的には打鍵ミスによるロスのほうが気になるはずなので、若干右利き寄りであると見なすほうが自然。
左手への依存度 ■■■■□□□□□□ ↑のような状況で、利き手が変わっても状況に変化は無いと思われる。

*1:私は「かえであすか」のロジックシフト方式として「同期連続シフト」方式ではなく、「タイムシフト方式」を使っていて、これで特に問題が起きていない……ので、「同時に押し離しするから使いやすい」という「親指シフト方式のけん盤配列において言われる、使いやすさに関する説明」というものを、正直あまり信じられなくなっていたり……そういう意味では、既に慣れ親しんでいる方が多い「小指シフト」に近似の挙動が使えることを評価したいのですが、話が非常にややこしくなる(配列によって事情が全く異なる)ので……このあたりは割愛することに。