頭と指がケンカするから配列がややこしくなる。物理鍵盤と直接接触するのは頭じゃなくて指なんだから、指が言うとおりに配字しなきゃ、何も決まらないよ。

 ちなみにこのタイトル、「んがなしあすか」配列と「んがなし携帯」配列*1の設計コンセプトです。
 この設計方針を採用するためには「ある種の割り切り」が必要なのですが、わたしにとってそれは「清濁隣置」でした……って、現実には「清濁近接」でしかないわけですが。
 【結構気に入って使ってる配列があるのだけれど、なんか微妙にしっくり来ないところがあるんだよね……】という場合、こういった単純方針に従って「指の力を信じて」「半月から一ヶ月くらいの短期決戦をするつもりで」がらがらと配列を弄っていくと、案外と「自分自身が使うために、かなりしっくり来る配列」が出来るのではないかと思っています。


 ……ただし、この方法は「かなり完成度の高い配列をベースにしないととても苦労する*2」ので、出来れば近年設計の「評価打鍵による微調整が行われてきたけん盤配列」をベースにするほうが良いと思います。
 それと、「(かえであすかの様に)オレサマ配列として作るのならば」評価打鍵のソースとして普遍的な文章を拾い集めたりせずに、もっと単純に「自分が持つボキャブラリだけを使って、普通に日記を大量記述する」ほうが、自分自身にとって打ちやすい配列というものを作るうえでは役立つと思います。
 現実的な問題として、指はしゃべってくれないんですよね……せいぜい「指が泳ぎまくる(位置を思い出せなくて悩む)」か「指が悲鳴を上げる(指が痛む)」ことによって問題に気づくだけなので、そのあたりのシグナルをどう感度良く捉えるかがキモになりそうです。


 ちなみに、むやみに配列を変えようとすると「迷走する」危険性があるので、短期決戦をするなら「○○配列と○○配列と○○配列のいいトコ取りを目指そう」などというかたちで、ある程度目標となる配列のことを想像しつつ作ってみると良さ気です。
 現実的にいいトコ取りになるかどうかは別として、目指すべき目標がイメージできれば、後はそこに向かって一直線!ということで。


 ……そういえば、これを書いていて思い出したのだけれど。
 「かえであすか」の運指特性は141Fさんの記事で丸裸になっているのですが、今更になって一つ気づきました。
 少し前に私は、以下のようなことを書いていました。

  • 上記パターンを元に「掌が動いてしまう3-gramのパターンについて、その中間打鍵部で打たれるキーが「なるべく中指の曲げ&小指と人差し指の伸ばしを使わずに打てるように」配列換えした」けん盤配列を作成する。

(from http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20080908/1220821623 )

 141Fさん解析による「かえであすか0.0」のグラフを見る限りでは、右手はほとんど弄ってないからそのままだけれど、左手側が「平行運指法をとったときの、左手側下段中指を嫌っている」んですね……って、これじゃ「かえで****あすか」で宣言した「下段外法運指法」で支障が出るじゃないか……全然気づかなかったよorz。
 中指は「強い上に長い」ので、下段も容易に叩ける……のですが、叩けるからといってそこに文字を置いてしまうと「中指と薬指はキートップの奥側に近いところ」がホームポジションなので、依存しすぎると「ミリ単位で計ったときに運指距離が長引いてしまう」という問題が発生しがちです。たぶん、そういったあたりから「せめて器用ではないほうの手については、中指下段を多用しないように設計されたのだろう」と思うのですが、このあたりは全然全く確証がもてないので、正直言って謎なままです……むむむ。
 #こんな調子なので、「かえであすかって、ホントに俺が作ったのか?」と悩んでしまうことが、たまにあったりします……いや、俺の「頭」が作たわけではないことは確かか。

*1:かえで携帯配列については「いただいたご意見を元に作成している」ので、厳密にはこの方針とぴたりと合致しているわけではありません。ただ、「配字表で書きやすいこと」というあたりは無視して「打ちやすさや連想しやすさ」を絡めつつ配字していったことは確かなので、結局は「指側を優先して設計した」といっても差し支えないだろうと考えています(そのために配列表現方法を別途考える必要がでてきて、そこで微妙に苦労した気はします……が、「目の前にある配字表の書きやすさ・読みやすさ」を優先して配字していたら、「かえで携帯配列」のような配列はそもそも設計できないわけで)。

*2:仮に自作配列をこの方法で調整しようとすると、ほぼ必ず「各配列の作者さんが既に通った道を、再び歩む」ことになるので、地獄をみる可能性が高いと思います……ゆえに、短期決戦で目標到達を目指そうとするのであれば、「既に評価打鍵による検証が済んでいる配列をお借りして、それをベースに改造する」ことを、個人的にはお勧めしたいところです。