手持ち用マイクロフォンに関する小ネタ。

 紅白におけるマイクロフォンの持ち方を、読書の合間にチラ見しつつ……
  【グリルボールの直下を持つんじゃねーッ!】
と思わず何度か叫びたくなったり。
 えーと……マイクロフォンは、ある程度下のほうを持ちましょう。
 グリルボールの手元側半分というのは「飾りでああなっている」わけではなくて、「マイクで拾いたくない音を手元側半分から取り込んで、声が入ってくる上側半分からの音と相殺する」ためにあります*1
 カラオケで頻繁にハウリングを起こしていたり、「なんか変な声になるなぁ……」と感じた場合、マイクの胴の下半分ぐらいを持つようにしてみましょう……意外と通る声として拾ってくれる可能性が上がるはずです。

*1:周辺の音は上と下の両方から入ってきて、これらは波の向きが逆になるので相殺されます。声は主に上から大きく入るので、ほとんどキャンセルされずにマイクロフォンで捉えられます。こういう作りにすることによって、特定の方向からの音だけをメインで拾う……という「単一指向性」を作り出すわけです。ハウリングした場合、マイクロフォン全体を覆い隠してしまうと、この方向選択性が無効になってしまい、かえってハウリングがひどくなります……ので、マイクロフォンの下を持つように持ち替えて(これで選択性が効き、たいていはハウリングが治まる)、それでもダメならスピーカの発音方向と直角に近くなるように、マイクロフォンの向きを変えてみましょう。このあたりについてはPA入門本に詳しく書いてあるので、その手の本を読んでみると面白いかもしれません。