【椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!】を正しく読み解くために必要な知識。

椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!

椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!

 ……この人の本は、なんというか「根拠が見える化されていない」ところがとても惜しい……という感じ。
 いや、まだ途中までしか読んでいないのだけれど、この調子で全部が書かれていれば、ちょっと厳しいかなぁ……という気がする。
 #同氏著書に対するamazonでの評価がメチャクチャなのは、たぶんそういうところが原因だと思う。

おそらく、予備知識として必要なもの。

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

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会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール

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2分以内で仕事は決断しなさい

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「残業ゼロ」の仕事力

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非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣

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すごい「実行力」 (知的生きかた文庫)

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短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

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「やる気を出せ!」は言ってはいけない ~行動科学で見えてくるリーダーの新常識~

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トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系

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トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

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大野耐一の現場経営

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実践!!IT屋のトヨタ生産方式

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見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

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ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術

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現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件

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最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術

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人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

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第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

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誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

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この本はどういう人が読むべきか。

  • B型本とA型本を読みまくって(←ここ超重要)、何をどう採用すればよいのか、わけがわからなくなっちゃった……という、消化不良で悩んでいる人。

この本はどうやって生かすべきか。

  • 「意識系」を全部「仕組み系」に変えて適用する。
    • この本は基本的に間違っていない*1。ただし、低ストレスな「仕組み系」でできることを、わざわざ高ストレスな「意識系」で改善しようとしている部分があり、それが働く人にとって無意味なストレスとなる可能性がある……その部分だけを意識して「仕組み系に変換しながら」読み取っていけば、まず問題はおきないはず。
  • この結果は「たまたま」もたらされたわけではない。だから同じところをゴールにする価値がある。ただし、同じやり方をまねようとして「押しつけ」るというのでは、そもそも本書の考え方を正しくトレースできていない。

*1:たとえば「椅子をなくせ!」についての例外条件が明確に示されているところ。椅子がらみで「目的と手段を取り違えていない」記述を見たのは久しぶり。もっとも、ホントのWin-Winな状況は「立つことによって作業効率がよくなり、結果として年間拘束時間が短くなる」ことでしかもたらされないから、このあたりの目的と狙いの定め方を間違えると「ろくでもない労働強化」に終わってしまうところは厄介なのだけれど。