トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系をつまみ読み中。

(過去:元トヨタ基幹職が書いた 全図解トヨタ生産工場のしくみ)
(過去:クォリティ管理の鉄則。)


トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系

トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系

 570ページにも及ぶ大作なので、予備知識なしにいきなり読むと、たぶん頭が痛くなると思います。
 実は私、今はまだ(時差ぼけ気味の状態なので)pp.153-182しか読んでいないのですよ^^;。


 ただし、「現場での実戦経験を元に書かれた本」とはちがって、学者さんのスタンス全開で「抜け目なく、網羅的に」書かれているらしいという点が伝わってくる、とても興味深い書籍です。
 冒頭部を読んでいると、どう見ても傲慢にしか見えない気がしていた……のですが、この本については「前書きに偽りなし」と言い切れそうです。
 この本もまた、「トヨタ式改善術」におちいることなく、しっかりと「トヨタ式改善道」を地でいっていますね。
 こういう「キッチリ調査し、よく考察して書く」というスタイルは、かなり

文字符号の歴史―欧米と日本編

文字符号の歴史―欧米と日本編

に似ているなぁ……と感じました。


ひとまず、トヨタ式がらみで本を読む順序としては、今のところ次の順序をお勧めしてみたいところです。

導入編。

マーフィーの法則―現代アメリカの知性

マーフィーの法則―現代アメリカの知性

続・マーフィーの法則―現代日本の知性

続・マーフィーの法則―現代日本の知性

 マーフィーの法則
 全てはたぶん、ここから始まります。
 ユーモアとアイデアには同根の性質があるのかも知れず、こういうところが意外と重要になるかと。

概念編。

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

大野耐一の現場経営

大野耐一の現場経営

 「トヨタの未来を運命付けた偉人」などと表現するよりも、「筋の通った町工場のおっちゃん」だと思って読んでもらうのがベターかも。
 意外と、大野さんに近い考えというのは(少なくとも部分的には)共感できる……という話が出るでしょうし、もしかすると職場の中からそういう気質の方が「発掘」されるかもしれません。
 そのまま適用するのは難しいところがあるかもしれないとしても、「概念」としてはとても重要ですし、読みやすさも◎なので、この段階でお勧め。

実践編。

全図解トヨタ生産工場のしくみ

全図解トヨタ生産工場のしくみ

実践!!IT屋のトヨタ生産方式

実践!!IT屋のトヨタ生産方式

 前者はブルーカラーが先に、後者はホワイトカラーが先に読んで、あとからもう一方を読むとよいかと。

(ここから2008年3月19日0:57:24追記)青本系についてはそのままなのですが、白本系については以下の書籍に差し替えるほうが良い場合があります……というか、非プログラミング職場であれば、たぶん差し替えるか両方読むかするほうが良いかと。

最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術

最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術

(ここまで2008年3月19日0:57:24追記)
(この行は2008年4月3日22:26:31追記)しばらく考えたのだけれど……たぶん、この白本2冊は「一緒に読むと効果が3倍になる」気がする。それぞれ補完関係にあるので、無駄になることはないと思う。

まとめ編。

トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系

トヨタ プロダクションシステム―その理論と体系

 ここまでの書籍について理解し実践してくれば、本書の内容を「重い」とは感じずに「示唆に富む」と感じるはずだと思います。

オマケ編

 トヨタの「(報道やら裁判などで指摘されている)ダメな点」を真似しても仕方がないので、いかによい点を選別して吸収していくか……というところが、どうしてもはずせないポイントになると思います。
 そういう意味では、巷にあふれている「コミュニケーション本」が、とても役立つはずです。

ロジカル・シンキング (Best solution)

ロジカル・シンキング (Best solution)

 ロジック的なところではこの本が役に立つはず(ただし私はまだ読了していません)。
パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

 こういった本は「マーフィーの法則」並に役に立つかもしれません。
 あるいは、どこぞの精神科医が書いている本でもよいでしょうし、もしかするとこういうものが役立ったりもする……のかもしれません。
 勝間さんばりに「15万円/人・月もの本代を使う」なんてのは無理だとしても、何人かで分担してリサーチするとか、いろいろと解法を探して「常に内と外にアンテナをめぐらす」ということも必要になってくるのかもしれません。

トヨタ式関連本を読み漁ってみた感想。

 とりあえずは「あたりハズレが激しいなぁ……」というのが、主たる感想。
 ひどい本は中身がすっからかん(というか、方向性が違う)だったりするので、一冊だけ読んでどうこう判断しようというのは無理がありそうですし、近い分野や「一見何の関係もなさそうな分野」に思わぬヒントがあったりすることもあるので、なかなかパッと目的に合う本を見つけるのは難しいのかもしれませんね。