昨日のメモの続き。

(過去:メモ。 - 雑記/えもじならべあそび)


 認知ミスを減らすためには……うーん、「massangeanaさん方式の打鍵数計数」+「ぎっちょんさん方式の運指距離積算」+「なにか」=「アクション数基準方式の打鍵数計数」+「ぎっちょんさん方式の運指距離積算」+「なにか」になる……のかなぁ。
 等号の左は「非同時打鍵系配列を使う人にとっての打鍵コスト」で、等号の右は「同時打鍵系配列を使う人にとっての打鍵コスト」と。
 ある特定の配列を対象とする限り、「同時打鍵系配列を使う人から見た場合」と「同時打鍵系配列を使わない人から見た場合」というふうに視点が変わったとしても、現実的なコストは同じじゃないと変(≒その人にとってどうか、という話ではなくて、客観的に見てどうか、という視点で見たときの話)。


 「なにか」の部分は不明なものの、ほかの2つのコスト算出コンセプトは「基本的には客観化できうる強固なもの」だから、ここから「主観として議論のネタに使われてしまう可能性があるもの(……って残ってるのかなぁ)をうまく切り取る」ことができれば、一応そのまま使えるはず。
 うーん……同時打鍵って、「(親指シフトの場合は)運指量は増やさずに、打鍵数だけが増える」という方向性を狙って設計されたのかな?


 ロマかなを基準にするなら全部打鍵数換算に直すほうが自然だし、親指シフトを基準にするなら全部アクション数換算(指絡みせずに打ち切れる、擬似同時打鍵可能なパターンをアクションと看做す)に直してしまうほうが自然だと思う。
 で、どちらにせよ運指距離についての測定方法をうまく明確化する必要があって……と。
 運指距離を計算するときのポイントは、「ステノワード(スピードワープロ)の運指距離がゼロにならず、平面的ではなく立体的な運指距離を、正しく測れること」が必要条件になりそう。


 ……もっとも、「客観的な良し悪し」が出たところで、それが「主観的な良し悪し」には結びつかないから、そのあたりをどう表現するかというのは面倒なところ。

  • 乗り心地のよさに金を掛けたいと願う「高級車を提案すべき」人に対して、F1マシンを提案するなんてナンセンス。
  • 空間の広さとドライビング性能を両立させたいと願う「スポーツワゴンを提案するべき」人に対して、マイクロバスを提案するなんてナンセンス。
  • 低燃費で取り回しのしやすい車を欲する「コンパクトカーを提案するべき」人に対して、いわゆる高級車を提案するなんてナンセンス。
  • 加速時のエンジン音が好きでたまらない!という「スポーツカーなどの車を提案するべき」人に対して、いわゆるハイブリッドカーを提案するなんてナンセンス。

……といった感じで、けん盤配列にも似たようなところがありそうな気がする。

  • どんだけ練習が必要でもいいから打鍵数を減らしたい!という、スピードワープロなどの速記系を提案すべき人に、ロマかなを提案するなんてナンセンス。
  • 漢字はカナ漢字変換任せにしたくない!という、漢字直接入力や「風」などを提案すべき人に、非漢字直接入力系を提案するなんてナンセンス。
  • 1モーラ≒1アクションじゃないとヤダ!という、「姫踊子草入力法」や「下駄配列」などを欲する人に、1モーラ≠1アクションな入力法(たとえば親指シフトとか……ってゆーか、ほとんど全部じゃンか)を提案するなんてナンセンス。

 このほかにも、シフト機能キーの押し方を「プレフィックス&ポストフィックスで処理したい(ロマかななど行段系・JISかな系の濁点&半濁点・逐次打鍵中指シフト系など)」とか、「文字キーと同期して同時打鍵したい(NICOLA・小梅・下駄配列など)」とか、「文字キーとは非同期で押したい(新JIS・TRON・飛鳥・龍配列など)」とか……まーいろいろと好き好みがあるわけで。


 こういった「俺は○○のやり方が好みだから、その範囲で客観的に見て効率のよいものが欲しい」という話が(仮に)出たときに、「○○ではないやり方」の中から客観的に見た話を突きつけてしまうのはナンセンスで、どう考えても「そもそも○○ではないやり方は俺には合わねぇンだよ!」という答えが返ってくるのは決まっている……と。
 たとえば親指シフトをやってみて、「同時打鍵はいいけど、なんかなぁ……」という話が出た場合(=かつての私の場合)、同時打鍵以外にも生かしたいものがあるのかどうかで、次に選べそうな選択肢はだいぶ違ってくるし。

  • 「連続的なシフト?いや、同期して同時打鍵できなきゃツライよ。」となれば、飛鳥は明らかに対象外。
  • 「連続的なシフト?そのほうがラクかも。」となれば、飛鳥は十分対象になりそう。
  • 「親指キーでシフトってのがヤだ。同期した同時打鍵でほかに何かないの?」となれば、下駄や姫踊子草が。
  • 「シフトのやり方も句読点の位置も気に入ってる。でも文字配列が……」となれば、ここは明らかに小梅の出番。

……とかいう風に、「客観を語る以前に考慮しなきゃいけないところもある」から、結局は【何のために客観的測定を行うか】ということそのものを、きちんと定義してやらないといけないのかもしれない。


 「本当に効率がよい入力法」に、みんなが統一しなきゃダメ……という意味で【客観的測定】をすれば、それこそ速記系か漢直系のどれかがトップになるのは目に見えているわけで。
 ……でも、それじゃ使いこなせないよ!っていう話が出てくるのは決まりきっている、と。
 そうすると、【客観的測定】をする理由として「日本語を使う【世間様】にとっての理想の入力法を探すため」なんて理由を持ち出すのはナンセンス。


 うーん……個人的には

  • 1時間の簡単な練習で、フルスピードが出せます。
  • 1年間使わなくても忘れません。
  • 24時間フルスピードで使っても指が痛くなりません。
  • ものぐさな私でさえも満足できるぐらいに省運動性能を確保しています。
  • その辺に転がっている標準品のキーボードで快適に使えます。
  • その辺に転がっているノートPCのキーボードで快適に使えます。

という入力法があれば、今からでも「かえであすか」から乗り換えたいのだけれど、まーそんな入力法はないわけで……。
 こういったところも【客観的測定のための測定軸】に含めていく必要はありそう。


 練習時間については、増田さんの推測にあるとおり「覚える手順数が同じなら、習得にかかる時間も同じ」という壁がある。
 増田式の「ロマかな」テキストと「親指シフト」テキストは、まったく同じ時間を掛けて、まったく同じトップスピードを出すことを目指して作成されているし。
 この壁を飛び越えるためには「50音順」化が必要……なのだけれど、それをやってしまうと今度は指に対する負担のバランシングが難しくなってくるし。
 ……配列設計って、ほんとむずかしいですよね……って、小改定しかやってない俺がそんなことを堂々と言ってていいのかと(略)。