ビジネスの“常識”を疑え! (PHPビジネス新書)を読了。

ビジネスの“常識”を疑え! (PHPビジネス新書)

ビジネスの“常識”を疑え! (PHPビジネス新書)

 ……タグに「これはひどい」とつけたのは、なかばジョークも絡んでいます。
 タイトルからして「ケーススタディを疑え」と言い換えてもいい話なのに、中身はことごとく「特異例のケーススタディ」になっていて、中では「(学生は)本を読むな!」と言ってみたり、そうかと思えば「ケーススタディは学ばなければならない」とか「歴史は繰り返す(注:酷い意訳です)」とか書いているかと思えば、「ケースはあくまでも過去、今適用できる保証なんてない」とか「自分で考えろ!」とか……。
 どんだけツンツンなんですか……orz。


 少なくともこの本、新書価格で出ている割には「本をあまり読んだことがない方が、いきなり読むに向いている本……ではない」という、とても厄介な代物だったりします。
 この本のターゲットは、もろに「本を読みすぎて頭が凝り固まっている人に対して、ガツンと効く薬がほしい」と思っているような人。
 ……とすると、書籍の価格はそれこそ1000円を越えるあたりにして「もう少し読者を絞る」方向に置くほうが良いのではないかな……とか思ってみたり。


 この本を読むなら、遠藤氏の本を何冊か読んだ上で、「なぜこの人の言っていることは統一性がないのだろう?」と思ったときに、始めて手にするべき本だろうなぁ……と思いました。
 「現場がまったく同じということはないから、結果として何もかもが異なってくる」という、そういう理解をしたくなったときに読むと良いかな、と。
 ……読み手をかなり選ぶ本だと思います。