近い将来、オーディオ用途には「低圧配電系統における全段平衡電力転送」が【必須】になる……のかも。

(過去:トランス自組メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「二次側中点接地式の絶縁トランス」は、別のところに発注しないとダメ……ということ、らしい。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:今回見積もり依頼をしている「二次側中点接地式の絶縁トランス」は、いったい何のために作ろうとしているのか。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:「却下されることを前提で」トランスやさんに見積もり依頼を出してみた……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:(メモ)昼間よりも夜間の方が「音質がいい」のは、プラセボなのか、体調の問題なのか、それとも電源環境の問題なのか……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:プロケーブルトランスとプロケーブルスタンドを検証用に買おう……と思ったのだけれど、前者は保留に。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:銀メッキ線と音の焦点に絡む、しょーもないメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:電源トランスメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……まー、一種の冗談、ということにしておきたい、のだけれど。
 今後「PLC」や「UWB」などが普及してくると、今は「電源ラインに隣接近接したマイクロホンケーブルのみで使われている」ような、いわゆる「QUADタイプ」の配線材料が、電源系ケーブルでも必要になってくるのかも。
 ……で、QUADタイプのケーブルが「20dBの飛来ノイズ遮蔽能力相殺能力」を発揮するためには、そこに流れる信号が「平衡伝送」でなければならない……とすると、結果として【100V系については、200Vからダウントランスで落とした、中点接地100V給電】が必要になるのかも、と。


 「6600Vの3相」がかかっている「柱上トランス間の高圧配線」については、家庭へと配電されるときに「柱上トランスによって、電圧が1/33に落ちる(≒30dB強のノイズが圧縮される)」から、まだいい……のだけれど、いったん単相3線200Vに落としてしまうと、あとは電源線に乗ったノイズが乗りっぱなしになってしまう。


 ……で、こうなると、以下のような御伽噺が、本気で問題になるのかも。

 元々アナログ半導体アンプは、「高いダンピングファクタ内部抵抗値」を見かけ上押さえるために負帰還を掛けまくるのだけれど、オーバーオール負帰還を掛ける時の抽出点は「安定化電源を通っていない、簡易デカップリングのみが施された電源段から電流供給を受けているトランジスタ一組の中点」だったりする。
 これはコスト的な問題&NFBを掛けるからノイズについて無視してよいという考え方でこうなっている……のだけれど、デジタルアンプのなかでもコストをかけまくっているSONY製アンプでは、電源段まで完全定電圧化した電源を使っていたりする(このあたりは「かないまるのホームページ」がとても詳しい)。
 ということは、オーバーオール負帰還線に乗っかる信号というのは【増幅した後の音声信号+スピーカからの逆起電力(がケーブルでなまったもの)+電源段のてきとーデカップリングで取りきれなかった電源ノイズ】になる。
 このいろんなものがごちゃ混ぜになったものが、初段増幅段のネガティブ信号として使われる……のだけれど、初段はこの信号を「理想的な状況で受け取ることができる」というわけではなくて、基本的にこれがアンプである以上は「スルーレートの制限から逃れることはできない」という事情が出てくる。
 普通のAC100Vステップダウンなトランスでは厳しいノイズを取ることができない……というのは http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Power.htm にあるとおりで、もしもアンプの中身に「普通の音声信号を処理するだけのスルーレートしか確保していない」初段増幅段があったりすると(ってゆーか、普通はそんなもんだと思う)、こんな電源ノイズが「簡単なデカップリングと普通のトランジスタ」を経由して初段にぶち込まれては、せっかく音声NFB用として確保していたスルーレートが「電源ノイズを消すために使い切られてしまう(下手をすると電源ノイズすら処理できない)」可能性が出てくる。
 スルーレートが不足すると、正弦波の波形再現ができずに「角速度の早い部分(特にプラスマイナスゼロを横切る直前)できちんとした波形再現ができず、立ち上がりや立下りが遅れてしまう→本来無いはずの倍音が発生してひずみとなってしまう」ことになりかねない。
 「ステップダウン絶縁トランス」は、「負帰還によってノイズを無理やり排除しているアンプ」の初段スルーレートをムダに使ってしまう要因になる「電源ノイズ」を、少しでも多く除去するために役立つ……のかも。
(from 銀メッキ線と音の焦点に絡む、しょーもないメモ。 - 雑記/えもじならべあそび )


 ……このあたりは、もうすこし様子見、かなぁ……。


 とりあえず、「200V不平衡受け*1→100V平衡送り出し」が、そう遠くない未来に標準になりそうな気がする。
 あと、「MOGAMI2534の容量を大きくした、同構造の電源ケーブル」も、そのうち出てくると思う。




 既製品のトランスを使うと、上記のように「100V不平衡受け→100V平衡送り出し」しかできないみたいなのだけれど、そのうち「200V不平衡受け→100V平衡送り出し」を可能にするようなトランスも出てくるのかしら?
 とりあえずは、【トランス自組メモ。 - 雑記/えもじならべあそび】のやり方で「100V不平衡受け→100V平衡送り出し」をテストしてみて、「そもそも、まともに使えるのかどうか」というところ──【今回見積もり依頼をしている「二次側中点接地式の絶縁トランス」は、いったい何のために作ろうとしているのか。 - 雑記/えもじならべあそびの考え方が正しいのかどうか】──から確認してみないと。

 

*1:元が平衡じゃないから平衡受けはムリ、ムリに平衡受けすると一次側がオートトランスとして働いてしまってトランスにひどい負荷がかかる。