メモ。
4月6日(日)24:55〜25:50、日テレ1、NNNドキュメント’08。
多数の元日本兵が記してきた「膨大な現場日記」を追いかけていって、記憶のブレを排除し「南京大虐殺の実像」*1を引きずり出した話。
この凶行が「12月16日」「17日」に行われたことが記録から判明していて、さらに「18日」についての調査を開始した……というところまでが放送されていた。
南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち :第十三師団山田支隊兵士の陣中日記
- 作者: 小野賢二,藤原彰,本多勝一
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「記憶よりも記録」という話は仕事でも耳タコなほど聞かされている話だし、
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歴史は繰り返す……とはよく聞く話なのだけれど、悪しき歴史を繰り返さないためには「歴史を学ぶ」ことが必要だと思う。
そして「歴史を学ぶ」ためには、そもそも学ぶべき歴史が「可能な限り正確であること」が、どうしても必要になってくる。
可能な限り歪の少ない歴史を胸に刻み、可能な限り永遠に近い期間にわたって「悪しき歴史を繰り返さないという信念」を持ち、そしてその信念をカタチに変えて実践し続けること……それが、現在を生き、そして未来を生きていくであろう私たちにとってできる、唯一の償いなのかもしれない。
たとえこれから何世紀かを経て、歴史の生き証人が誰一人としていない時代が来ようとも、その「想い」を伝え続けること……それを果たすためにも、引き続き調査が続けられ、そしてより真実に近づいて欲しいと思う。
こうして「真実を掴もうとして必死に調査するという執念を持つ方」が、もしも仮にいなかったとすると、そもそも真実が「あいまいなまま」になってしまったかもしれない……と思うと、背筋が凍る思いがする。
……俺にできることは、ただ「真実が見つかることを祈る」*2事しか出来ないのだけれど、いまはそう願わずにはいられない。
*1:2008年4月7日12:10:44追記……忘れないうちに書いておきたいのだけれど、そもそもこの凶行が起こった原因は「現場兵でさえも食料にありつけない状態だというのに、捕虜が発生することが分かり切っているも同然の攻撃を仕掛けてしまった」ことから始まっている。捕虜として収容したところまでは戦争というシステム自体が生む状況だから仕方がない部分があるにせよ、「捕虜に対して食料を配給することすらできなかった」ことが引き金となって、この結果を生み出してしまった……という、あまりにもひどい話だった様子。詳しいところは書籍の記述を追いかけてからじゃないと解らないけれど、もしも仮に現場が「見えて」いれば、これほどひどい惨劇を引き起こしたりせずに、そもそも撤退するしかないということに予め気づけた可能性もあるのではないか……と思いを巡らせてしまい、とても胸が苦しくなった。
*2:2008年4月7日12:38:40追記……本件に関しては未だに、「現在進行形で」解釈が揺れまくっている……というところは、はてなダイアリーキーワードやWikipedia経由で知ったのだけれど、「私自身が一次資料をひっくり返しまくって調査しているわけではない」という事情から、私自身としては「どちらの立場に立つか」とかいう表明はしないことにしています(というか、引用物や孫引用物などから真実を読み解くというのは、ほとんど無理だと感じていますので)。個人的には「行為者側であってかつ現場の人間が書いた記述」がもっとも真実に近いのではないか……と推測しているのですが、これはあくまでも推測の域を出ない話ですし。