ケータイ+NintendoDS≒「鍵盤そのものが入力ガイド」。

 cevaさんが興味深い記事を取り上げていました。
 【キーボードはタッチパネル──ドコモと三菱、2画面携帯を試作


 三菱といえば「入力ガイドまで付けてポケベル入力を維持しようとしていたけど、結局はポケベル入力のサポートを止めてしまった」という印象があったので、そのまま復活させることはもうないのだろうなぁ……と思っていたのですが。
 NintendoDSを見て「ひらめいた」のでしょうね、これは。
 タッチスクリーンを使えば「入力ガイドそのものを使って文字入力ができる」ので、従来の入力ガイド方式ではなじめなかった初心者向けにもだいぶ良さそう。


 ……ただし、この製品には2点の要望が。

  1. タッチパネルの上端に「入力中」の文字列を表示できるようにしないと使いづらいと思う。
    • 今風の「インライン入力(カーソル位置に入力中文字を表示する方法)」だけを採用すると、それでなくともタッチタイプしづらいタッチパネルボタンを操作しつつ、上の画面にも目線を移さないといけないので……これでは大変すぎます。
    • 大昔のIME(というかFEP)が採用したような「オフライン入力(カーソル位置とは無関係な場所に入力中文字を表示する方法)」を「タッチパネル面の上端に文字を置くかたちで行う」方法を同時に行うようにして、少なくとも連文節レベルでは「タッチパネルのみを見て入力できる」様にしないとツラいと思われます。
  2. 入力方法はカスタマイズできるほうがいいと思う。
    • せっかく入力ガイドが表示できるのだから、権利関係にうるさくなさそうな入力方法は積極的に載せていくほうがいいと思う。
    • 特に「ケータイローマ字入力」は一方式ぐらい載っているべきかもしれない。
    • 「2タッチかな入力」は……うーん、普通にポケベル入力でも良さそうな気がするのだけれど……。


 ……って、よくよく調べてみると、既に入力方式は確定している様子。
 【普通の携帯としても使える──キーボードがタッチパネルの2画面携帯
 「2タッチ仮名入力方式」 と書いてあって、なおかつ15鍵盤方式・縦5段横3行の組なのだから……うーん、こんな鍵盤だろうか。


 【初期鍵盤】──公表されている。

切替
クリア
決定
変換
補助

【「あ」鍵盤】──単純な推測。

【「か」鍵盤】──単純な推測。

【「さ」鍵盤】──単純な推測。

 

【「た」鍵盤】──単純な推測。

【「な」鍵盤】──単純な推測。

   

【「は」鍵盤】──単純な推測。

【「ま」鍵盤】──単純な推測。

   

【「や」鍵盤】──単純な推測。

   
 
   

【「ら」鍵盤】──単純な推測。

   

【「わ」鍵盤】──単純な推測。

 
     
 


 始めは15キー方式だから「富士通方式」かと思っていたのだけれど、「あ」が子音として指定できるからそれはない、と。
 (予測が正しければ)この方式による入力効率は「かえで携帯配列」と全く同一だから、入力効率はちょうど2.0打鍵/文字2.0打鍵/カナになる。
 「ケータイローマ字入力」では……たとえば「Kodama携帯配列」はわずか12キーでも1.994打鍵/カナを叩きだせるけど、このケータイが目指すであろうユーザ層(おそらくはシンプルフォン利用者層)にとって「ローマ字入力」は日常的ではないだろうから、その選択肢が取られることはたぶんないだろうな……と。


 いずれにせよ入力効率が「かえで携帯配列」と同一であれば、「ポケベル入力」よりは入力効率がよいし、以前試算した「最適化かなめくり入力」と比べても同じく効率はよいのだから……これは結構いけそうな予感がする。
 あとは、タッチパネルを使って「無練習で30文字/分の漢字かな交じりな手書き入力」ができるという必殺技もあるから、いずれにせよ「今までケータイメールを打ちたくても手が出なかった人」にとっては、かなり強力な武器になりそう。
 主なターゲットは「孫とのメール交換を楽しみたいじーちゃん・ばーちゃん」「トコトン機械オンチ方面な中高年者層」だろうか。


 今まで「使い方が解らないから、仕方なく電話のみの単機能端末を使っていた」という人にとっては、とても魅力的な端末に映ると思うし、それを期待して購入する人の要求をおそらくは満たすことができると思う。
 しかも、「50音順で簡単・目視ままで解りやすい・実は他よりも効率がよい」と十分なアドバンテージが確保できている、と。


 この手の「簡単端末」って、基本的に「持っていると小馬鹿にされる風潮がある」のだけれど……説明書に大きく「実は最新の入力方法で、入力効率も他より良いんですよ!」と書いておいて、その利点をきちんと把握してから使っていただけるようになれば良さそうですね。
 端末を持つ方自身が「自信を持って端末を見せびらかすことができる」ように説明書を作成することによって、従来肩身の狭い思いをしていた(かもしれない)方を手助けできるかもしれませんし。
 大げさかもしれないけれども、この端末から「文字入力に対する、新しい価値観」が生まれそうな……そんな予感がしています。


 ……しかし、よくメーカーさんってこういう入力方法を思いつくよね……キー配列とキーテーブルをじっくり見回すと、「おおむねこういう感じに配字されることは確実だな!」と思える、うまい仕掛けを採用していると思ってみたり。


 うーん……「かえで携帯配列」の考え方が、ちょっとは人様の役に立てたのだろうか。
 #あっ、驕りすぎですね……すみませんですorz。しかも外れていたらどうしよう^^;。

勘違いしてた……

 かえで携帯配列は同時期発表だからあり得ないか。
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20051024/1130100285
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20050306#suggestion
 このあたりか、あるいはもっと前か……。
 親指シフトベル打ちの組み合わせに気づけばアイデアは出てくるから、もしかするとだいぶ前からアイデアはあったのかも?

2007年1月17日10:52:18追記。

 公式サイトの存在を失念していました……orz
http://www.fomasquare.com/special/800ds/
 一打鍵目は「ベルうちと同じ(=ケータイのキープリントと同じ)」で、2打目は「左列が濁音・中央列が小書き文字(/半濁音?)・右列が清音」となるようです。