【指に宿る記憶】T9入力方式の代わりに使ってみたい変換規則、再考。

(参考:携帯入力関連2題についての質問)
(過去:携帯電話用IMEにあると便利な機能。)

特徴。

 ケータイで今使われている「かなめくり入力」「ポケベル入力」はそのまま使い、一部のキー入力を省略してしまおうという試みです……ゆえに、今までの入力法を捨てなくともよいという点が一番のポイント。
 子音の指定のみで済む「ダイレクトT9」と比べて母音も指定する必要があるという重荷を背負う代わりに、「同音異義語同子音異義語」を一揃い排除して変換候補をぐっと絞ることができる&ローマ字入力の考え方で省略入力できるという特徴があります。

主な省略原理。

 T9では「母音」を省略していますが、この方式では「拗音・濁点・半濁点」を省略記述します。
 「拗音・濁点・半濁点」を省略記述することが出来れば、「ば・ぱ・ひゃ・ふぁ・ふゃ・うぁ・びゃ・ぴゃ・ぶぁ・ぶゃ・ぷぁ・ヴぁ」のような音を全て「は」として入力できるので、発声コストが同じ音は全て同じボタン押下数で入力することが出来ます(「ヴァイオリン」と「バイオリン」のような表記ゆれを中心にして、どうしても変換コストは重くなってしまいますが……)。
 どの程度の効率化が図れるかは不明ですが、少なくとも(小書き文字の入力がボトルネックになっている)「ポケベル入力」の入力効率を引き上げるには有効かな……と。
 最も普及している「かなめくり入力」に適用して、どの程度効率が上がるかは不明です。

省略ルール。

 この案は、表左端にある「基準かな」を入力した場合に、その右側にある文字が(オプションで指定されている場合に限り)入力されている可能性があるものとみなして、右側にある文字を採用した場合の変換候補も一緒に出すと便利なのではないかな……という提案です。
 以前に同じ変換テーブルを提示しましたが、今回はJIS X 4063を参考にして定義を補完してみました。


 うまく実装すれば、こういう変換結果を得られます。

  • 「ふれいすてーそん」と入力して「プレイステーション」という変換結果を得る。
  • 「ろーましぬうろく」と入力して「ローマ字入力」という変換結果を得る。
  • 「つふにんそう」と入力して「テュフ認証」という変換結果を得る。

 舌が回らないまま発音する時を想像してひらがなを入力すれば、大体は上手くいく……と、そういう方法になるはずです。

基準かな 濁音・半濁音化候補*1 拗音化候補*2 濁音化&半濁音化拗音化候補*3 小文字化候補*4
  いゃ・うぁ ヴぁ・ヴゃ
  いぃ・うぃ ヴぃ
いゅ・うぅ ヴぅ・ヴゅ
  いぇ・うぇ ヴぇ
  いょ・うぉ ヴぉ・ヴょ
きゃ・くぁ ぎゃ・ぐぁ  
きぃ・くぃ ぎぃ・ぐぃ  
きゅ・くぅ ぎゅ・ぐぅ  
きぇ・くぇ ぎぇ・ぐぇ  
きょ・くぉ ぎょ・ぐぉ  
しゃ・すぁ じゃ・ずぁ  
しぃ・すぃ じぃ・ずぃ  
しゅ・すぅ じゅ・ずぅ  
しぇ・すぇ じぇ・ずぇ  
しょ・すぉ じょ・ずぉ  
ちゃ・つぁ・てゃ・とぁ ぢゃ・づぁ・てゃ・どぁ  
ちぃ・つぃ・てぃ・とぃ ぢぃ・づぃ・てぃ・どぃ  
ちゅ・つぅ・てゅ・とぅ ぢゅ・づぅ・てゅ・どぅ
ちぇ・つぇ・てぇ・とぇ ぢぇ・づぇ・てぇ・どぇ  
ちょ・つぉ・てぉ・とぉ ぢょ・づぉ・てょ・どぉ  
  にゃ・ぬぁ    
  にぃ・ぬぃ    
  にゅ・ぬぅ    
  にぇ・ぬぇ    
  にょ・ぬぉ    
ば・ぱ ひゃ・ふぁ・ふゃ・うぁ びゃ・ぴゃ・ぶぁ・ぶゃ・ぷぁ・ヴぁ  
び・ぴ ひぃ・ふぃ・うぃ びぃ・ぴぃ・ぶぃ・ぷぃ・ヴぃ  
ぶ・ぷ ひゅ・ふぅ・ふゅ・うぅ びゅ・ぴゅ・ぶぅ・ぶゅ・ぷぅ・ヴぅ・ヴ  
べ・ぺ ひぇ・ふぇ・うぇ びぇ・ぴぇ・ぶぇ・ぷぇ・ヴぇ  
ぼ・ぽ ひょ・ふぉ・ふょ・うぉ びょ・ぴょ・ぶぉ・ぶょ・ぷぉ・ヴぉ  
  みゃ・むぁ    
  みぃ・むぃ    
  みゅ・むぅ    
  みぇ・むぇ    
  みょ・むぉ    
     
     
     
  りゃ・るぁ    
  りぃ・るぃ    
  りゅ・るぅ    
  りぇ・るぇ    
  りょ・るぉ    
     
       
       
       
       
       
       
       
       

*1:「濁音&半濁音補完」指定があった場合に有効

*2:「拗音化補完」指定があった場合に有効

*3:「濁音&半濁音補完」と「拗音化補完」の指定があった場合に有効

*4:「小文字化補完」の指定があった場合に有効