読書メモ。
日本語文法の謎を解く―「ある」日本語と「する」英語 (ちくま新書)
- 作者: 金谷武洋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/01
- メディア: 新書
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- 主語が存在する言語から、主語が存在する言語への逐語機械翻訳は可能である。
- 主語が存在する言語から、主語が存在しない言語への逐語機械翻訳は可能である。
- 主語が存在しない言語から、主語が存在する言語への逐語機械翻訳は不可能である(翻訳のたびに、主語を推測または手作業指定する必要がある)。
- 主語が存在しない言語から、主語が存在しない言語への逐語機械翻訳は不可能である(翻訳のたびに、主語を推測または手作業指定する必要がある)。
……ということなのかも。
日本語をほかの国の言葉へと翻訳する翻訳サイトはたくさんあるけれども、【始めに翻訳を指示すると、仮の翻訳結果と選択肢を出して、選択肢を選んでから再翻訳すると正規の翻訳結果が出てくる】というシステムを採用しているところはないんですよね……。
三上/金谷論を用いた翻訳システムを作ってみて、実際に使い物になるかどうかを試してみる!というベンチャー企業(あるいはコミュニティ)でもいれば、だいぶ違うのかもしれない気がする。
少なくとも、この書籍のままに中間言語の仕掛けを検討するとなると、
- 主語と述語の関係が常にあり、実際の言語として使うには冗長すぎるぐらいに説明的な言語であること。
が、機械翻訳用の内部処理で使う中間言語にとって扱いやすい仕掛けとなるのかもしれない。
もっとも、日本語的に処理したとしても、変換エンジンがそれに対応してさえ要れば問題ない……という見方もできるのだけれど。
実際に中間言語を作るとなると、どちらの考え方が「より構造として簡素かつ強固になるか」というあたりは、検討するだけ無駄(処理系を作る作り手にとってわかりやすいほうが良い、というだけの話)なのかも。