同じ「英文タイプライタのように打ちたい!」要求から生まれた親指シフト系配列でも、設計者によって結果が異なるのはなぜなのだろうか。


 「英文タイプライタのように打ちたい!」という発想から生まれた……というのは、もともと親指シフト(NICOLA)での設計時に上がっていた話、と。
 英文タイプライタは「1回操作すれば1文字出る」ので、これとまったく同じように日本語電子タイプライタでも「一回操作すればかなが1文字出る」様にしたくて、「同時打鍵」と「親指位置キーによるシフト」を乗せた、親指シフトキーボードという代物ができた……と。
 Dvorakの成果を参考にした、というくだりがあったから、Qwerty英字入力(あるいはQwertyローマ字入力?)については「継承はする。でも参考にしない。」という感じだったのかも。


 で、Rayさんも同じように「英文タイプライタのように打ちたい!」という話をどこかで書いていたような。
 ただ、Rayさんの場合は「英文タイプライタでスペルを打ち切るように、日本語入力でもそれをやりたい」という方向だったはず……で、そこから「(ひゅんQのバグによって)連続シフトが使えることを発見して、それ以降連続シフト向けに配列を作った」成果が、今の飛鳥カナ配列である……と。


 141Fさんの記事に「清濁同置なら同期非連続シフト、清濁異置なら同期連続シフト」という話があって納得していたのだけれど、そことは別のレイヤで「基本はアンシフト重視で行くなら同期非連続シフト、配列を3階建てにして処理するなら同期連続シフト」という運動面の話も、一緒に絡んでくるのかもしれない。


 同じ親指シフト系配列でも、シフトを連続的に掛けるか否かでここまで配列のカラーが変わる……というのは、親指シフト系配列に関する設計の難しさ&面白さに直結しているのかも。