「私はどの入力法を選択するべきか(or今の入力法を使い続けるべきか)」という点についての考察を試みる。
(言及:得意技であり、一番のボトルネックとは)
(参考:親指シフトとカナの打鍵範囲。)
(参考:「風」に対応、の意味。 )
【2007年1月31日11:31:02追記】
本件については、個人的に「やっぱり書くべきではなかったのかも……」と後悔しています。
#後々読み返してみたところ、結局は「押し付けがましさのカタマリ」な内容になっていまして……。
そういうわけで、先ほどお詫びのコメントをポストしてきたところです。
うーん……何でこういうことになってしまったのか、少し頭を冷やして「もう一度考え直してみる」必要がありそうだな……と、そう思いました。
今日ははてなブックマーク - 親指シフトブックマーク(@ぎっちょん)さん経由で、ムギさんの【得意技であり、一番のボトルネックとは】というお話について。
「独立」という一大決心をされたムギさんが、文字入力環境について悩んでいらっしゃるようです。
ハードウェアを変更するべきか、あるいは手順を変更するべきか。
下記の記述へと至った経緯についての詳細は、リンク先の記事を(……それと、カテゴリ「独立日記」全体も併せて)お読みください。
頭で考えるスピードの方が、当然打つより早いので、とてももどかしい。親指シフトなので人よりかなり早いはずなのですが、それでも、しょせんノートパソコン、限界があり、とにかく、指と背中が常に疲れています。
かといって、運べないデスクトップでは使える時間が限られてしまうし。
そうすると、親指シフトキーボードのノートパソコンを買うか、あるいは、入力を親指シフトではなく、花+風のような、より、効率のいいものにしろ、ということなのでしょうか?
(from http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2007/01/post_5667.html )
おそらく……ですが、ぎっちょんさんは「早まってはいけません!」という書き出しで言及されるだろうか……と、勝手に予想してみたりしました^^;。
とはいえ、現実的には私も「入力法を変える前に、入力環境の整備のみで改善できるのであれば、そうするほうがよい」様に思っていたりします。
人の記憶(指の記憶)に依存する部分の変更は「膨大な練習を伴わなければ変更できない」という問題をはらんでいます。
そうすると、それを必要としない「人の記憶(指の記憶)に依存しない部分の変更」のみにするほうが、変更に伴うコストはずっと少なくできますし。
……ところが、ムギさんの場合はハードウェアに関して「ノートパソコンで!」という制約があるそうで。
それともう一つ、記事を拝見して気になったのはここ。
この点を拝見する限りは、「指と背中が疲れてしまう」から「スピードが上がらない」のではないか?と……つまり「瞬間的な入力速度」ではなく「持続的な入力速度」に対する不満があるような印象を受けました。
この場合、ハードウェアの変更のみでいけるか?というと……少しばかり微妙かもしれません。試してみる価値はあるはずですが、さすがに確証が持てないのです……。
「外付けキーボードをノートPCと一緒に持ち歩く」という選択肢も現実的ではありませんし……むむむ。
「身体的疲労」を解消するべきか、あるいは「心理的疲労」を解消するべきか。
ここでのポイントが「かな漢字変換操作に対する疲労感」ではなくて「指と背中についての疲労感」がポイントなのだとすると、「風(単漢字変換システム)」を選択したときにもたらしてくれる【快適さ】があったとしても、ムギさんがおそらく望んでいるであろう【快適さ】を実現するのは難しいかもしれません……なんとなく、目指すべきポイントが違うのではないかな、と感じていたりします。
「風(単漢字変換システム)」はそのまま「ローマ字入力」でも使用できますので、「花」へと乗り換えなくともテストすることができます。
またシェアウェアの「繭姫」を組み合わせれば、たとえば「風+親指シフト」などの組み合わせも実現できます。「風+親指シフト」で試してから、「親指シフト」の部分について変更するかどうかを検討してみる……という選択肢もあります。
ゆえに、「風」は「風」のみで単独テストをして、「花」は「花」のみで単独テストをすることができます。
入力法の(自分自身にとっての)向き不向きを確かめるためには、なるべく要素を分離して別々にテストするほうが良いと思われます。
もし「かな漢字変換操作に対する疲労感」が含まれているのならば、「漢字直接入力」系統に移行するほうがよい気もします。この場合は(早期に習得できないと仕事に支障が出そうですから)入力法と学習法をセットでフォローしてくださるであろう、増田さんに相談してみるのが一番よいと思われます。
