馬は何で、鞍は何か。

(関連:“キー坊”にならなかったHappy Hacking Keyboard (1/2) - ITmedia エンタープライズ)
(関連:“キー坊”にならなかったHappy Hacking Keyboard (2/2) - ITmedia エンタープライズ)


 コンピュータにおけるインターフェースについて、私にとって「どこまでが馬で、どこからが鞍か」ということを考えてみよう……と思ったのだけれど、なんか変だな、と思った。
 当初は下記のように答えようと思っていました……「馬」と「鞍」の間として、どこか一箇所に線引きしよう、と。

×
領域 パソコン本体←キーボード← キーボード配列

 もともと「けん盤Wiki」の副題に「指に宿る記憶」なんてつけるぐらいだから、「キーボード配列は鞍だろ」と思っていた……わけです。


 ……でも、よく考えてもみると、何か違う。
 私はパソコンでは「たまたま」かえであすかを使っている……けど、前から似たようなことを言ってるように

  • かえであすかを私用ですら使えない環境になったら、他の配列を探してさっさと移行する。
  • かえであすかよりも「忘れにくくて覚えやすくて打ちやすくてイライラしない」ものがあれば、さっさと移行する。

……くらいに考えてます。似たようなことは、どこかでRayさんが飛鳥についても書いていたような。
 それに私の場合、自分のケータイでは「かえで携帯配列」を使いますし、ケータイQwertyキーボードでは「秋月かな配列」を使っていたことがあり、人様のケータイでは「かなめくり」をつかい、さらに仕事場ではQwertyローマ字入力を使い……とかいう感じで、とにかく使っているものがバラバラなんですよね……。
 私の場合は結局、「その場で一番使いやすいと思うものを使う、ただそれだけ」という感じですし。


 そう考えていくと、たしかに「指に宿る記憶=キーボード配列」だけれど、「鞍=キーボード配列」か?といわれると、何か全然違うような気がしてしまうんですよね……。
 正確に記そうとすると、私にとっての捉え方は、やっぱりこうなのかも。

×
領域 キーボード配列→キーボード
領域 パソコン本体← キー入力入れ替えツール
  • パソコン本体は消耗品。
  • キーボードも消耗品。
  • キーボード配列は消耗品じゃないけど、固定化されずに「よりよい手順へと、選んだり弄ったりして移行していく」もの。
  • 「キー入力入れ替えツールという考え方」は鞍。

 ……と、こんな感じだろうという認識でいます。


 パソコン本体は壊れたら買い換えるだけ。
 キーボードも壊れたら買い換えるだけ。
 キーボード配列は「自分にとってメリットのある、よりよい手を見つけたら、躊躇することなく乗り換える」だけ。
 でも、「キー入力入れ替えツールという考え方」そのものは、取り替えてどーにかなるようなものではない……だって、こいつは「改善のための土台部分」だから。
 ……と、ちょっとドライに見える気もするのだけれど、結局は事実上そう物事を扱っている自分がいたり。

……って、何故こんな変なことを考えていたのか、というと。

 自分で書いた【JIS原案「情報処理装置用キーボード配列」意見陳述書の提出について】を読み返していた……ので、たぶんこんなことを書いていたりするのだろうと思う。
 今になって読み返してみると、(致命的ではないところで)いくつかのバグが潜んでいることに気づいて、正直凹み気味だったり……orz。
 技術的な検討が為されることを期待して書いてみた……のだけれど、はたしてどうなることやら……。


 いずれにせよ、私個人としては「キー入力入れ替えツールという考え方」そのものが鞍として扱われる日が来ることを望んでいます。
 ロマかなだろうが、JISかなだろうが、親指シフトだろうが、M式だろうが、ナラコードだろうが、そのほかの入力法であろうが、分け隔てることなく「その人自身にとって使いやすい配列のままで」使えるようになれば、「配列が固定なのでキーボードを変えるしかない」という現状以外にも、もっと別解がもたらされるのではないかと……。
 かつて「グダグダの配列論争」が起きていた原因に【特定の配列だけが普及しなきゃいけないという妄想】があるのならば、そんなものをさっさとぶち壊すためにも、こういった考え方が必要なのだと思う。

……なんか違う。

× 手綱
領域 キーボード→キーボード配列 →キー入力入れ替えツール →パソコン本体

 ……なんとなく、こんな感じになりそうな気がしてきた。