ketttさんの日記にコメントしつつ思ったのですが、コンピュータ用の標準鍵盤を用いた日本語入力法における「規範的側面」には、何が定義されるべきでしょうか。

 前提条件についてはketttさんの記述をご覧頂くとして、ここに

  • 日本語の特徴をキー配列向けに変換したルール(飛鳥で言うところの飛鳥理論のような)

以外のものとして、何が必要になりそうでしょうか。
 #↑が規範として成立するかどうか、という点自体に確信がもてないのですが……一応。
 今のところ、個人的な感触としては、以下の項目は「規範的側面」として合意形成できるわけではないことを確認済みであるように思います。

  • 「シフト方式」「制御キーの位置や機能など」は規範的側面にはあてはまらない。
    • これは個々人が得意とする運動能力&現状での習熟度合いに依存する問題。
  • 「依存するべき記述用符号(カナ/アルファベット/etc....)の種類」は規範的側面にはあてはまらない。
    • これは入力法の設計段階や、あるいは個々人の表現方法に関する問題。
  • 「キーの打鍵範囲」は規範的側面にはあてはまらない。
    • これは個々人が得意とする運動能力&現状での習熟度合いに依存する問題。
  • 「キーのばらばらさ加減」は規範的側面にはあてはまらない。
    • これは主に入力法の利用頻度(→デバイスサイズにも関係してくる)に関係する問題。
  • 「配列自体に現在一定のシェアがあること」は規範的側面にはあてはまらない。
    • それが規範足り得ないことは、JIS配列の端を崩した変態配列キーボードが平然と製品化できる(しかも一定の顧客には受け入れられる)ことが証明してしまっている。また、前出の条件とも相反するため。

 うーん……この問題、「これから規範を合意形成で作成する」のではなくて、「既に合意形成がなされている(or日本語文を入力する限りは全く疑いの余地がない既成事実)を積み重ねて規範とする」方が自然かもしれないですね。
 ひとつの入力方で全員が幸せになれることなどありえないものの、(少なくとも今後提案される配列に対して)最低限度考慮されるべきルールというのは、(配列が違えど同じ日本語文入力を行うのだから)きちんと提示できるはずだよなぁ……と。
 「規範」と書くと仰々しいので、「配列を作成する上でこれだけは考慮しておくほうが良いよ!というノウハウ」として考えるほうがいいのかも。