増田さんに相談すると、おそらくはご自身が製作された「超絶技巧入力&増田式練習法」のセットを推薦されると思います……超絶技巧入力は「早期習得&打ち間違いの防止」に主眼を置いて設計された入力法で(あるはずで)す。
したがって、「なるべく早期に漢字直接入力へと移行したい」という目的があるのでしたら、現状では最も適切な選択肢としてあげることができると思われます。
身体的疲労の解消には、「評価打鍵済みの入力法」が効く。
「かな漢字変換はそのまま使う」という場合は、ひとまず「きちんと評価打鍵が行われている入力方法」を選択すれば、まず問題は起きないだろうと思われます。
7週間の評価打鍵を経て配列を確定した親指シフト(NICOLA)では不足となれば、より長期間の評価打鍵を経て製作された入力方法を必要とする……のかもしれません。
一般に、評価打鍵の期間が長ければ長いほど、「マズい指使い・マズい負担の掛かり具合を排除できている可能性が高まる」はずですし。
親指シフトキーの操作には慣れていらっしゃるはずですから、親指シフト系の入力方法をお試しいただくのが一番シンプルに移行できる可能性が高いと思われます。
とはいえ、親指シフトキーに頼らない入力方法でも評価打鍵が進んでいる入力法は多数存在しますので、それらの入力方法も検討対象に含めてみる価値があると思われます……極端な例では、親指シフトを下敷きにして生まれた「新JISかな」も評価打鍵を経て作成されました。
個人個人に合う入力法は、利用者本人自身がテストしないと見えてこない。
具体的に「○○入力法をお勧めします!」などと言い切ることはできない(人によって最適解は異なるはず)ですが、状況からすると「同じ親指シフト系の【飛鳥カナ配列】を、とりあえず試してみてはいかがでしょうか?」という提案をさせていただきたいところです。
今のところ飛鳥は「試用者数の累計が20〜30名、現時点での利用者はそのうち2割」という感じらしく、また「そもそも入力法が固定されていない」という不安要素もあります(よく言えば「2000日以上の評価打鍵を経ている」ともいえますが……)。
一方では「飛鳥を試したときの結果を私製配列へとフィードバックした」例がいくつかあるなど、他の入力法に対して何らかの影響を与えた(言い換えれば、他の入力法に乗り換えなおす際の障壁が低い)ということもあります……ゆえに、「飛鳥を試すこと自体について、そう極端に損をすることはないはず」ではないかな……と、そう思っていたりします。
但し、飛鳥に関して一つだけ注意点を……飛鳥には「右手小指の担当範囲が(他の親指シフト系配列と比べて)広い(=非親指シフト系配列と同等)」という特徴があります。
この点については、(NICOLAをとても長い期間使い続けた末の結論として)同じ親指シフト系の「小梅配列」を製作中の141Fさんが【親指シフトとカナの打鍵範囲。】という記事で考察されていますので、こちらをお読みいただいた上で検討いただけますと幸いです。
親指シフト(NICOLA)に慣れた方の場合、「小指はなるべく動かさずに入力したい」という要求をお持ちの場合があるのかもしれません……飛鳥はその要求には応えられない入力法ですので、同じ要求をお持ちの場合は、それを前提に設計された「小梅配列」を選択するほうが良いかもしれません。
……ちなみに、飛鳥の場合は【Touch typing of Japanese. I use alternative input method.】の動画にあるような運指範囲を持っています。
上の記事と見比べていただきますと、どういうことなのかが解りやすくなるかもしれません。
入力速度と誤打鍵率は「入力方法ではなく人に依存する」ので、そのあたりについては無視しつつご覧いただければ幸いです。
(私はどの入力法を使っても60〜70文字/分が精一杯なのです……。)
入力法リスト。
とりあえず、上記に挙げた入力法をリスト化してみました。
ここに挙げた入力法は、単なる代表例です……大枠が決まれば、もう少し細かな入力法についてのリストを再掲示することができそうです。
今ムギさんが「具体的に何について困っているのか」によって、どういう入力法を目指すのかという点は自動的に決まってくるように思います。
私にとって合う入力法がムギさんにとって合うかどうか……という点は、私にはわかりません。
故に、私は「候補を例示する」ことはできますけれども、「この入力方法を使えば大丈夫です!」などとはいえないのですよ……。
お詫び。
うーん……はっきりとした答えが出ない問題だということを認識しつつ、ネタに使ってしまって申し訳ありませんです……orz。
以上、長々と失礼いたしました。