前に書いた22kHz問題(22.05kHz問題)@W-ZERO3シリーズ、いったい何が起きているのか。

(未来:メモ。@2007年07月20日)
(過去:前に書いた22kHz(22.05kHz)問題@W-ZERO3[es]、結局実在するようです。)




 ……うまく表現する方法が思いつかなかったので、Wavespectraの画像を貼る事に。
 以下の話は、全て「耳を頼りに捉えて考えた」推測です。そのまま信ずるべからず。


 上に貼っているのは「11.025kHz以上の音」を左右鏡面にひっくり返したもので、W-ZERO3シリーズでは「折り返し雑音」として聞こえることになります。
 (鏡文字なのでみづらいですが) 22kHzより少し上にある「22.05kHz」が、折り返しノイズの0Hzになります。
 この折り返しノイズは、そのまま下に貼っているものと合成されて、W-ZERO3シリーズの音声出力となります。


 下に貼っているものは「11.025kHz以下の音」で、この部分は普通に聞こえます。


 再生していた曲は、先に例示したものと同じ「玉置成実/Shining Star ☆忘れないから☆」で、先頭から再生を開始し、一旦1:40あたりまで再生してから先頭に戻して、ふたたび1:11あたり(大きな折り返しノイズの第一声)まで再生してから停止しました。
 赤い線は再生済み範囲のピークスペクトラムで、黄色い線は停止時点でのスペクトラムを示しています。
 通常はこういう図を示す場合は「周波数軸は対数表示にして出す」ところなのですが、今回の場合は「周波数軸をリニア表示にして」出しています。


 もしも、CDに収録されている「玉置成実/Shining Star ☆忘れないから☆」が【11.25kHz以上の音は低めに収録していた】りすれば、折り返し雑音はほとんど聞こえないことになります。
 「AMラジオのような音」という評価が下されるのはこのあたりで、曲によって雑音が聞こえたり聞こえなかったりする理由もここにあります。


 ところが、この曲では収録可能な限度ぎりぎり (22.05kHz) までスペクトラムが伸びていて、W-ZERO3シリーズのような「サンプリング周波数を無理やり22.05kHzにして(?)再生する」機材にかけてしまうと、折り返しノイズが「楽曲と同じ音量になってしまうほどに」大きく出ることになります。
 この折り返しノイズは、元の曲にある11.025kHzを越えた部分が「22.05kHzから元の周波数を引いた周波数」で音声となって現れてしまうため、18kHz以上の音が「折り返された4kHz以下のノイズ」として聞こえてくることになります。


 この問題、もともとは「折り返し雑音の音量が大きすぎる」からこそ耳に障るので、仮に圧縮音源を作るためのツールが「ハイカットフィルタ」を効かせていれば、相当押さえ込むことができます。
 とはいえ、ハイカットフィルタを効かせてこういう音を取ると、ものすごーく平坦な音に聞こえてしまうんですよね……。
 低ビットレートで圧縮すれば、大抵は「聞こえにくい音は取ってしまう」ので、ハイカットフィルタを使うか否かに関わらず、こういう音は消えてしまい、耳に障ることもありません。
 ……で、果たして「2GBのmicroSDモカが3000円とかで買える時代」に、低ビットレートの圧縮音源がマッチしているのかどうかは不明ですけれども。


 ……うーん、(Advanced [es]W-ZERO3のリリースに間に合わない場合は)同機種向けのサービスパック1によるサポートでも良いので、アドエスだけでも何とかして欲しいところです。