【アンバランスAC100V→バランスAC100V変換用電源トランス】は実現可能なのかどうかについてのメモ。

(過去:音を悪くしているのは、「静電気」なのか、それとも「ノイズ」なのか……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:【アンバランスAC100V→バランスAC100V変換用電源トランス】メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:近い将来、オーディオ用途には「低圧配電系統における全段平衡電力転送」が【必須】になる……のかも。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:トランス自組メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)昼間よりも夜間の方が「音質がいい」のは、プラセボなのか、体調の問題なのか、それとも電源環境の問題なのか……。 - 雑記/えもじならべあそび)


 とりあえず、問題なのは「中点接地」という方法に対して、これを許容していない機器はないだろうか……と、そこがまず心配だった、と。
 ただし、「ベスト制御機器オムロン第17版」を読む限りでは、トランスを使わない「コンデンサインプット方式のスイッチング電源」であっても、中点接地を行った場合に特に問題になるようなところは発生しない模様。


 コンデンサインプット機器の場合、トランス+トランジスタによる一次側負荷がある(トランスインプット機器に対して、トランジスタがスイッチ素子として余計についている)のだけれど、その前段に「短絡コンデンサ→ノイズキャンセルコイル→2個一組の中点接地短絡コンデンサ」が絡んでいる、と。
 で、短絡コンデンサの片極が接地されていたらアウト……だと思ったのだけれど、そういう風にはなっていない。一次側で接地されているのは、あくまでも「2個一組の中点接地短絡コンデンサ」だけ。
 ただし、問題は一次側負荷が「トランスだけ」ではなくて、「スイッチ素子としてのトランジスタ」も一緒にくっついていること。
 要するに、「トランスの一次側+トランジスタ」の電位差中点*1に対してアース電位が来る……ので、今回作るつもりである【アンバランスAC100V→バランスAC100V変換用電源トランス】を使ったとしても、「トランスインプット機器ではうまくいくと考えていた、トランスが抱える微弱な漏電電流の相殺効果」は出ない(トランジスタが動作するたびに、トランスにかかる電圧が変わってしまう)……というところが、正直言って痛いところ。
 ……まぁ、仕方ないですね、この場合は。こういう機器に対しては「絶縁トランスの効力を発揮しづらい」ということなので、それに対してはまた別の対策が必要なのかも。


 そんなわけで、AC100Vで2線式をつかう限り、そもそもACの極性に依存して(音質に対する影響は出る*2にせよ)「安全性」が決まるような機器は製造できないのだから、これは当然といえるのかもしれないけれど……とりあえずはその点でほっとしていたり。
 それでも「へんちくりんな機器ではありえるかもしれない」というところは怖い……ので、そういった機器への対策としての「単相2線式用の漏電遮断器」は、結局必要になりそう*3


 あぁ、前日の休みは丸々無駄に終わってしまった……もったいない。

翌日0903追記。

 スピーカスタンドについては「崩した状態とまともにセッティングした状態」を対照で比較すればいい……のだけれど、トランスについてはそういう手が使えないので、「プロケーブルトランスとノイズカットトランスと普通の絶縁裸トランス」で比較する方向で。

2008年6月3日18:54:57追記。

 もしも見積もりが通りそうな場合、以下の部品を使うことが可能かどうかも問い合わせてみようと思う。
http://joshinweb.jp/pcsoft/817/4939325055661.html
http://joshinweb.jp/pcsoft/1969/4939325073108.html

*1:これはオームの法則によって、それぞれのパーツに対する電圧が決まってくるので、トランジスタの抵抗値が変動するたびにころころと「トランスにかかる電圧」が変わってしまう。

*2:これはインチキめいた話じゃなくて、「二次側巻線全体に近い側の一次巻線線端にAC100VのLiveが来ると、(今回の中点接地トランスで遮蔽しようとしているものと全く同じ理屈で)二次巻線へのノイズ伝播量が増えてしまう」という話。当然、電源ノイズが汚れていなければほとんど変わらないし、電源ノイズが汚れていれば汚れているほど差が出るわけで。一般には「極端にノイズに過敏なスピーカを使う」とか「極端にノイズに過敏な人が聞く」という場合以外では問題は起きないはずなのだけれど、これはすべて「電源環境にも依存する」というのが厄介なところ。

*3:いや、中点接地でなくても、2次側には結局つけてやらないとダメなんですけどね……特に中点接地方式では【絶対に省略不可】という状況になるので、その分重要性は高くなると思う。