【「やる気を出せ!」は言ってはいけない ~行動科学で見えてくるリーダーの新常識~】を読了。

「やる気を出せ!」は言ってはいけない ~行動科学で見えてくるリーダーの新常識~

「やる気を出せ!」は言ってはいけない ~行動科学で見えてくるリーダーの新常識~

 ええと……正直言っていいのかしら。
 一言で本書の感想を述べることが許されるのならば、まさに

 先手を打たれたッ!!!先を越されたッ!!!

という感じですね……私が書きたかったことを、ものの見事に全部書かれてしまっているような^^;。


 リーダー経験がある人にとって、本書の記述で納得できないのは、たぶん「罰やペナルティはほとんど使わない」というところだけだろうなぁ……と思うのだけれど、罰やペナルティがなぜ必要ないのかという点については、

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

をご覧くださいな、という感じで。
 それらが「必要ない」どころか、そもそも「罰やペナルティに効果があると感じること自体が迷信」だとバッサリですよ。しかも、その理由がきわめて明確に示されているというオマケまで付いていたり。
 もちろん、今回読了した本では「叱ることそのもの」を否定しているわけではない……のだけれど、それについては本書のpp.122-123をご覧くださいな、ということで。


 「成果ではなく過程を見よ」という点なども含めて、おもわず昔書いた【愚痴を言うよりも、改善ネタを考えるほうが楽しい。 - 雑記/えもじならべあそび】などを思い出してみたり。
 ドナルド・A・ノーマン氏による

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

とも根っこがリンクしている雰囲気があるのではないかという気にもさせられて、そういうところにも思わずにやりとしてみたり。


 全体的に◎……いや、花丸をつけたいぐらい。
 もっとも、唯一「校正不足ッぽい(推敲不足じゃないよ)ところが散見される」のは気になるのですが……次の版ではきちんとp.106(3)とp.124(2)を修正しておいて欲しいです。


 ……それと、この本のpp.128-129から、

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

を、おなじくp.143から、
リーダーのためのとっておきのスキル

リーダーのためのとっておきのスキル

を、それぞれ参照しているので、これらも一緒に買っておくほうがいいかもしれません。
 ただし、2冊一緒に買えばamazonの送料無料扱いになります……ゆえに、あとから購入というカタチでもいいのかも?
 もっとも個人的には、即時的に読めるほうが良いと思う(ハイパーリンクに慣れている人なら尚更に)ので、あらかじめ買っておくことをお勧めしたいところです。