(メモ)清濁同置は「刻印をするために必要」な技術……なのか?それともタッチタイプをするために必要なのか?
「タッチタイプ」と「サイトメソッド」──これは「英文なら変換処理が必要ないからどちらでもいい」けど、和文の場合はいくつかのタイプに分かれるかも。
- 「和文で変換処理を必要としなくても、ストロークの組み合わせで文字を表現するなら(鍵盤に表現できないので)タッチメソッドが必須」
- 「和文で変換処理を必要としないけど、文字が書かれた巨大鍵盤から文字を拾う必要があるから、サイトメソッドが必須」
- 「和文で変換処理を必要とするから、目線移動を避けるためにもタッチメソッドは必須」
- 「和文で変換処理を必要とするから、目線移動は気にしないからサイトメソッドでもいい」
……で、かな漢字変換用のけん盤配列では、下ふたつのうちどちらの立場を取るかで、入力法の素性が少しずつ違ってくるのかもしれません。
TRONかな
- http://www.personal-media.co.jp/utronkb/article.html
- BTRONにおける入力方式 −TRONキーボードの設計−_IPSJ-HI86007002.pdf - p.6
- 清濁分置は「カナが25字増え習得時間が増える」「刻印が混乱する」から採用したくない。
JISX6004かな(新JISかな)
- JIS C6236-1986 仮名漢字変換形日本文入力装置用鍵盤配列 解説
- 基本方針として、JIS C 6233(=JIS X 6002)とおなじ63文字を対象とする。
JISX6002かな(JISかな)
- JIS X 6002 情報処理系けん盤配列(現行のため、JISCで検索可能)
- 「JIS X 0201採用の文字」を用いた入力法を規定する。
- JIS X 0201では「濁点」と「半濁点」を別置きにしていて、この考え方がけん盤配列に流用された。
- 「JIS X 0201採用の文字」を用いた入力法を規定する。
NICOLAかな(親指シフト)
- コンピュータ―知的「道具」考 (NHKブックス (478)) - p.168
- 「工夫として」反対側の親指シフトキーを使って濁音を出した。半濁音は専用キーにした。
- 考える道具―ワープロの創造と挑戦 - pp.65-66
- クロスシフトは違和感がないから濁音用にして、濁音化可能なカナをアンシフトに集めた。半濁音はタイプライタのシフトキーを流用。
なんとなくみて回った感想。
- 「刻印されているからこそ普及する」は真かもしれないが、「刻印されているからこそタッチタイプを習得しづらい」も真かもしれない。
- 結局のところは「JISX6002とQwertyは刻印されたまま」で良いのではないか。
- 本当に「はじめからタッチタイプをさせたい」カナ配列があるのならば、完全無刻印鍵盤の真似というカタチで「カナ無刻印鍵盤」を搭載して、習得してもらう……というのが筋なのかも。
- そのためには、「カナ刻印下敷き」と「カナのあんちょこシート」が数セット同梱される必要があるのかも。
- ……って、まさか、無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法が富士通ノートではなく、「JIS配列のカナ無刻印モデルが選択可能」な松下ノートを薦めた理由には、そういうことも(暗示的には)含まれているのだろうか?
- 結局、「鍵盤には刻印が必須」と言うのは、自らの首を絞めてしまう可能性があるのかもしれない。
- 刻印が必要な人向けには「目にやさしいキーボード」のような、中途半端でなく解りやすいものが必要になるだろうし。
- 「自国の文字が鍵盤に刻印されていないのは、発展途上国以外ありえない」とかいう妙な話を昔見た気がするのだけれど……それのせいで「タッチタイプできない人がまだ多い」のだとすれば、とても罪作りで滑稽な話だと思う。
- 「キー入力入れ替えソフト」のJIS規格化を目指して。の考え方は、それほど間違ってはいないのかもしれない……タッチタイプが前提であれば「刻印は無意味」なのだから、「ソフトウェア的なキー配列の実装」と「タッチタイプと言う技術」との整合性は、案外と高いのかもしれない。
- キー入力エミュレータが目指す先は、「より多くの配列を実現できる方向」に向きつつあるのかもしれない。
- 最後に……多くのアイデアをカタチにしてくれる、全ての賢人に感謝。